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9話



「僕を助けてくれて本当にありがとうございます!」



 私にお礼をしてくれている彼女の名前は鈴宮紫乃(すずみやしの)というらしい。名前の通りの綺麗な紫色の髪をポニーテイルにしていて身長は160センチぐらいだ。真っ白な肌に紅玉のような瞳で薄い桃色の唇が可愛らしい。



 あとは僕っ娘なのも私的にはポイントが高い。

 


「にしても、最後にあの男…急に強くなりましたよね。なんだったんでしょう?」



 どうやら紫乃ちゃんは一条智紀が急に強くなったことに疑問を抱いていていたようだ。



「土壇場で覚醒したんですかね〜?」



「うん、そうだと思う」



 柚月ちゃんの問いに答える。



「か…覚醒?」



 なんだか分からずにポカーンと口を開けている紫乃ちゃんも可愛いな。スマホで写真を撮って保存したいぐらいだ。



「出来るようになるきっかけが何かは人によって違うけど、覚醒すると魔力や身体能力が向上するんだよ」



「あとは、スキルが身につきますよね〜」



 そう、柚月ちゃんが言ってくれたように。覚醒するとスキルに目覚めるんだよね。私の時も気がついたらスキルを覚えていたし、使い方もなんとなく分かった。



 一回覚醒することに成功すると好きなタイミングで覚醒出来るようなるけど…



 私はあまり覚醒状態になることはないかな。私のスキルは少し限定的だし、そんなことしなくても私は十分に強いからね。



「うん。多分だけどさっきの男は純粋に身体能力が上がる系のスキルだったんだろうね。いくらなんでも強くなりすぎだし」



 攻撃の破壊力が覚醒前後で全然違ったからね。



「何だか凄いですね!」



「紫乃ちゃんだって覚醒したら凄く強いスキルが身につくかもよ」



「夢が広がりますね!! それにしても、朱莉さんってば凄く強いんですね!! 僕ビックリしました!」



「ありがとう」



「あの?」



「どうしたの?」



「本当に僕がバッジを貰ってもいいんですか?」



「いいよいいよ。ちょうどあの男がバッジ二つ持ってて良かったね」


 

「私も朱莉さんにバッジ貰っちゃいましたし、鈴宮さんも気にしなくて大丈夫ですよ〜」



「分かりました! 気にしないことにして、ありがたく頂いちゃいますね!」



「うん、頂いちゃって。それと私のことは朱莉でいいよ」



「私も柚月って呼んでください〜」



「それでしたら遠慮なく僕のことも紫乃って呼んでください!」




 このあとも3人で喋っていたらあっという間に時間が過ぎて試験は終了した。








・・・








「姉さんただいま!」



「おかえり朱莉ちゃん!」



 家に帰ると姉さんが出迎えてくれた。今日も相変わらずの美人さんだ。姉妹だから顔は似ているけど、私はどちらかといえばクール系で姉さんはほんわかしているタイプだ。



「試験はどうだった?」



「楽しかったよ。同世代の女の子ともお喋りできたし」

 


 柚月ちゃんも紫乃ちゃんも同じクラスだといいな。


「それなら良かったわ! 試験お疲れ様ということでケーキを準備してもらってるから一緒に食べましょう!」



「ホント! 早く食べよう!」



 思えば私も丸くなったなーと思う。スラム街にいた時もこの屋敷に来たばかりの時も強くなる事に必死だった。

 そのせいで姉さんにもよく心配をかけた事が懐かしい。



 もちろん今でも強くなりたい思っているけど、昔の私よりは余裕が出来た。

 それもこれも私が強くなった事を実感しているからだ。今の私なら大抵の事はなんとなると思う。

 何かあっても武力で解決出来るという自信があるからこそ不安もなく自由に振る舞う事が出来る。



 果たして、それがいいのかどうかは分からない。強さなんていくらあってもいいのだから、もっと貪欲に昔みたいな必死さがあった方がいいのかも知れない。

 ただ、私は今の私を気に入ってある。これぐらいの方が視野も広がるし人生を楽しめているから。



「早く食べよーよ朱莉ちゃん」



「ごめん、いま行く!」



 ま、そんなとを考えるよりも今はケーキを食べに行きますか。

 姉さんが早く食べたいって顔をしているし。



 

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