モブになりたい俺と主人公にしたい世界
「お兄ちゃん、大好きだよ......」
「純平くん、愛してる......」
今は亡き二人の言葉が聞こえた気がした。
「純平くん、お待たせ....約束通り迎えに来たよ」
紅葉に手を差し出され、俺はその手を握る。
「それじゃあ行こうか」
紅葉に連れられて、上に登っていく。
登っていく途中下を見ると、泣いている家族の姿が見えた。
紅葉に連れられてたどり着いたのは、綺麗で何で出来る広い草原だった。
「純平くん、約束を守ってくれたんだね」
紅葉は俺の手を握ったまま呟いた。
「紅葉との約束は絶対に守る。約束したから、あの時に言われたから、ずっと頑張ってきたんだ」
「ありがとう純平くん。大好きだよ」
紅葉は優しくキスをしてくれた。
「そう言えば、桃華と葵は?2人とも来てるだろ?」
「純平くん、彼女の横で他の女の子の話はダメだよ」
「ごめん、でも気になってさ」
「2人ならここに来て、もう少し先の所でのんびりと暮らしてるよ」
良かった、2人ともちゃんとここに来れているんだな。
安心していると、紅葉は突然泣き出した。
「純平くんに会いたかった....ずっと見守ってて辛かったよ....」
紅葉はずっと1人で待ったいたんだ。
俺たちが幸せな生活をしている間も、ずっとここで1人で。
俺は紅葉を抱きしめた。
「待たせてごめん。でも、これからはずっと一緒だから。もう絶対に離さないから」
紅葉は俺の腕の中で泣いている。
「ずっと一緒にいてね。私も絶対に離さないから」
遅すぎることなんて無いだろう。
2人でここで、これから幸せな生活が待っているんだから。
これからは、2人で過ごそう。
生きている間に出来なかったこと全部やろう。
時間はたっぷりある。愛する人も隣に居るのだから。
2人で第二の人生幸せになろう。
世の中には死んでしまっては、意味が無いと言う人もいる。
確かに死んでしまってはいけない。
しかし、俺は死んでも自分を愛してくれる人が居た。
愛し合った2人は長い時間を経え、やっと幸せを手にした。
「俺はモブなんだよ」
ある所に自分をモブだと思っている人間が居た。
しかし、彼は主人公である。その事にまだ気が付いていないだけだ。
「お前は主人公なんだよ。お前だけが楽しむ事を許されたお前の人生、精一杯楽しみな......」
俺は下に広がる世界の1人の男を見て、静かにそう呟いた。
さて、お待たせ致しました。
そして、今回でモブ俺は最終回となります。
初投稿から今まで、皆様ありがとうございました。
完結できた事が1番嬉しいまっさんです。
途中で挫折したり挫折したり、挫折しました。
わりと辛い時もありましたが、ここまで続けて良かったと思います。
そして、今回の内容ですがとても短いです。
1000文字ぐらいしかありません。
それでも、最後には私の思いも込めて書いてますので、皆様に楽しんでいただけると私も嬉しいです。
それでは、ここまでお読み頂いてありがとうございます。
しばらくは、同時進行してました「そして僕は旅をすることになる」の方をメインで書きたいと思います。
そのあとぐらいから、新シリーズを始める予定です。
これからもよろしくお願い致します。
それでは、モブ俺最終回、楽しんでください。