12話 朝食という名のマナーの勉強
今から朝食です。いや、マナーの勉強の時間です。美味しく食べたい。切実に。いや、美味しいけど。何か違う
「クラウドおはよう」
「おはよう~」
旦那さんと奥さんも一緒に朝食を食べるのか
「おはよう、ございます」
「では、坊ちゃん。旦那様の見様見真似で構いません。やってみましょうか」
あ、当主自らお手本をするんですね。なんと豪華な
「はい」
朝飯はパンとベーコン、サラダとスープか。美味しそう。あ、そういえば、ボックスに入ってる食材等はどうしようか
「では、食べようか。食材に感謝して」
「感謝して」
「か、感謝して?」
胸に掌をあてて食材に感謝する。いただきますみたいなものか
とりあえず、旦那さんの食べ方を参考にしつつ、食べる。意外と難しい。駄目なところは、ミカリスさんが注意してくれる
や、やっと食べ終わった。この体は物覚えがいいみたいで助かった。次はもう少し上手くできるだろう。前世じゃ、こうはいかなかっただろう。まあ、マナーもまだまだ初歩的なものだろうし、覚えなければいけないことも、沢山あるからな。頑張ろう。望んだ訳では無いが、神様が心配して神託までしてくれたんだしな。貴族生活も楽しんでいこうか
「クラウドは物覚えがいいな」
旦那さんに褒められた。どや
「今日の午前は昨日言った通り、部屋の家具を頼みに行こう。午後からはミカリスに色々教えて貰ってくれ」
色々か。ミカリスさんにはお世話になるな。そして、貴族の色々な事を教えられるミカリスさんハイスペックだな。それとも執事ってみんなそうなの?
「はい」
「それから、これは強制では無いのだが、私の事を父と呼んではくれないか?」
「私もお母さんって読んで欲しいわ~」
MA・JI・KA
「もちろん、クラウドが呼ぶ気になればで良い。ただ、私達は君と本当の親子になりたいと思っている。それだけは覚えておいて欲しい」
言葉が出てこねぇよ。頷いとこう。こんな時はなんて返すのが正解なんだ?別に、呼ぶ事に特に抵抗はないんだけど。前世は前世で親がいたけど、この世界で俺の親はいないんだから。あれ?普通はもっと抵抗あるもんなのか?それとも……俺、意外と寂しかったの?
でも、タイミング逃したしな。適当なタイミングで呼べばいいか。そもそも、親子の定義ってなんだ?色々な本読ませてもらって勉強しよう
「さて、難しい話はここまでにして、出かける準備をしようか」
「お出かけね~家具選び楽しみだわ~」
いや、選ぶの俺なんだけど。まあ、いいか。あんまりなのは止めよう
そろそろストックがきれそう……頑張らねば




