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アレンと徳島とWNIの国のアリス  作者: 海豹ノファン
4匹の兎勇者と徳島アーク伝説
24/82

新たな敵そして絶縁ー1ー

「ゲホッゲホッ!」


アリスは咳き込む。


見上げるとメアリアンの豹変した姿が。


アリスはどう言うわけかメアリアンから暴行を受けていた。


「貴女は私に何の恨みが…!」


「うるさいっ!あんたは知らなくても私はしっかりと覚えてるんだよこの泥棒猫!!」


アリスを泥棒猫呼ばわりし罵倒するメアリアン。


メアリアンはアリスの目線にまでしゃがみ、アリスの髪を片手で鷲掴んで上げる。


「あんたは勇者の座を私から奪って幸せも奪った、そうあんたは泥棒猫だよ!」


メアリアンは不気味に笑う。


(この目…あの時のミサと同じだ…)


虐めを楽しむ醜い目…それを今のメアリアンはしていた。


アリスに瓜二つのはずのメアリアンは豹変して悪魔のような淀んだ目をしてアリスに恨みをぶつけていた。


しかし恨む理由ははっきりしない。


「私と貴女は一体何の関係が…!」


アリスは蹴られて痛む腹を手で抑えながらメアリアンに問う。


「このそっくりな顔を見てまだわからないのかい?私と貴女は姉妹なのよ!双子のね!」


メアリアンの顔は雷の光で暗転する。


続けてメアリアンは恨む理由を告げる。


「本来なら私が自然に囲まれて牧歌的な家庭に生まれ、幸福に慎ましく暮らし、後に勇者となるはずだった…しかしあんたが全てそれを奪い、私はこんな惨めな誰かのメイドとしてこき使われなければならない日々を過ごしている…それが理由だ!」


メアリアンの怒気、いや殺気を感じさせる表情はアリスに恐怖心を与えるのに充分だった。


しかし恐怖だけではまだ足りない、その後アリスにとって本当の地獄と絶望がはじまるのだ。


「そうそう♪実は貴女に会わせてあげたい人がいるのよ、さあいらっしゃい♪」


薄暗い部屋の中から一つの人影が現れる。


それはアリスの徳島では最もよく知る最高のフレンズだった。


「結愛ちゃん!!」


「………」


アリスは歓声をあげるが結愛は黙っている。


それどころかまるで虫を見るかのようにアリスを見下ろす。


「結愛ちゃん!助けて、私達、フレンズでしょ!?」


アリスは結愛にすがる。


気丈なアリスもこの状況、誰かに頼らざるを得ない心理状態だった。


ところが結愛はアリスを振り払ってしまう。


「気安くタッチしないでよYou little whore!(このあばずれが)!」


「なんで…結愛ちゃん…?」


アリスの顔は全面絶望の色に染まる。



「ハハハ可哀想ったらないねぇ、一番信用していたフレンズにいきなり冷たくされたらねぇ!」


可哀想と言いながらもメアリアンは嘲笑う。


嘲笑うメアリアンと共に結愛もアリスを見下すような笑みを見せる。


挿絵(By みてみん)


「実はねミー、前々からユーの事大嫌いだったんだよねぇ♪」


結愛の陰険な声、アリスは一瞬結愛の言ってる事が理解出来なく、後に冗談を言ってるのだろうと思った。


「はは…嘘でしょ?嘘だと言ってよ…」


焦りを見せるもやや笑って見せながらアリスは問う。


しかし結愛は無言でアリスを睨むだけ。


後ろからメアリアンも絶望に染まるアリスの全身を楽しむように眺めている。


「何笑ってんの気持ち悪い!」


結愛はアリスに吐き捨てる。


アリスは結愛がアリスを嫌うようになったのは全て自分に責任があるのだろうと思った。


「私が前に結愛ちゃんを酷い事を言ったからなんだよね?ボンクラとか…あの時の事は謝るから、ね?」


アリスは焦りと混乱の中で結愛にこれまでの無礼を謝る。


「謝って済んだらポリスなんていらないんだけどぉ」


結愛は腕を組んでギャルのように間延びした声をあげる。


「どうしたら許してもらえるの?結愛ちゃんに許してもらえるなら私なんでもするから…!」


アリスはまだ希望はあると信じた、そして結愛とまた前の関係を取り戻す為に我が身がどんなことになろうとも成し遂げようと思った。


メアリアンは提案を持ちかける。


「そうだ、あんた、結構強いんだろ?だったらモンスターの巣窟に行ってモンスターを皆殺ししてきな!」


そしてメアリアンは剣をアリスの目前に落とす。


「私がモンスターを皆殺しにしたら…結愛ちゃんは私を許してくれる…?」


「考えてあげても良いかも♪」


結愛はわざとおどけるように返答する、しかしアリスはそれで許してもらえるならと信じた。


「よっしゃついてきな!」


メアリアンはアリスを連れて行く。


そして結愛もそれに続く。


ーーー


メアリアンが連れて来た場所はモンスターに占領されたとある廃墟だった。


人が住んでいた痕跡は残されてはいるが今や多くのモンスターがひしめき合い、人が入り込まぬよう我が物顔でその瓦礫と化した街を占拠していた。


しかしモンスターを見てアリスは思った。


(体は大きいけど優しそうな動物達…それをみんな…)


確かに体は大きいがいずれも鳥のような生き物やネズミのような生き物、モンスターと言うより動物と表現した方が良さそうな生き物ばかりだった。


「そいつらを皆殺しにしたら結愛は許してくれるんだとさ、な、結愛!」


メアリアンは結愛に肩をやる。


「そうそ♪だからファイティンね!」


からかうように応援する結愛だが一方のアリスは剣を持ったまま固まっている。


「どうしたの?やれないの?」


「ミー達ってそんな仲だったんだ…」


結愛の言葉にアリスはビクンとなる。


(躊躇しては駄目…鬼になるのよアリス!)


アリスは自分に言い聞かせた。


それに比例するように剣の取っ手を強く握り力を込める。


そしてアリスは意を決した。

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