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ラブコメの主人公はお好きですか?  作者: 利苗 誓
第12章 高校生活 こぼれ話篇
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エピローグ



 卒業式も終わり、生徒たちの進路も決定した。

 志藤は合格ラインに届かず、大学受験に失敗した。


「だから言ったのよ。ちゃんと勉強してないから、まともに大学も受からないのよ。あぁ、もうどうするのよ。こんな所で躓いて、もう人生お手上げじゃないの。だから早く勉強しときなさい、って言ったでしょ。大学なんかで躓いて、これから人生どうやって生きていくつもり? それとも自分、犯罪して生きていくつもり? なんでこうなったのよ……」


 母は志藤の不出来を責め、小言を言うようになった。


「ちっ」


 娘である志藤は母の小言に嫌気がさし、自室にこもる生活が続いた。

 浪人することとなった志藤は、また一年受験に向けて勉学に励むこととなる。


「あぁ、もうおしまいよ……。この私の娘がこんな所で落ちこぼれになるなんて……」


 母は娘の将来を悲観し、ただただうなだれていた。








 北秀院大学、映画研究部――


「ほら、そこ! きびきび働く!」


 新入生を間近に控えた映画研究部の部員たちは、新入生のために部室を片付けていた。


「ほら、サト。邪魔だから立って」


 誰もが振り向くような美貌と知性を兼ね備えた可憐な少女、未市要。

 未市は部室を片付けながら、ソファーでくつろぐ里野に声をかけた。


「邪魔……?」


 里野はおっとりとした声で、未市に返答する。

 しなやかで艶やか。独特の空気感を持った里野は、どこか儚げであった。


「そう、邪魔」

「へぇ……」


 里野は文庫本を読みながら、それでも頑なに動こうとしなかった。


「動かないならサトも片付けるよ」

「やってみて」

「はぁ……」


 未市は頭を抱える。

 脚を畳んで文庫本を読みふける里野の太ももを掴み、そのまま持ち上げた。


「よっ!」


 そして別のソファーへと移動させた。


「ナイッス、ボール」


 ゆっくりと、棒読みで。

 里野はニヒルに笑った。


「ナイスボールじゃないんだよ、サト」

「新入生なんて、来なくても、良いよぉ」

「こらこら。新入生来ないと困るでしょ」

「別にぃ」


 里野、未市の二人は部室の部屋を片付ける。

 もっとも、未市しか働いていなかったが。


「要のお気にの、赤石君。来るからかなぁ」

「……」


 未市は無言で部室を片付ける。


「良い後輩だよ、赤石君は」

「そんな風には、見えなかったなぁ……」


 里野は細い腕を撫でるようにして掴む。


「楽しみ、だなぁ」

「変なちょっかいかけないでよ、サト」

「ふふふ……」


 里野は妖しく笑った。


 高校を卒業し、大学へと進学する。

 赤石たちを迎える未市や里野たちも、着々と準備を始めていた。




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― 新着の感想 ―
別に高卒でも、仕事のえり好みしなけりゃ充分生きていけるけどね。 けどこの女は、無駄にプライドだけは高そうだから 分不相応なホワイトカラーの1流企業とか平気で高望みしそう。
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