本編5
「この調子で残り4つ記憶を込めようか」
レンジュがそう言い2つ目の弾丸を渡してきた、それを握り思い出す。
2つ……父の記憶、父さんは無口だった仕事に行く時も、家に居る時もほとんど喋らなかったけどオレが小さい時よく遊んでくれた。父さんは表情を表に出すのが苦手な人だったかもしれない、いつも家族の為にありがとう…弾丸を握りながら父親どの記憶を思い出していた。
「レンジュ、これで2つ目」
「なかなかいいペースだね」
そう言って3つ目を渡してくる。
3つ…妹の記憶、小さい時はお母さんにべったりだった。大きくなってからはそんなに喋ることは無くなったけどそれでも大事な家族なんだ、お兄ちゃんだから頑張ろうと思えたのも妹がいたからだ。
目を開け手のひらを開けてレンジュに弾丸を渡す。
大事な家族を弾に込めるというのはなにか罪悪感がある……
「大丈夫?休憩する?」
「いや、やりきろう」
レンジュの誘いを理って4つ目の弾丸を握る
ハルカと初めて遊んだ日の事、小さい時に約束した
「一緒に暮らそう」思いを込めたのは特に小さい時の記憶の方が割合が大きかった。こんなことがなければ小さい時の記憶や約束なんて忘れていたかもしれない、幼き日の思い出を4つ目の弾丸に込めて続く5つ目、自身の幸福だった記憶を探り出てきたのはまたハルカの事だった。しかし小さい時の記憶ではなく大きくなってから、14、15歳の時だ、幼少期のように一緒に遊ぶことは無くなったけど気を使わずに喋った時間は楽しかった。異性同性関係なく気を使わないで入れたのはハルカだけだったから
「出来たよ……レンジュ」
「やるね、じゃあ最後いこうか」
「うん」
最後、6つ目の弾丸を握り自身の幸福だった思い出を探るが……………
「おや?」
レンジュも察したようだ、そう何も思い出せないそれ以外が不幸だったという訳でもないが込める程かというとそうでもない、つまり色々思い出して込めて見ても弾丸の色は変わらなかった
「でも5つ込められたんだし大成功だよ」
「そうかな……」
「大丈夫大丈夫!」
レンジュはリボルバーに弾丸を5つ篭めて拳銃事こちらに渡してきた。
「拳銃ってこの国で合法なの?」
「違法だから見えないところに隠そうか」
当たり前のように法を犯すなぁ………というか大事なことを忘れてた。
「俺、銃なんて扱ったことないんだけど訓練とかいるよね?」
「でも射撃訓練なんてしたら音でバレるからなぁ…使う時は外さない!ってタイミングで撃つしかないね」
「えぇ……あるのかなそんなタイミング」
「そうだ、残りの1発は君が持っててね」
「使う時ありますかね…6つ目」
「分からないから君が持つんだよ」
とりあえず6つ目の弾丸はズボンの右ポケットに入れておく、今度大事な物入れみたいなのに入れておこう。
「とりあえず君に話すことは終わったしこの客室は君の部屋にしたから」
そう言ってレンジュは部屋から出ていってしまった。