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一緒に幸せに

一方その頃。

「私はこれで良かったのかな......」

ひとりで悩む紅葉の姿があった。

「これで良かったんだよね......なのに、なんで涙が出てくるんだろう」

本当は再開できて嬉しかった。

一緒に幸せになりたいって言われた時、泣きそうなぐらい嬉しかった。

それでも、私は純平くんを現実に押し戻した。

「私だって......私だって好きだよ!!」

「一緒に過ごしていたかったよ!!」

声が大きくなっていた。

その声は誰にも聞こえない。

「死にたくなかったよ。もっと一緒に思い出作りたかったよ」

紅葉のその夢は叶うことは無い。

少なくとも、皆が生きている間には。

「私は純平くんが幸せになれるように、見守ってあげないといけないんだから」

そう自分に言い聞かせて、純平くんを見守る。

「純平くんは私との約束を覚えていてくれるかな」

何十年と生きている間に、私との約束なんて忘れてしまうのではないか。

不安と恐怖に襲われる。

「大好きだよ。純平くん」



さらにその頃。

紅葉との約束を守るために、必死に幸せになろうとしていた。

「今日は楽しかったな。紅葉も見ててくれてるかな?」

今は亡き紅葉に想いを寄せる。

「紅葉も一緒ならもっと楽しいのにな」

そう思い、悲しくて、辛くて涙が出る。

「なんで......なんで俺じゃなかったんだよ......」

悔やんでも悔やみきれない。

乗り越えたと思った辛さも、独りになると乗り越えられていないと実感させられる。

それでも、俺はもう死にたいと言わない。

紅葉と約束したから。

絶対に幸せになるって約束したから。

だから、俺は辛くても生きる。

それが残された人の出来る最大の恩返しだから。

「お兄ちゃん、お風呂できたよ」

「なんだ桃華、建築家にでもなったのか?」

部屋の前で桃華が話してくる。

「そんなわけないでしょ。入らないなら、私が先に行くけど?」

「今は入りたくないから、先行っていいよ」

「わかった。お兄ちゃん」

「どうした?」

「私が入った後のお湯飲まないでね」

「そんなことしねーよ!!」

桃華なりの気遣いなのだろう。

少し楽になったよ。

こんな何も無いが、幸せな日々が続いた。



それから、どれぐらいの月日が流れたのか、俺も年老いていた。

「桃華、葵、俺は幸せだったよ」

病室のベッドの上。

先に逝ってしまった2人を思い出す。

「今日は孫がお見舞いに来てくれるそうなんだ」

病室に飾られた2人の写真に話しかける。

2人の隣には、紅葉の写真も飾ってある。

俺は幸せになれただろうか。

遠い昔に紅葉とした約束を守れただろうか。

「お迎えは紅葉に任せてるからな、安心して死ねるよ」

病室の扉が開く。

「おじいちゃん、げんきー?」

孫が入ってきた。

俺はそっと、引き出しの中に写真をしまった。

「元気だぞ、他の皆はどうしたんだ?」

「遅かったから、先に来ちゃった」

元気に答えてくれる。

これが、俺たちの幸せの証になるかな?

遅れて皆が入ってくる。

その1週間後、俺の容態は急変した。



「ここが、純平くんの病室なのね」

純平くんの病室を見つけた。

「私のこと覚えていてくれてるかな」

私は、純平くんの姿を確認する。

ヨボヨボのおじいちゃんになっていたけど、純平くんだ。

「純平くん、私との約束を守ってくれたんだね 」

家族に見守られている。

「私も約束したから、ちゃんと迎えに来たよ」

純平くんと目が合う。

純平くんは私に気がついて、微笑んでくれた。

「純平くん、約束守ってくれてありがとう。私も約束通り、迎えに来たよ」

「紅葉、迎えに来てくれたか......」

私は純平くんに手を差し出す。

「私と一緒に幸せになろう」

お待たせ致しました。まっさんです。

今日、自転車で駅まで行っていると、パンクする事件が起きました。

でも、家に帰ってる時間ないしなと思い、パンクしたままで駐輪場へ。

朝からブルーな気分ですよ。


内容ですが、とりあえず次回からが本番の始まりと言ったところでしょうか。

次回からは天国でお楽しみ?みたいな感じですね。

あくまでも予定ですが。


それでは、今回もお楽しみください

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