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ラブコメの主人公はお好きですか?  作者: 利苗 誓
第11章 卒業式 後編
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エピローグ




 大学受験の合格発表が、出揃った。


「……よし」


 赤石は北秀院大学に入学するためのスケジュールを見直し、一言小さく呟いた。


 赤石を含む須田、黒野、船頭、暮石、八谷、京極たちは北秀院大学への入学を決めた。

 しかし、三千路は北秀院大学の受験に落ちることとなった。


 高梨は日本で最も頭の良い大学に入学するため、東京へと旅立った。


 櫻井は北秀院大学の受験に落ち、反面、彼女の水城は北秀院大学への入学を決めた。

 櫻井は大学入学のため、予備校へ通うことになる。


 上麦、花波は北秀院大学近辺の清蘭女子大学に合格し、共に女子大学への入学を決めた。

 新井、平田らその他大勢は、それぞれの偏差値に合わせた各都道府県の大学へと散らばって行った。


 霧島の行方は、誰も知らない。


 葉月は櫻井と同様、櫻井の通う予備校に進むこととなった。


 長きに渡り苦しめられてきた赤石の高校生活は、大学入学を機に幕を閉じることとなった。

 今までの関係値は全てゼロに戻り、高校での人間関係は今後再構築されることとなるだろう。

 結局、赤石は三年生での一年間で、まともな人間関係を築くことは出来なかった。

 

「……」


 赤石は卒業時に高校からもらった文集を眺める。

 大学入学を機に、今まであった様々な出来事を思い出していた。

 高校を機に人間関係は一新されるが、かといって高校で築いた人間関係がなくなるわけではない。


 今でこそまともに連絡こそしてはいないが、中学生の頃の同級生も懐かしく思った。


「懐かしいな」


 赤石は中学時代の文集を取り出してきた。

 そして、昔仲が良かった同級生の顔を眺めていく。


「あ」


 文集を開けば、一通の手紙が出て来た。

 中学時代の同級生からもらった、たった一通の手紙。


「……」


 赤石は静かに手紙を文集の中に戻した。


「元気かな、あいつ」


 赤石は文集を元の場所に戻した。


 赤石にとって大きな意味を持つ、同級生からの手紙。


「……」


 赤石はカーテンを開け、部屋の外を眺める。


 街は朝から、活気づいている。

 大学付近に居を構えているため、赤石の家の周りは常に活気づいている。


「よし」


 赤石は軽く息を吐いた。

 気慣れないスーツとネクタイを、姿見で確認する。

 ネクタイを軽く結び直し、スーツに着られていないか心配する。


「行くか」


 赤石の大学生活が、始まる。



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