第97話 足音
地下牢にコツ、コツ、と何者かが階段を下ってくる足音が鳴り響いた。
「元気してる〜?」
その彼がなっぺとにゃたいの鉄格子の向かい側に現れた。
「……! 申し訳ございませんご主人様」
にゃたいが慌てて立ち上がり、頭を下げた。
「ああ〜 いいって ってか なんでお前入ってんの?」
彼がなっぺを指差してそう言った。
「にゃに?!」
「ま どうでもいっか ちょっと来い」
彼は牢の鍵を開け、にゃたいを連れ出した。
「お前はついてこなくっていいよ」
「にゃ?!」
「庭の掃除でもしといて」
「にゃたいを……」
『怪しまれる様な事はするな 今はとりあえず黙って従っておけ どうせ今晩決着がつくんだ 辛抱しろ』
インガに制止されたなっぺは、渋々彼の言う事に従った。
◇ ◇ ◇
『今晩の警報装置を切ることは可能か?』
庭で掃き掃除をするなっぺにインガが問う。
「今周りには誰もいないから口に出すにゃ できると思うにゃ」
『ならいい』
「にゃたいは大丈夫にゃ?」
『知らん』
「にゃ……」
箒を掃く手を止めた。
『彼女を今晩で救いたいなら 我慢だ』
「わかったにゃ」
時刻は既に夕暮れを回る。
◇ ◇ ◇
「あっ おい 今日晩ご飯いいや」
彼とすれ違う、にゃたいとは別の使用人にそう告げた。
「その代わりに寝室まで まな板と皿と あと包丁持って来て」
にゃたいは一瞬身体を凍らせ、不穏な空気に呼吸を乱した。
そんな彼女の表情を彼は笑みを浮かべ覗き込んだ。
「!!」
「っさ 寝室に行こう……」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
『九頭』編というより、『館の彼』編や。
変えよかな




