遊園地
二人に体調不良と伝えてくれと言って、俺はとある方向へ走り出す。
何でこんな簡単な事に気が付かないのか。
普通に考えれば分かることだ。
「俺のクソッタレー!」
何も出来ていなかった自分に嫌気がさし叫ぶ。
「桃華ちゃん、ため息ばっかりなの〜」
「何か嫌な事でもありましたか?」
二人が心配して、声をかけてくれる。
二人になら話してもいいかなと思った。
「私ね、お兄ちゃんが私と恋人で良いのか不安で...」
「なぜ、そんな心配をするのですか?」
サリナちゃんは、理解出来ないといった顔で私を見つめる。
「なぜって、私といてもお兄ちゃん結婚出来ないんだよ?それなのに、幸せなのかなって」
「桃華ちゃん、私は恋をした事がありません。そんな人間が気安くこんな事を言っていいのか分かりませんが、言わせてもらいますね。【結婚】が最高の幸せになるのですか?」
私はサリナちゃんの言ってる意味が分からなかった。
「そりゃ、結婚が最高の幸せになるんじゃないの?」
「結婚することは幸せかも知れません。でも、私は今の二人を見ていると、一緒に居るだけで幸せに見えます。桃華ちゃんは今は幸せですか?」
「当然幸せだよ」
「なら、それで良いんじゃないですか?」
「そうなんだけど...」
「さて、恋を知らない人間が偉そうに言うのはここまでです。後は本人にお任せします」
そう言うと、サリナは後ろを振り向いた。
そこには、必死に走ってきているお兄ちゃんの姿があった。
お兄ちゃんはこっちに来るなり、サリナちゃんとユキちゃんの二人に一言言った。
「ごめんね二人とも、桃華は今日は体調不良で休むから」
サリナちゃんは、やっぱりなと言わんばかりの顔で
「分かりました。今日はお二人で楽しんでくださいね」
サリナちゃんがそう言うと、お兄ちゃんは当然と親指を立てた。
「桃華ちゃん幸せそうなの〜」
二人がどこかに行ってしまってから、ユキは思わず言ってしまった。
「サリナは、あのお兄さんなら桃華ちゃんも幸せになれそうに思いますよ」
「お兄さんデレデレなの〜」
「まあ、そんなものですよ。では、私たちは学校で桃華ちゃんの休みを先生に伝えるとしますか」
お兄ちゃんに手を引かれてどこかに連れて行かれる。
「ちょっとお兄ちゃん、どこに行くの?」
お兄ちゃんは笑顔でこう言った。
「二人で楽しめるところだよ」
そうして、電車に乗って港の近くまで来た。
「ここにあるのって」
行き着いた所は、外国の映画がモチーフとなったテーマパークだった。
平日だから、来場者も多くない。
「今日は桃華と遊びたいと思って。嫌だった?」
「そんな事ないよ!お兄ちゃんとここに来られて、すっごく嬉しいよ」
「じゃあ、今日は二人で楽しもうか」
そして、すっごく楽しんだ。
未来に行くタイムマシンのアトラクションで遊んだり、魔法使いの街に行ったり、恐竜が蘇ったアトラクションでは、秋で寒くなってきたのに二人でずぶ濡れになった。
楽しい時間は、あっという間に過ぎていった。
「そうだ桃華、あれを見に行こう」
お兄ちゃんに連れられて、大きな広場に行く。
そこは入場した時に見たクリスマスツリーがあった場所。
園内のほとんどの人がここに集まっている。
「5、4、3」
みんながカウントダウンを始める。
そして0になった瞬間、ツリーが綺麗に光った。
「すごく、綺麗」
チュッ
唇に温かい感覚がする。それだけじゃない、優しい感覚もする。
「桃華、俺は桃華のことが好きだ。血が繋がっているとか関係ない。確かに結婚することは出来ないけど、ずっと俺の傍にいてくれないか?」
お兄ちゃんからの、想いに涙が出てきた。
「どうした、もしかしていきなりキスしたから」
「違うの。とっても、嬉しくて。私の方こそふつつか者ですがよろしくお願いします」
私はお兄ちゃん手を強く握った。これが夢じゃないと確かめるように。
そして、閉園の時間も近くなり、帰ろうといった時間。
私はどうしてもして欲しいことがあった。
勇気を出して伝える。
「ねえ、お兄ちゃん」
「どうした?」
「もう一度、キスしてくれない?」
「もちろんだよ」
お兄ちゃんとのキスはとても熱かったけど、さっきよりも優しかった。
皆様、大変お待たせしました。
まっさんです。
今回は、桃華視線で書いたため、少し変なところがあるかもしれません。
それにしても、寒くなってきましたね。
私は寒すぎて発狂しそうですよ。
発狂はしてませんがね。
そして、お布団が恋しい季節。
もう、家から出たくない。そんな毎日です。
それでは、今回の内容を
今回は学校をサボってテーマパークに遊びに行く。
しかも彼女と。
くっそ〜、なんてリア充なんだ爆発しろ。
テーマパークの場所ですか?
大阪の南港の方にある、あの有名なテーマパークです。
私も、こんな状況になればいいな〜(まあ無理なんですけどね)
それでは、今回も楽しんでいってください。