面倒臭い
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。雰囲気がR15です。
苦手な方はご注意下さい。
書いてる私も、とっても面倒臭いと思った話。
基本的にネオンの小部屋でしか会わない関係ではあるが、この時ばかりは一抹の出来心があって、電報を一通入れた。ただの気紛れだった。
女は何時もの色気のないパーカー、ジーンズ姿ではなく、大都会に馴染むようなカーキ色のワンピースに黒タイツ、高さのある靴を履いていた。何時もは一つに纏められた髪がばら撒かれ、胸の辺りで巻かれている。ただ目だけは希望のない、暗黒の色をしていた。
「待った?」
「待ってない」
女は素っ気なく隣に寄り添うと、手短に返事をした。それから遠慮がちに裾を掴む。目を合わせる事もなく、ただ淡々と述べる。
「どっか行くとこあるの? 今からネオン行っても構わないけど、用意して無いから遠慮したい。……でもこのままで良いなら別に」
準備と言うのは恐らく、夜会用のドレスの事を指しているのだろう。どうせひん剥くのだから要らないだろうと言ったら、物凄く不機嫌な顔をされた。女心は良く分からん。まぁ、とりあえず。
「手、離して」
此処で漸く目が合った。全ての希望を捨て去ったかのように思えた双眸が僅かに揺れる。それから名残惜しそうに離れていった。何なら半歩だけ距離を置く。
どうやら袖を握られた事を鬱陶しいと思っているらしい。いや、そうではなく。
さり気なく腰に手を回して引き寄せる。したらば大人しく足を揺らして近寄るかと思ったのだ。けれども強情にも女が寄り添う事はなかった。どうやらいじけているらしい。
「面倒臭い」
「知らないの? 女は総じて面倒臭い生き物なんだよ。何なら『説明書』聞く?」
女は音楽プレイヤーとイヤホンを鞄から取り出して、俺に押し付けようとしてきた。表情に変化はないが、どうやら機嫌は落ち着いた様だった。秋の空とはよく言ったもので。
「何が不満なんだよ」
「まず『何処に行くか』の質問に答えてくれてない。代わりに出たのが『手、離して』なのが凄く不愉快。君から化粧とか服装とか褒められた事が一度もない。あと……結構今日、期待してた」
特段感情的になることなく、文句を垂れ流すと、漸く隣に寄り添った。肩が触れ合う程に。だから黙って腰に手を回す。離れないように、都会の喧騒に溶けないように。
「どこ行くかは決まってない。腰に手を回す為に、手を離して欲しかった。女の化粧とか、服装とか分からないから、これからも言わない。何となく連絡しただけだから期待するな」
質問に全て答え終わると、女の細い腕が首に巻き付いて、手が後頭部に回る。それから思い切り下を向かせられた。突如感じたのは唇の柔い感触。何時もネオンで交わしているものとは程遠い、ただ触れる為のもの。
「やっぱりネオン行こう」
「準備は?」
「今はどうでも良い」
呼ばれて結構頑張ってお洒落して、期待して行ってみたら、物凄く素っ気ない態度とられて、いじけてしまった話。
『じゃあ、なんで呼んだんだよ(怒)』の腹癒せが、
半歩だけ離れて近寄らない。です。
『説明書』の元ネタはきちんとありまっせ。
分かる方はきっと分かるネタ。
ダウナー系のツンデレなので、暴力も暴言もありません。
ただひたすら無口になり、時折皮肉を述べます。
そうして地味に『不愉快です』と態度に出します。
ツンデレなんで非常に面倒臭いです。
でも気まぐれなんで、すぐに機嫌直します。
此処からが本当にR15禁です。
色ボケネタが飛び交います。
ドレス着て、お洒落し直すのは、彼女の思想である
『脱がせる楽しみがあるじゃん』から。
そうして、
『どうせ剥くんだから、意味無い』と言われた暁には、
『お前は女の裸体しか興味ねぇのかよ(怒)』と思ってます。
彼シャツの良さも分かんないだろうな(怒)
という気持ちからこんな感じ。