ガイウス・ユリウス・カエサルと織田信長
ここは偉人BAR、今二人の偉人が時代を超えて肩を並べていた。
片やその名をガイウス・ユリウス・カエサルといい、齢六十前後、薄い頭髪(ほぼ禿)。
白いトゥニカ(ウールで出来たTシャツのようなもの)の上から、トガと呼ばれる一枚布を身に纏っている。トガの縁は軍神マルスを象徴する赤色をしていた。
もう一人は名を織田信長と呼び、齢五十過ぎ、頭は二つ折りの髷と薄い髭を特徴とし、服装は小袖、下着、肩衣、袴、腰板とごちゃごちゃしており、腰には刀を差している。
「おい知ってるか? カエサル」
信長がマティーニの入った逆三角のグラスを傾けながら隣のカエサルに尋ねる。
「どうした?」
カエサルは信長の方を見ずにウィスキーのショットをぐいっと一気に飲み干した。
「儂、現世では美少女になってゲームとかアニメに出てるんだぞ」
「何だそれ!? 傑作だな!」
「だろ? 儂それ知ってメッチャ腹抱えてよ、蘭丸に頼んで買って来て貰ったんだよそれ」
「マジで!? つか金どうしたんだよ?」
「先週バイト代入ったからそれで」
「バイト代って、お前バイトしてたのかよ。マジ笑える」
「おう、大〇ルで働いてるからお前もこいよ」
「接客業とかチョー草生えんだけど、何お前接客できんの? ブチ切れまくりのお前が?」
信長はカエサルの目前に紐の付いた一枚のカードを差し出した。
それは名札であり、名前は織田吉法師(吉法師とは信長の幼名である)。そして担当はデリカフロアマネージャー。
「お前バイトの癖にマネージャーになってんのかよ! しかもデリカとか、何? 唐揚げとか天ぷらとか揚げてんの?」
「おう、自慢だが儂唐揚げメッチャ上手く揚げれるぞ。で話を戻すがな、儂昨日その蘭丸に買って来て貰ったゲームやったんじゃよ」
「どうだった?」
「儂メッチャ可愛いんだけど! メッチャ惚れそうになったわ!」
「お前にかよ!」
「しかも儂、サルとか光秀に恋してんの」
「何それクソワロ。光秀とかお前ぶっ殺した怨敵じゃん」
「それな! そうそう、そのゲームお前も攻略ヒロインになってたぞ。今度貸すわ」
「マジで? 俺もなの? てかやだよサルに攻略されるの」
「いや、お前を攻略するのブルータスって奴」
「お前がかブルータス」
「お客様、グラスをおさげしましょうか?」
と、そこでバーテンダーがキュッキュッとグラスを磨きながら信長とカエサルに尋ねる。
「おお悪いな、ついでに儂マティーニおかわり」
「じゃあ俺今度はホワイトレディで」
「かしこまりました」
バーテンダーは恭しくお辞儀をした後、素早くグラスを下げて新しいカクテルを注ぐ。
「お待たせいたしました」
二人の前にマティーニとホワイトレディが置かれる。
ここは偉人BAR、ここにはあらゆる偉人達が訪れる。
次回更新の目処は経っておりません。
息抜きにノリと勢いで書いたので




