第3話 腫らす瞼
先の銃撃戦の生存者はインガ含め6名。
「突然の襲撃 インガの加入は前途多難だね」
「まあ……」
「インガには自己紹介がまだだったね 私はここ雨カナガワ支部 支部長ヒウだ」
ヒウの手前に構成員が集められていた。
インガの隣には階段で死体を背負っていた男。その男は瞼を腫らし先程まで泣いていたようだった。
「紹介する 今日から新しく家族になった インガだ 早速だがインガのバディを決めようか」
「バディ?」
「ああ 基本的にバディと2人1組で行動してもらうことになってるんだ」
「ん……」
「タイガ 大丈夫か?」
「……はぃ……」
そう蜻蛉の如く弱々しく返事をしたのは、インガの横で瞼を腫らす奴だった。
†◇† †◇† †◇†
「入っていいよ……」
インガはごく普通のアパートの一室に入るよう促された。
「ここはお前の家?」
「僕と……インガの……あと猫峯さん」
「猫峯?」
「そう 長がくれたの『命の飼い方を学ぶ為だ』って」
「長ってヒウのこと?」
「そうヒウ長」
「……」
「……」
まだ完全に日は落ち切っておらず、薄暗い部屋で黙る2人と一匹。
「身長いくつ?」
「最後に測った時は180だった」
「あっそ……」
「ごめんね 僕なんかがバディで…… 今日もそう 毎回僕のバディが…… 僕を……庇って死んで……」
タイガが必死に涙を堪えようとするも、大粒の涙が床に溢れた。
「だるぅ」
タイガには聞こえない声で漏らす。
「僕が死ぬべきだったんだ……きっと……」
インガはタイガの内ポケットの銃を奪い取って、銃口をタイガに向けた。
「撃って」
0.0001秒、インガは弾丸を放った。
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