第39話 ニヤケ顔
(誰? 女の子? 真っ暗で何も見えない それに口も塞がれてて……)
「今取ってあげるからね?」
そう言って、少女は雪菜の目隠しと猿轡を取ってやった。
「っは ど どこ?! ってかあんた誰?! というか手のこれと 足のこれも 外せ!」
「さすがにそれはできないなあ 私の名前はHefty」
「んなこたどーでもいいよ! 外せ!」
「誰って聞いてきたの君じゃん」
「うー お願いお願いお願い!! 手だけでも! めっちゃ痛いの!」
「うーん まあ確かに少し強く縛り過ぎたかもだし 手くらいいっか」
「うんうんうん! お願いお願いお願い!!」
「しょーがないなあ」
(っへ バカめ! 外した瞬間押さえつけて言うこと聞かせてやる! 年上の怖さ教えてくれるわ!!)
「っはい!」
そう少女が雪菜の手を縛り付けていた縄を外してやった。
(チャンスはピンチ!!)
「どぉりゃー!!」
雪菜がHeftyに襲いかかったその瞬間。雪菜の両腕はHeftyに掴まれ、そのまま床に叩きつけられた。
「イッタッッ!!」
「なにしようとしてたのかなあ?」
余裕そうな表情でHeftyがそう言った。
「っこの! っこの!」
雪菜が全力で腕を振り払おうにもHeftyの腕はびくともしない。
(っう 動かない…… 何この子 力強すぎるんだけど)
雪菜が少し怯えたようにHeftyを見上げた。そこには、ニヤニヤと笑い少女の姿があった。
「お姉さん それが全力ぅ? Eveが強いって言ってたけど 力は並の女の子って感じだねっ! 私を倒して逃げられるとでも思ったのぉ? 手が空いてれば倒せると思ったぁ? 縄解いてくれるとかバカな奴だとか思ったぁ?」
「っ!!」
「っはは 図星! 逃げられそうな人だったら縄解かないから!」
「っ…… てかさっきエバ? ってよく見たら白いフード!! あいつらの仲間ってこと?」
「そうだよぉ〜」
「ってか その喋り方やめろ!」
「ごめんね 止まんなくなっちゃうんだよねぇ 弱い人見ると へへぇ」
「っがー 腹立つ!! ここどこ?!」
「ここは車の中 下道だから時間かかるんだよねぇ」
† † †
「Panacea 場所は見つかったか?」
Eveが電話越しにPanaceaと連絡を取る。
「場所は見つかりはしましたが Dozeをそこまで運ぶのが……」
「わかった エイルに運ばせよう」
エイルとはEveの飼っている巨大なシロフクロウのことである。
「私が操縦です……よね? ……」
「Panacea姉と喋ってのだ? お兄ちゃん?」
「Shadow Doze運ぶのにエイルの操縦任せていいか?」
「もっちろんだ!」
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