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招待

「おじゃましますなの〜」

「おじゃまいたしますわ」

 桃華が学校の友達を二人、家に招いてきた。

「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」

「はい。ありがとうございます」

「ありがとうございますなの〜」

 二人とも礼儀正しくしっかりと挨拶してくれる。

 最近は挨拶をしてくれる人が減ったって、近所の おばあちゃんが言ってたし、ちゃんと挨拶できるのは偉いな。

「お兄ちゃんに紹介しておくね。めちゃくちゃ礼儀正しいのがサリナちゃんだよ」

 礼儀正しく細身で高身長のサリナちゃんは、再度挨拶してくれる。

「それで、ちょっと身長が低くて語尾になの〜って付くのがユキちゃん」

 ユキちゃんはサリナちゃんと違って身長は低いが、幼い顔にぴったりだと思う。

「今日は忙しい中、ご自宅に招いていただきありがとうございます」

「桃華ちゃんはあまり家に呼んでくれなかったから、今日はとっても嬉しいの〜」

「たいしたおもてなしは出来ないけど、くつろいでいってね」

 これで、葵からのミッション第一関門クリアだな。

 心の中でガッツポーズを取った。

「桃華、部屋に行っていいよ。後で飲み物を持って行くから」

「さすがお兄ちゃん優しいね、大好き!」

 桃華が抱きついてくる。さすがにこれは恥ずかしいんだけど。

「噂に聞いていた通り、とても仲が良いですね。兄妹よりも、恋人と言った感じでしょうか」

「仲の良い兄妹って羨ましいの〜」

「ほらほら、二人とも早く部屋に行こうよ」

 恥ずかしくなったのか、桃華は二人をさっさと部屋に連れて行ってしまった。


 とりあえず第一関門はクリア出来たものの、どうやって桃華抜きで話を進めようか悩む。

「そうだ!晩ご飯を食べていってくれると、桃華に料理を作ってもらって、その間に話が出来るじゃないか」

 我ながら良い作戦じゃん、でも問題は二人の親が許可してくれるかだよな。

「まあ、やってみないと分からないよな」

 考え事をしていると三人分のコーヒーが出来た。

 ちなみに、このコーヒーは豆から挽いて作ってある。

 桃華の同級生だし、苦味は少なめでミルクと砂糖は多めに用意してある。

「それじゃあ、第二関門の攻略に向かいますか」

 意気揚々と桃華の部屋に向かった。


 部屋に入った俺は目を疑った。

「みんな、真面目なのか?もしかして真面目なのか?」

 俺が部屋に入ると、全員が教科書を開き問題集を解いていた。

「そんな事ないよお兄ちゃん、偶然課題で出たから、みんなでやろうってなったんだよ」

 なるほど、好き好んで勉強やってるのかと思ったから、少し安心した。

「どうですかお兄さん、勉強しているサリナは魅力的でしたか?」

「勉強しているサリナちゃんは素敵だよ」

「ねえねえ、ユキはどうなの〜、素敵だったの〜」

 次はユキちゃんが聞いてくる。

「もちろん、ユキちゃんも素敵だよ」

 すると、桃華が不機嫌になってきた。

「お兄ちゃん、私の友達を誘惑しないでくれる?」

「えっ?そんなつもりは無かったんだけど」

「お兄ちゃんジゴロなの?スナイパーなの?お前のハートにロックオンとでもやっちゃうの?」

 なんか凄い言われてる気もするが、ここは桃華に機嫌を直してもらいたいな。

「もちろん、桃華も素敵だよ」

「そ、そんな事言っても遅いんだからね/////」

「これは、落ちましたね」

「落ちたっぽいなの〜」

 また色々言われる。けっこう恥ずかしいんだけど。

 桃華の機嫌が良くなったので、良かったんだけどさ。

 コーヒーを持ってきたのに、すっかりと忘れてしまっていた。

 テーブルに三人分のコーヒーを置いてあげる。

「この香りは、もしかしてお兄さん豆からですか?」

「良く分かったね。豆からだよ」

「コーヒーは、苦くて飲めるか分からないの〜」

「そう思って、苦味が少なくなるように作ってあるよ。サリナちゃん良く分かったね」

 豆からですかと聞かれると思っていなかったので、けっこう驚いた。

「実は玄関の時から、お兄さんから匂いが漂ってましたので、それでコーヒーを持ってきていただいて確信しました」

 なかなかに観察力があるんだなサリナちゃんは。

「ユキちゃんも、一口飲んでみて。ダメなら他に飲み物持ってくるし」

「じゃあ一口頂いてみるの〜」

 恐る恐るカップを口に近付け、口に運ぶ。

 不安そうだった表情が、明るく晴れるのが分かった。

「これ、美味しいの〜。今まで苦くてあまり好きじゃなかったけど、お兄さんのコーヒーは好きになったの〜」

 そう言ってくれて一安心。

 空気を作っておいて、第二関門の攻略にかかる。

「そうだ、二人とも良かったら晩ご飯食べて帰らないかい?」

「大変嬉しいのですが、頂いてもよろしいのでしょうか?」

「ユキは食べさせて欲しいの〜」

 よっしゃー第二関門の攻略に成功だ。

「えっ、お兄ちゃん作ってくれるの?」

「何言ってるんだよ、桃華の料理の腕を見せてあげるんだ」

「まあ、薄々私が作るんだろうなとは思ってたよ」

 俺が作ってしまうと、誕生日プレゼントの話が出来なくなってしまうので、そこは桃華に頑張ってもらうしか。

 さあ、第二関門突破したし、桃華のサプライズプレゼントを成功させるぞ。

サリナ「皆様、今回は【そして僕は旅をすることになる】より、サリナとユキが後書きを担当します」

ユキ「よろしくなんだニャー!」

サリナ「今回は早めに投稿してますね」

ユキ「作者いわく、筆が止まらねえええ、らしいですニャー」

サリナ「ユキさん、今回は私たちがモブ俺に登場らしいですよ」

ユキ「語尾は狙ってるんじゃなのに、狙ってるみたいになっててユキ辛かったニャー。何回もニャーって言ってしまったニャー」

サリナ「ユキさんはいっつもニャーなので、たしかに違和感がありましたね」

ユキ「自然に言ってるから、違和感しか無かったニャー」

サリナ「そろそろ内容に入れとの事ですか。マスター以外がサリナに命令とは、後でスタジオ裏に来い。そこでぶっころ」

ユキ「ニャー!ストップだニャー!」

サリナ「内容を話しましょうか(にっこり)」

ユキ「サリナが怖いニャ」

サリナ「コーヒー美味しかったですね」

ユキ「苦手だったけど、飲めるようになったニャー」

サリナ「えっ、そろそろ時間ですか?」

ユキ「コーヒーの話しか出来てないニャー」

サリナ「それでは今回も楽しんでください!」

ユキ「次はそして僕は旅をすることになるで会おうニャー!」


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