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異世界転生(運命から逸脱した者)  作者: わたあめ
~異世界転生編~
4/52

2話:名前と悪意

う~ん、これで一万文字達成、次は十万!

主人公のチートの片鱗が見れます。


続々修正していきます!

目が覚めると、目の前に知らない天井があった。


「どこだここ?」


寝ぼけた頭は時間がたつにつれて冴えていき、自分が置かれた状況を理解する。


「あぁそうか、また気絶してしまったのか」


龍聖は起き上がり周りを見渡す。すると八畳位の部屋で寝ていたのが分かる。

調度品は等は龍聖が今寝ているベッド位しかなく、また窓もカーテンすらなく、どこかもの寂しい部屋だった。


「起きたこと知らせた方がいいか?」


相手の素性は分からないがこのままじっとしているわけにもい かない。そう思い立った龍聖は寝具から立ち上がる。


その時、扉が開く音がし、バルトと呼ばれていた男が部屋に入ってくる。


「おぉ、何だ起きたのかちょうどいい水を持ってきたんだ飲む か?」


何時間も歩きまわったのに水分をとっていなかった龍聖の喉はカラカラになっている。


相手の言葉に甘えた龍聖が頷いたのを見てバルトは笑顔をみせる。


喉がカラカラな龍聖は受け取った水を勢いよく飲んでいく。


「いい飲みっぷりだな。……それで、その、お前さんは男か女かどっちだ」

バルトは頬をかき、どこか気まずそうに龍聖に質問する。


「? ……男」

そういえば、気絶する前にも同じような事を言っていたなと思いながらも龍聖は正直に自分の性別を伝える。



「おぉ!、男か。そうか、ずいぶんキレイな顔してるから分かんなかったぜ」


自分の顔を見れない龍聖はここで自身は女の子にも見える綺麗な容姿をしていることを知る。


今の所、バルトから敵意を感じない龍聖はそのまま話をすることにする。


「ここは?」

先ず龍聖が聞き出したのはこの見覚えのない部屋についてだった。

「あぁ、悪いな俺はここの館の主の護衛として雇われていてな 、昨夜は主が私用でいないもんだから、勝手に他の部屋に連れ ていく事が出来なくて、悪いけど俺の部屋に来てもらったんだ 」


どうやらこのもの寂しい部屋はバルトの部屋だったようだ。


ここで、龍聖は異世界の住人のバルトと意思疏通ができていることに気づく。一つの問題であった言語については問題ないということだ。


「それで、主様に話したら一度会って話したいらしい。そこで寝起きで悪いがお風呂に入ってくれないか」


館を持つほどのお金を持つ人と会うのだから、身を清潔にし、相応しい格好をしろということだ。


寝汗で体がベトベトしていた龍聖は直ぐに了承する。




異世界のお風呂でも湯船に浸かる習慣はある。

それを知った龍聖が浴室に入ると目の前には広大な室内にこれまた大型サイズの浴槽があった。


浴槽の床は天井から発せられる光を反射して輝いている。その材料は龍聖が見たこともない中が透けそうな程澄みわたった不思議な黒い石だった。また、お香のようなものを焚いているのか芳醇な香りが室内全域に漂い、花の芳しい香りが龍聖の鼻腔をつく。


龍聖がお風呂に来たのは、汗を流すという目的以外にも、もう一つあった。

それは、自分の顔がスキルを発動したとき、変化などが起きないか確認することだ。

むしろ、この確認こそがお風呂に来た一番の目的だというのが本当のところだ。何しろ、今の龍聖はスキルこそが命綱だ。神眼を使うときに目の色が変化するなどあったら簡単には人前で使えなくなる。


龍聖が洗い場の鏡で顔を確認すると、そこにはあの神に負けず劣らずの美少年がいた。


肌は白く透き通り、目はパッチリと大きく開いている。まつげも長くそっており、その金色の瞳は見る者を引き付ける力強さを感じさせる。桜のようなピンクの唇は小さくぷっくりと艶を感じさせ確かに一見、男か女か分からない可憐な容姿をしている。


神的にはサービスのつもりなのかも知れないが、龍聖には正直要らぬおせっかいだった。

こんな子供がいたら、よからぬ事を考える者が続出するだろう。

龍聖は対策を考えなければならない。

次はスキル『神眼』を試す番だ。


龍聖はスキル『神眼』を発動させる。

幸い、スキルを使用しても、外から見てとくに変化は無さそうだった。

これは行幸だ。龍聖はとりあえずの確認を終える。


龍聖は念のためスキルを使えるのを黙っていく事に決める。

浴槽で、やるべき事を終えた龍聖は最後に自らのステータスを確認する。


名前なし

Lv:1 HP120、MP275

力30、 耐久80、 敏捷45、 器用83

スキル:神眼、適応進化、学習、孤独、主従契約/new、剛腕、頑強


龍聖はスキル剛腕と頑強が増えている事に気づく。


どうやら気絶する瞬間の『学習』 を発動しましたとの声は、この事を知らせるためのものだったらしい。

スキル『学習』は自分が見たスキルなどを言葉通り学んで、使えるようにする効果を持つスキルなのだろう。


また一角兎がもっていた、一本突きというスキルは龍聖には角がないからか、取得できなかった。


スキルは学習は強力だ。ますます、教える訳にはいかなくなったと龍聖は完全に黙っておくことに決める。


「とりあえずこんなもんか、そろそろ湯船に浸かろう」


龍聖は湯船に浸かりながらこれからの事を考える。


ここの主がどんな話しをしてくるか分からない。


世間話程度ならいいが、そういう訳にも行かない事は龍聖も分かっている。


こういう事も想定し、出生などを聞かれたら孤児と答えることにしている。この世界では出自が謎な者なんて当たり前のようにいるため、大丈夫だと神が教えてきたのだ。神の言うこと全部を鵜呑みにするわけにはいかないが、今回はこれで平気だろう。


問題は人にはあるべき名前が龍聖にはないことだった。

龍聖はこの世界に合わないし……、龍聖は新たな名を考えていく。


「……リュート、リュートでいくか」


数分を費やして、新しい名前を決めた龍聖ことリュートは湯船を出た後、そのまま急いで体を洗いそのままお風呂場を出た。



お風呂から出たリュートはバルトに連れられて食卓に案内されていた。


「もうまもなく主がくる、少し見た目が怖いがとてもいい人だ……あぁ先に食いはじめていいぞ」


リュートは食事をとっている間バルトのステータスを視る事にした。


バルト(人間)

職業:護衛

Lv:30 HP800 MP100

力320、 耐久380、敏捷220、器用150

スキル:剣術、斬撃波、剛腕


強い、このステータスならあのオーガを一人で倒す事もできただろう。


バルトの職業は元騎士らしいが今は護衛だとい情報を案内最中の雑談でリュートは得ていた。


「来たぞ、リュートあれがこの館の主だ」


先に食事を始めていたリュートがちょうど食べ終わったと同時にこの館の主が現れた。


「ほうほう、君がリュート君か、バルトから話しは聞いたよ。大 変な目にあったらしいね」


声がした後ろを向くと、そこにはひきがえるがいた。


リュートが思わず固まっていると、そんなリュートを見たバルトが話しかける。


「あれが主のワルド様だ……見た目は気にするな」


そのワルド様とやらは、全身贅肉がついているのではないかというほど、肉がついている。瞳はギョロりとしてカエルのような大きい黒目をしている。黒色の髪は薄く生えており、頭頂部は完全に禿げている、油まみれのオジサンだった。


そんなワルドはリュートを見ると呆然とし、「素晴らしい」と一言呟いた。


その瞬間、嫌な予感がしたリュートは反射的にワルドをスキルで“視る”。


その間もワルドは満面の笑みを浮かべたまま話しかけてくる。


「いや、すまない、一瞬レディだと思い驚いてしまったよ」


「いえ、どうやら僕は女の子とよく間違われるらしくて」

不信感を与えぬよう、リュートは大人しく礼儀正しい子供を演じる。


「それで、君はあの森で両親をモンスターに殺害されてしまった らしいね」


これはバルトに話していた設定だった。リュートがいたあの森はとても広く、そこで亡くなっても死体が見つからなくてもおかしくない。それは、モンスターが死体を食べるため、時間がたった死体は稀にしか見つからないらしい。


襲われたリュートは両親がモンスターに殺害されている間に逃亡し、逃げてる途中にバルト達に助けられ今に至ると一応筋は通った説明をしている。


「それでもし良ければしばらくここに住まないかい? 私は商人をやっていてね。この通り割と上手くいっているんだ。お金の心配はいらない、もちろん君にはこの家の手伝いをしてもらうけどね」


なるほど、それはいい話だ。家の手伝いはするが、食事と宿は保証されているわけだ。リュートはここで、お世話になる事にする。


「本当ですか!お願いします」

少し、両親が死んだ割には元気すぎるか? よし、なら、リュートは息を吸い、俯いて目をつぶり涙を流す振りをする。


「……本当にっ、ありがどぅ”、ございまずっ」

大袈裟な演技だと思うが、親を亡くした子供ならこんなものだろうとリュートはそのまま演じる事をつづける。

「気にするな、大丈夫だ、君は一人じゃない私達がいる」


「はいっ……」


こんな優しくするなんて、ワルドはなんていい人なんだろう。


「さぁ今日は疲れただろう、迎えの者を呼ぶから君の部屋に案内 させる。そのあとはゆっくり寝なさい」





ワルドが呼んだ者に案内されて、部屋に着いたリュートはすぐさまベッドに潜る。


この部屋はバルトの部屋よりも大きく、家具の一つ一つが高価な のが分かる。


本当にいい人だ、そう本当に――




その頃ワルドの執務室では、

「ワハハハ、見たかバルト! あのガキ、泣きながら俺に感謝していたぞ、騙されてるとも知らずに」


「はいっ、さすがでございますワルド様。あの少年の心を見事に つかんでおいででした」


「フハハハ、そうだろうそうだろう。だがバルト、今回は貴様の 手柄だ。褒美をやろう」


「はっ、ありがとうございます。だけど幸運でした。たまたま 助けた少年があれほど美しいなんて」


「あぁ、あの美しさには俺も驚いたよ、

間違いなく来週のオークションで過去最高の高値がつくだろうな、どんな用途でもそそる顔をしておるからなグハっ、惜しい 後五年もすれば俺が飼ってたのに」


二人は笑い合い、密談していく……扉の向こうに人がいることに気づかずに。



ワルド(人間)

職業:奴隷商人

Lv:10 HP100、 MP50

力30、耐久50、敏捷10、器用58

スキル:契約


ワルドとバルトの話を聞き終えたリュートは部屋に戻る。


一週間。

あの二人の会話からリュートに残された時間ははたった7日しかない。

生き抜くためにはどうするか、リュートはその答えをすでに決めていた。


……あいつらを利用して強くなってやる。生きるために、そしてあいつらを殺すために。


殺人を決めたリュートの目に迷いは微塵もなかった。


こうしてリュートにとっての異世界生活一日目が終わる。



タイムリミットは後一週間……














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