プロローグ
書いてみました。
処女作です。
7/5に軽くなおしました。
笑い声が聞こえる。
校庭で行われている体育の歓声か、はたまた上の階の教室から誰かがバカな事でもして盛り上がっているのか、周りが騒がしい。
そうして俺がよそ見しているのが気にくわないのか、目の前の男達五人が怒声を上げる。
「ささき~てめえ何よそ見してんだごらぁ"~」
そう言い、一人の男が殴りかかってきた。こんなことは日常茶飯事なので、俺は特に抵抗はしない。
そうこんなことは俺にとっては当たり前だった。
佐々木龍聖本日十七歳、十年前からこれが俺の日常だ。
体が成長するにつれ同じように、行為はエスカレートし、死なないギリギリ迄暴力を振るわれてきた。
これがただのいじめなら、気持ちよくないが、まだ特別に珍しいとは言えないだろう。
だが、これが町の住民のほとんどが知り、しかも嬉々と暴力を振るってくる者もいるとなると、それは異質で異常だ。
だが皮肉な事にこの町の治安は他の町よりも圧倒的にいい、1つの理由は俺の存在だ。
何かあるたびにぶつけることができるのだから。
そしてこの町のセキュリティがものすごく優秀だからだろう。
天龍院家、昔から日本を牛耳る一族だ。
そしてその天龍院家の本家がこの町にあるのだから、犯罪なんて起こせるものじゃない。
――そして俺がこんな目にあっているのも全てこの天龍院家との因縁があるからだ。
今日も授業中にこいつらはきたが先生も周りも止めるどころか、授業の邪魔だから早く行けという始末。
そのまま校舎裏に連れてかれ殴られる毎日だ。
何百回殴られたかわからない、顔は腫れ
歯が数本も抜け、視界も明滅し至るところから血を垂れ流しても、俺が倒れることはない。
昔からの暴力の影響なのか元からの性質なのか、俺に体は人一倍頑丈だ。
でなければとっくのとうに死んでいた。
そろそろ疲れて来たのか、それぞれが木刀や鉄パイプ、金属バットなどの凶器を持ち出した。
そろそろだと思っていたので、特に驚きはしないがそこで違和感を覚える。
何だと考えていると、木刀を持った男が振りかぶってきた。
ボロボロの俺が避けれる訳もなく、空を裂く音と共に頭部に衝撃
「……~っ!!」
視界がぐらつき血に染まる。
ここで先程の違和感に気づく。
普段なら手足を狙うのに頭部を狙った、確実に俺を殺しに来てるのだ。
ふらついた視界で前を見ると木刀の先端が迫っていた。
それが右肩にあたり骨が砕ける音が響く。
腕が垂れ下がりそのまま左肩の骨も砕かれた。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ。
体が本能がうるさいくらいに警報を鳴らしている。
三発目に足を折られついに倒れてしまった。
体が動かず、激しい耳鳴りと頭痛で世界が闇に染まっていくのが分かる。
おそらくダメージが内臓まで達している。
もう俺は助からないだろうと、どこまでも冷静な頭は、1、2と死ぬまでをカウントしている。
その時頭上から気配がする。どうやら止めをさしにきたようだ。
「悪いな~ささき~俺もこれはやりすぎだと思うんだぜ、でもよ~仕方無いよなそういう命令だしよ~」
どうやらまだわずかに耳の機能は生きているらしい。
少なくとも、男がにやつきながら言っていると分かるくらいには、それにしても謎だ。
俺を殺すように命令したのは天龍院家だろう。
でもわからない。何故今なのか、殺すならもっと早く出来たにもかかわらずにだ。
「あばよ~ささき~たのしかったぜ」
どうやら考えてる時間は無さそうだ。
「……そうだな、五歳の時、初めて英語の小説を読んだ時並にはたのしかったぜ」
英語の小説を読んだ時つまらなくて、でも、父さんみたいに一人で読みたくて、初めて英語を教えろと泣きながらワガママを言ったのは覚えてる。
あの時はとても楽しかった。だからどうか……
降り下ろされた金属バットが、顔面を襲い、一瞬で意識を刈り取られる。
だからどうかお願いします。
もし次があるのなら、世界を全力で楽しみ、全力で笑いたいです。
そして、俺は死んだ。
血まみれの顔で表情が見えないまま。
誤字脱字や、文章はこうした方がいいよなどの感想があったら
どしどしください。作者は豆腐メンタルなので、
どうかご容赦を‥‥切実