最高のプレゼント
さあ、これで完璧。
桃華の誕生日、ケーキを用意して作った指輪も用意して、後は桃華の帰りを待つだけ。
ちなみに桃華は、少し買い物に行ってもらっている。
「完璧だね純平くん」
「もう、準備も出来たし、早く帰ってこねーかな」
桃華が出掛けた時に、桃華の友人と葵を招待してサプライズの準備も完璧だ。
「桃華ちゃんの誕生日をお祝い出来て嬉しいの〜」
「私も桃華ちゃんにプレゼントを用意しましたよ」
二人ともサプライズにノリノリだ。
「多分そろそろ帰ってくるから、三人は隠れて」
俺が言うと三人はそれぞれ隠れてくれた。
ガチャ!
「お兄ちゃん、帰ってきたよ〜」
三人が隠れるのとほぼ同時に桃華が帰ってきた。
「おう、おかえり〜」
ドキドキする心を抑えて、出来る限りいつもと同じ返事をした。
桃華の足音がリビングに近付いてくる。
ここまで緊張するのは、入試以来かも知れない。
ガチャ!
桃華がリビングに入ると同時に三つのクラッカーが響き渡る。
「誕生日おめでとう桃華」
「誕生日おめでとう桃華ちゃん」
「お誕生日おめでとうございます」
「誕生日おめでとうなの〜」
いきなりの事に、桃華は固まっていた。
「お〜い桃華大丈夫か〜?」
固まったままの桃華に声をかける。
「ふえぇ」
やっと動いたと思ったら、涙を流した。
「あの、桃華?もしかして気に入らなかった?」
やってしまったのかと思い、桃華に声をかける。
「逆だよお兄ちゃん、嬉しすぎて」
涙声になりながらそう言ってくれた。
「とりあえず座ってくれよ、今日の主役は桃華なんだからさ」
桃華がリビングのソファーに座る。
「では、私から桃華ちゃんへのプレゼントを渡しましょうか」
サリナちゃんが箱を手渡す。
「今開けていいの?」
箱を受け取った桃華が、嬉しそうに聞く。
「もちろんですよ。是非中身を確認してくださいな 」
箱を開けると、青い色をしたぬいぐるみが入っていた。
「これ、私が好きなブルーバードだ。ありがとうサリナちゃん、部屋に飾らしてもらうね」
「次は私のプレゼントも受け取って欲しいの〜」
ユキちゃんが早く早くと言わんばかりに箱を手渡す。
「開けていい?」
「もちろんなの〜」
受け取った桃華は再び箱を開ける。
箱の中から、可愛らしいポーチが出てきた。
ピンク色のハート型のポーチだ。
「とっても可愛い、ユキちゃんありがとう」
女の子が好きそうなポーチ。桃華に似合いそうだ。
「じゃあ、次は私だね」
葵が桃華に少し大きめの箱を渡す。
「早く開けてみて」
葵に急かされ、桃華が箱を開ける。
「素敵。葵さんこれ本当に貰っていいんですか?」
箱の中には、ハイヒールが入っていた。
「もちろん。桃華ちゃんへの誕生日プレゼントだよ」
「ありがとうございます」
「場は温めておいたから、純平くん頑張れ 」
葵が耳打ちしてくる。緊張するから、それは言わないでくれよ。
桃華は貰ったプレゼントに目を輝かせている。
ライブならボルテージマックスって感じか。
更にサリナちゃん、ユキちゃんまでも期待の目でこちらを見てくる。
分かってるよ。やります、やりますからそんな目で見ないで緊張する。
「最後は俺からのプレゼントだ」
桃華の前まで歩き、膝をつく。
「誕生日おめでとう桃華」
ポケットに忍ばせておいた指輪の箱を取り出し、桃華の前で開ける。
「これ、私に?」
「当たり前だろ」
すると、再び桃華は泣いてしまった。
「桃華ちゃん、早くはめてみてよ」
葵に促され、涙を拭いながら指にはめる。
「すごい、ピッタリだよお兄ちゃん」
左手の薬指にはめた指輪のサイズはピッタリだった。
その事に少し安心した。
「これ、エメラルド?」
「そうだよ。綺麗だろ」
「お兄ちゃん、ありがとう」
桃華の笑顔が光り輝く。
俺はこの笑顔が見たかったんだな。
この笑顔のために、頑張って良かった。
「ちなみに桃華ちゃん、エメラルドの宝石言葉って知ってる?」
「いや、知らないですね」
この流れはあまりいい予感がしない。
そんな事はお構い無しに話が進む。
「エメラルドは愛の象徴なんだよ。純平くんってば選ぶ時にそれはそれは慎重に選んでて」
ちょっと葵さん、それ以上は勘弁してくださいよ。
「お兄ちゃん、そんなに真剣に選んでくれたんだ。ありがとうねお兄ちゃん♡」
「そ、そんなの当然だりょ」
あっ、噛んだ。
死ぬほど恥ずかしい。
穴があったら、さらに掘っていきたいぐらいには恥ずかしい。
「お兄ちゃん、ありがとう♡」
皆が帰った夜、久しぶりに俺が手料理を作っている。
何故かって?
桃華の誕生日だからだよ。
少し奮発して買ったステーキと、手作りのポテトサラダ、完璧な晩ご飯だ。
「お兄ちゃん、本当にありがとう」
桃華は今日何度目か分からない感謝を伝える。
「桃華の笑顔が見れるなら、安いもんだ」
よっぽど気に入ったのか、あれからずっと左手の薬指に指輪が見える。
「でもお兄ちゃん、エメラルドって愛の象徴なんでしょ?私にで良かったの?」
「バカだな、桃華じゃないと嫌なんだよ。桃華は俺にとって愛の象徴だ」
「お兄ちゃん、ありがとう。私もお兄ちゃん大好き♡」
桃華が俺の胸に体当りしてきた。
「おい桃華、さすがに抱きつかれると恥ずかしいぞ」
「今日の主役は私なんだから、少しは我慢して」
この暖かさは俺にとっても最高のプレゼントだった。
皆様お待たせ致しました。モブ俺の更新です。
最近は、朝夕と寒く昼間は暑い何とも過ごしにくい日々が続いてますがお元気ですか?
私は体がだるく、喉の調子もあまり良くないですね。
まったく、なんて過ごしにくいんだ!
と少し気分までやられてきています。
そんなことより、今回までの誕生日回楽しんでいただけましたか?
私個人としては、このように自宅で友人を招いて誕生日会とかはした事ないので、私の理想も少し混ざってますね。
こんな感じだったら嬉しいな〜とか、こんなのだったら喜ぶかな〜など妄想全開です。
そんな訳で、桃華ちゃんの誕生日は10月11日と決めました。
桃華ちゃん、誕生日おめでとう(∩´∀`)∩ワーイ
そして、いつも読んで下さっている皆様、この回だけでも読んで下さった皆様ありがとうございます。
ちなみに桃華ルートのクライマックスもうすぐかと考えてます。
それでは、今回も楽しんでいってください。




