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異世界転生(運命から逸脱した者)  作者: わたあめ
~異世界転生編~
5/52

3話:特訓と強化魔法

本日3話目



佐々木龍聖改めリュートは、どんな者でも引き込まれる圧倒的な美貌をもつ。


そんなリュートを狙う奴隷商人ワルド、彼は、リュートを己を信用させ、一週間後のオークションに出そうと画策する。

しかし、それをリュートは盗み聞きしたリュートはこれからの行動について考えていた。


「やっぱ、殺るしかないよな。大きな奴隷商人だからこそ、俺の存在が周りに知られる前に」

現在はリュートの事を知っているのはワルド達だけだ。だが、リュートの事が明るみになれば、その美貌に引かれてつけ狙って来るものが跡をたたなくなるだろう。だから、リュートはその前にワルド達を殺らなければならない。


「でも、今は力がたりない」

リュートのステータスでは、バルトどころがワルドにも勝てるかわからない。このままでは、ダメだとわかっているリュートは強くなるためどうするかを決める。



「うん?特訓をつけてほしい」

明けて、翌朝。リュートはバルトのもとに訪れていた。

「はい!僕母さんと父さんが殺された時何も出来なくて」

「……復讐か、あまり褒められたものではないが、分かった。剣術と魔法を軽く教えてやろう、だが特訓は厳しいぞ」

「はいっ、ありがとうごさいます!」


リュートがバルトの所に来た理由、それは訓練をつけてもらうためだった。


やはり。引き受けてくれるか。

リュートはバルトが訓練をつけることを了承するとわかっていた。

何も出来ない奴隷よりも何かしらできた奴隷のが売れるからだ。


「だが、俺は今から主の所にいかないといけないから特訓はまた後でな」

バルトはリュートが自分を殺そうとしている事には気づかずに、朗らかに笑ってリュートの頭を撫でる。

「はい!」




バルトが訓練をつけてくれるのを待つ間、リュートは現状を把握しようと館の周辺を探索する。


軽く散策して分かったことは、この館はリュートがモンスターと闘った森林でから出た場所ではなくて、その中に建てられたものらしい。その証拠に館の周りには緑が広がっている。


もちろん、モンスターが侵入しないための柵を館の周辺にたてている。だが、それでもモンスターが入ってくる場合があるので、あまり遠くに、特に二つの入り口には危ないから行くなと別れ際にバルトに言われている。


何故こんな場所にと思うが、人をさらい売るという奴隷商人という職業上このモンスターだらけの森は天然のセキュリティになってくれるのだろう。


そのおかげでリュートの存在が、外に漏れず、犯行を行っても知られないというのだから皮肉なものだ。


それからも館の周辺を歩いてると、リュートを助けてくれたもう一人の男、名前をキースが話しかけてきた。


「おーい、リュート」

「どうしたんですか? キースさん」


「おいおい、お前が訓練をしたいと言うから、自分が魔法を教えるようにバルトさんに言われてきたんすよ、あの人よりも、魔法は自分のが得意っすしね」


確かにステータス上ではそうだ。


キース(人間)

職業:護衛

Lv:25 HP420、MP190

力220、耐久280、敏捷180、器用90

スキル:火魔法、体術


神によるとこの世界には精霊という存在がいるらしい。基本的に精霊は自我を持たず、人はその姿を認識することができない。

しかし、ただ一度だけ、人が精霊を視ることが出来る機会がある。

精霊契約――これを結ぶ時に精霊を認識出来るのだ。

何故契約をするのか、それは、生き物が魔法を使うのに精霊が必要だからだ。


精霊には基本属性がある。火、水、土、風、光、闇、無の七属性あり、精霊はどれか一つの属性を持っている。

生き物は無属性の魔力しか使えず、精霊に魔力を与える事によりその精霊が持つ属性の魔法を使えるようになるのだ。


だが例外もある。それがスキルだ。


キースの場合は火魔法なら自力で発動し、また精霊の力を借りる時相乗効果により、火属性魔法の威力を上げる事ができる。


魔法スキルは珍しく、魔法が得意と言われているエルフ族でさえも平均で2つを持つくらいた。


また精霊が力を貸すからといい、全属性使え、また、無制限に契約できるという訳でもない、精霊には階級が存在し、最下級、下級、中級、上級、最上級、王級と存在し、普通の者で最下級の精霊三匹と契約するのがやっとだ。

精霊との契約数は、詳しいことは分かっていないが、精霊との相性はもちろん、その者の器によって変わるといわれている。


「おいおいなんすかその目は、た、確かに説明は苦手っすけど、自分のが得意ってのはほんとっすよ…精霊の事は、バルトさんに教えてもらったんすよね」

リュートは何も言っていないが、胡散臭いと思われたと感じたキースは必死に弁解する。


「はい、仕組みだけは」

「じゃあ、まずは無属性の魔法を教えるっすよ精霊とはいきなり契約できるようなものじゃないんで」


「無属性の魔法は誰でも使えるんですよね?」

無属性の魔法は魔力が、あればできるのでリュートでもできるはずだ。

「ある程度、訓練は必要っすけどね。それじゃあ魔力の放出と調整をやるっすよ」


「それをやるとどうなるんですか?」

「無属性唯一の魔法、強化魔法ができるようになるっすよ。こういうふうに」


リュートに向けるキースの掌が白く光り、掌の周りに集まっていく。

そのままキースは地面の野球ボール位の石を拾う。


「見てるっすよ」

キースは石を持ったまま手を握る。すると、その隙間からは、粉々になった石の欠片がこぼれ落ちる。


「すごいですね。握力だけで」

「今みたいに、上手く調整して出せば魔力は長持ちするっすよ、自分は戦闘中はそんな事できないっすけど」


魔力の放出か……、リュートは心のなかでキースに言われた事を反芻して、自分の中に流れるエネルギーを一ヶ所に集めるイメージをする。上手くできなくてもいい。リュートはちょっとずつ絞り出すように、キースのだした白い魔力をへそを中心に全身に巡らせ、外に滲ませせるようにだそうとする。

すると、暖かい何かが全身を駆け巡り、その勢いのまま外に出ていく感覚をリュートは味わう。


コレが魔力なら……リュートはその暖かい何かを掌に集めるイメージで全神経を集中させる。


「マジっすか……これ成功するんじゃ」

「ふう~、何とかできた」


キースと違い光の塊は乱れているが、確かにリュートは自分の掌が魔力に包まれているのを感じていた。


「ふう~、じゃないっすス!! 何成功させてんすか、自分3ヶ月もかかったんすよ!」

本来は三ヶ月で成し遂げたキースもすごいのだが、それを遥かに圧倒する早さで魔力をものにしたリュートにキースは驚きを禁じえなかった。


「キースさん、少し練習していっていいですか?」

「はぁー、もう好きにするっス。自分は先に行きますから」

キースは肩を落とし、とぼとぼと館に戻っていく。


「バルトとの訓練まで練習するか」

リュートの魔力は既に散っている。先ずは持続時間を延ばさなければならない。リュートは先程と同じように魔力を放出する練習を始めていく。



キースと別れて一時間後、リュートはバルトと共に模擬剣を持ち数メートルの距離をあけ立っている。

約束の鍛練を行うためだ。今からやるのは模擬剣を使っての模擬戦だ。



「いいか! 剣での勝負は一撃で決まる。だから常に視界を広く持ち集中力を切らすな。僅かな油断で命を失うぞ。それはモンスター相手でも同じだ基本的に奴等は人間よりも力が強い! お前がオーガにやられたように一撃で勝負が決まる」


お互いに距離をつめ、剣を打ち合う。


「腕で受けるな!力の差があると直ぐにしびれる」

「はいっ!」


リュートは何とか連撃を防いでいたが、次々に打ち込まれる剣撃に疲労が溜まっていく。


「ほらっ! 隙だらけだ!」


疲労により、僅かに力が緩まった瞬間、バルトに模擬剣を弾かる。

「一回、二回……ほらこれで三回死んだ」

「くっ」

武器を無くし、無防備なリュートにバルトは容赦なく攻めかかっていく。体が傷つきながらも、何とか剣を拾い直したリュートを見てバルトが感嘆する。


「ほ~、ずいぶん頑丈だな。そういえばオーガに殴られても生きてたしな、それにもう強化魔法を使えるのか、やるじゃないか」

落ちこぼれのオーガとはいえ、その拳から放たれる威力はただの子供なら死んでもおかしくない。リュートの頑丈ぶりと、防御の度にリュートが使用した、大人でも使えない人が多い強化魔法を習得している事にバルトは本気でリュートを賞賛する。



「なら、もっとやれるよな。さぁ、全力で来いよ」

「……」


リュートはむごんで強化魔法を限界までかける。

――そして一息

「ウォォ――」

リュートは全身全霊で攻めかかっていく。




「最後のはなかなかよかったぞ、リュート」


「ハァハァっ…」


結局一撃も当てられないままリュートはぼこぼこにされた。


「悪いな、またワルド様に呼ばれてるんだ。先に戻るぞ」


そういい去って行くバルト、疲労困憊のリュートもすぐに部屋に戻る事にした。




「彼はどうだったバルト」


ワルドの執務室、そこではバルトを呼んだワルドがリュートについて質問していた。 問いかけられたバルトは真剣な表情で答える。


「才能の塊ですね」


バルトは言う。戦う度に動きがよくなり一発で魔力の放出をさせ、それを纏わせ強化すら成功させた少年。 最後の攻撃は自分でさえ、ヒヤッとさせるものだったと。


「フハハハ、それほどか、本当に彼は素晴らしい。いくらで売れるか俺ですら予想出来ないぞ」


自分は主が笑っている前でバルトは思う。


このまま彼を強くしたら自分達の方がやられるのではないか、いや、いくら才能があろうが一週間で埋まるような事はないと、杞憂だと考える。


だけどこの時バルトは自分の勘を信じなかった。


それはしてはいけないと言っていた油断だとバルトは気づかかない。





「ふぅ、こんなもんか」


部屋に戻ったリュートは一人ベッドの上で魔力の放出を練習していた。その練度は数時間前とは比べられないほどに上がっている。


それから、練習を終えたリュートはベッドに潜り目をつぶる。

「一日が終わる」


タイムリミットは残り六日……











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