本編4
「拳銃…これでどうしろって言うんですか?」
「もちろん撃つために」
今まで銃の類は使ったことがない、しかも技術的にはこの国の方が上、リボルバー式の拳銃1つで何が出来るんだろうか。
「まぁ、疑問に思ってるは想定内だよ話はここから」
そう言いながらレンジュは弾丸を6つ取り出した、見た目から変わっているという訳でもなく特に違和感もない普通な見た目の弾丸だ。
「この弾丸はね思いを込めることが出来るの」
「思い?」
「自身の幸せな記憶をこの弾丸に記録させ当たった相手にそれを見せる」
「見せてどうなるんです?」
「記憶ってのはなかなか面白いものでね、奪われたはずなのに似たような記憶を見ると自身の近しい記憶も思い出すの脳は忘れても身体が覚えてるっていうのかな」
「それを俺に………レンジュは持たないの?」
「私はもうこの弾丸に篭める記憶が無いから」
ハハハと笑ってる彼女だがそれは自分で私は幸せな記憶はありませんと公言しているもんじゃないか。
「話を戻すね、この弾丸はこの国の近くに鉱山があってそこから取れるの、その鉱石を使ってこの弾丸は出来てるし徴収する時に使う機械もこの鉱石で出来ている」
「その、誰に撃つとか決まってるんですか?」
「うん、でも先にこっちの話を終わらせるね」
「君には今から6つの弾丸に自身が幸福と強く感じた記憶を篭めてほしい」
「どうやれば…」
「簡単だよ、弾丸を握って記憶を思い出す、そしてそれを弾丸に詰めるイメージで」
レンジュは1つ弾丸をこちらに渡してきた。
「さぁ、やろう君の大事な人を救う為に」
弾丸を受け取り目を瞑り自分が幸せと強く感じた記憶を思い出す……
1つめ、5歳ぐらいの時、怖くて眠れなくなって母親の布団に入ったことがあったその時何も言わず自分が眠るまで背中を優しく叩いてくれた。
目を開け、弾丸をレンジュに見せた。
「これで、大丈夫かな?」
「うん、入ってるよ君の大事な記憶」
見てわかるものなんだろうか……
「何も入ってないと無色のままだけど、君の思いを込めた弾丸の色を見て」
さっき握った弾丸をよく見てみると先端部分がほんのり赤くなっていた。
「色が変わってるでしょ、込める思いによって色が変わるんだよ」
「赤色は、いい色なの?」
「寂しいとかだと寒色系等になりやすい逆は暖色系だね、黒みたいに沈んだ色は…絶望そのものを込めたんだろうね」
「そうなんだ……」
「さぁ、残り5つやってみようよ」