表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

いわゆるひとつの逆はーですね

タイトルをいれるのをやめようかなぁ…

全然思いつかない(笑)

私とイム君は、二日にわたってこの山芋を食してきました。


この芋は、いわゆる自然薯というやつみたいな感じだと思う。


焼いて食べているので、余り粘りみたいなものは感じないけれど、気のせいか昨日よりも元気になっている気がする。


といっても、元々そんなに胃が受け付けないようで、私はこぶし大の欠片を食べればお腹いっぱいだった。


イム君は、焼いた全ての芋を食べ終えて!ようやく、満足した様子だった。


…芋を掘ったのも、洗うお水を汲んだのもイム君なのだから満足するまで食べんさい。


とはいえ、お芋はあと3本掘ってきていた。


「…コル、あのさ、俺、皆を呼んでくるからさ…お前、芋を見ながらヨグ婆と留守番できるか?」


もちのろんだよ。


と大きく頷いて見せるが、イム君は私の返事に不安を覚えたようだった。


「…ほんとに大丈夫か?…もし、ヨグ婆の息子が帰ってきたら、婆に頼んで隠してもらわなきゃなんだぞ?それから、知らない奴から食べ物を貰ってもついてっちゃだめなんだぞ?」


お前、出来るか?と問われて私はじっとイム君を見上げる。


「…るすばん……ぁあいじょぶ」


頑張って発声しましたが、コルちゃんの声帯はやっぱり、しゃがれてるというか、明らかに腫れてるような感じもあって…。


ついつい無口になってしまうのよね。


でも、頑張って声を出したお陰か、イム君はぱあっと笑顔になった。


「…っ!スゲーなコル!お前、ちゃんと喋れるじゃないか!」


偉いぞといいながら、イム君は嬉しさ爆発でぎゅうっと私を抱き締めてくれる。


…うん、いや、お兄さんやそんなにぎゅうぎゅう抱き締めると、この身体だと落ちてしまうんだがっ!!


お伝えしたい思いはあったのだが、お伝えできないままに私の世界は暗転した。





「…うっま!これほんとにうまいよ」


そんな声が私の頭上から聞こえる。


「いやー、参ったね。コルにこんな旨いもん食わせて貰える日が来るなんてなぁ」


ははっと楽しそうな笑い声は、足元からしている。


はて?私は一体どんな状況なのでしょうか?


ゆっくりと瞼を開くと、見慣れない少年の顔が見える。


…この角度ということは、どうやら、膝枕をしてもらっている。


薄目を開けながら、足元を見ればそちらにも見慣れない少年がいる。


どうやら、場所はヨグ婆の窯場みたいで、雨避けの空は少し夕暮れがかっている。


足も何故かその少年の膝の上に乗せられている。


「お、コル起きたか?」


頭上からそんな声がして、私は一気に抱き抱えあげられて膝に座らされる。


…ちょっ…あの、この身体はそーんなに強くないんでね、も少し丁寧に!


むぅっと睨み付けると、反対からははっと声がする。


「あははっ!凄い!コルが、ムッとしてる」


可愛いと言って私の頬をつついてくるのは、私の足を膝にのせていた少年だ。


…止めれ、地味に恥ずかしいから!中身はピー才のおばちゃんにはほっぺツンツンとかこっぱずかしいからっ!!


頭の中でぎゃぁぎゃあ喚きつつも、ムッとした顔のまま固まっていると、いい加減にしろよと声がかかる。


「ウラヌ、あんまり構うと、また熱が出るぞ。」


私の近くに来たのはレンだった。


思わずほっとして、私は恥ずかしげもなく彼に両手を伸ばして助けを求める。


レンはちょっと困ったような笑い顔で、私を助け出してくれる。


「…ちぇ、俺だってコルを可愛がりたいのになぁ」


結局レンになついてんだよなと、私を抱き締めていた少年がため息をつく。


「…そう思うなら、嫌がられる抱きかたするなよイサク」


レンが言うと、甘いよ!と私の頬をつついていた少年が叫ぶ。


「この厳しい世の中を生きていくんだから、多少の乱暴にもなれなくちゃだぜ?」


「…ウラヌ、そういうのは、コルが元気になってからにしろ」


ちぇーと言いながらクスクス笑い合う二人は、余り面識のなかったその他二人の仲間みたい。


…えーと、イサクとウラヌか。


正直、今日初めて顔と名前を知りました。


改めてじっと二人をみる。


薄汚れた感じはあるけれど、結構身体は大きそうだ。

そして、顔はというと、レンに比べると整っているというより愛嬌があって、何よりも二人とも凄いそっくりだった。


髪の長さが若干違うので、見分けはつくけど…、この二人は双子なんだろうか?


「…ふ、た…ご?」


ゆっくりと、発音してみると、何故かイサクとウラヌは凄いショックを受けたような顔をする。


「えええっ!!コルが…」

「コルが、少し賢くなってる!」


嫌だ!可愛くない!!と二人は叫ぶ。


…ちょっとちょっと、どういうリアクションだよ!


「皆ぁ、ヨグ婆が林檎(ルマンナ)お裾分けしてくれたよぉ」


どうしたの?といいながら、戻って来たのは、どうやら、ヨグ婆の所で手伝いをしていたイム君だった。


レンにイム君にイサクにウラヌ。



…いわゆる逆ハーレム状態ですね…。



……おばちゃん脳だと、「息子だったら可愛いなぁ」としか、思えないんだけどねっっ。







本日も読んでいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ