本編44
報告
あれから慈愛教会に何人か工作兵を送り込み、弟子達の過去について、……についての調査をしています。
弟子達は全員、被災者でした。……が被災した村を周り助けていき今の人数になったそうです。お互いの信頼関係も高く買収しこちらに情報を流してくれるとは考えにくいと思われます。
報告2
慈愛教会に怪しまれる事無く少しずつ工作兵を増やしています。しかし我が国の兵士までも教会の信徒になりつつあり早めに手を打たなければ王が失脚してしまう可能性も考えられます。
王室で、慈愛教会の報告書に目を通す、細かいことは色々書かれているが要約すると時間がかかる割に大した効果は見込めないということが分かった。
「これが直近の報告書か」
「はい、少しずつこちら側に取り込んでいこうと考えていたのですがなかなか隙を見せないものでして」
「金銭的な物で釣ってもダメなのか?」
「信徒達が食べ物やお金を寄付しているらしく特に貧乏というわけでもない…と聞いています。それに奴らは旅人ですから、食べ物がない時相応の凌ぎ方も心得ているでしょう」
「ふむ…少し無理があるがこれならばどうだ?」
「はい」
鉄の国は東西南北、山々に覆われ盆地のような形になっている。その為攻め込まれにくく戦に負けることなく現在に至る。
「軍事演習を行う、信徒達と…を編成させてな」
「我々の軍と信徒達を襲わせるんですか?しかし…他国からの侵略と説明した場合……」
「別に他国に責任を押し付けたりせんよ、説明も面倒だしな。軍事演習のルートに罠をしかけて救助不備の責任を取らすだけだ」
「では、早速手配してきます!」
「うむ、慈愛教会へのスパイは撤退はせずにまだ潜入をさせておけ」
「はい!」
そう言って1人の側近は王室から出ていった。
「教会を潰す算段はついた…」