朝食
いつもの朝、本当に何も変わらないいつもの朝だった。
俺のベッドに桃華が潜り込んでる以外は。
「あっ、おはよう、お兄ちゃん♡」
人間とは、理解し難い事があった場合硬直してしまう。
それは、俺も例外では無かった。
「......」
「なんで、お兄ちゃんお祭りで取ってこられて、ビニール袋に放置されて、酸素が足りなくなってきた金魚みたいに口をパクパクしてるの?」
「妙にリアルだな!」
確かにお祭りで金魚取って、水槽に入れずに金魚が死んでた事はあるけどさ。
問題はそこじゃないだろ。
「てか、なんで俺のベッドにいるんだよ」
「なんでって、起こしに来たんだけど変かな?」
「いや、変じゃないけどさ、ないんだけどさ」
あれ、俺がおかしいのかな?
世の中の妹は、兄を起こすのにベッドに潜り込んでるものなのかな?
なんだか、俺がおかしい気がしてきた。
そうか、俺がおかしかったのか。
「ありがとう桃華、好きだよ」
「お兄ちゃん、そんないきなり/////」
今度は、照れてしまった。
やっぱり女心はわからないものだ。
「もう、朝ごはん出来てるから、準備できたら食べに来てね。私は食器の用意をしておくからね」
そう言って桃華は、ベッドから出てリビングに向った。
「さてと、俺も準備して飯にしますか」
着替えて、学校の準備をして俺もリビングに向った。
リビングでは、桃華が天気予報を見ながら食事の準備をしていた。
「お兄ちゃんもう少し待ってね、もう準備終わるから」
俺はソファーに腰掛け、天気予報とニュースを見ておくことにした。
今日もニュースでは、有名人の離婚や、強盗、殺人などの暗いニュースが流れている。
「ニュースって悪いことばかり放送されるよな」
独り言だったが、桃華に聞こえたようだ。
「悪いニュースの方が目立っちゃうから、仕方ないんじゃないかな?」
「でも、この国の全員が悪い人って事はないだろ?それなのに、ニュースは悪いことしか放送しないんだよな」
悪いニュースは確かに目立つが、気分がいまいち良くならないので、朝はもう少し明るい話題が欲しいと思う。
「例えばね、お兄ちゃんの好きな対戦ゲームあるでしょ?あのゲームは、掲示板でマナー悪いって言われてるよね?」
「めっちゃ言われてる。俺はそんな事した事ないのに」
「それと一緒だよ。お兄ちゃんみたいに、楽しくゲームしてる人もいれば、勝てなくてマナー違反してしまう人もいる。その人の行動で全体が悪く見えてしまう。本当は極一部の人しかしてないのに、全員が悪いみたいに言われちゃうんだよ」
なるほどな。そう言えば、この前俺もチャットで「殺すぞ」って言われたな。「殺さないでくれorz」って送っておいたけど。
「はい、お兄ちゃんお待たせしました。愛情たっぷり朝ごはんだよ♡」
漬物に、塩鮭か実に美味しそうだ。
どっちもご飯が進むな。
おかげで、朝からご飯を二杯も食べてしまった。
「ふぅ〜、満腹なんじゃ。ごちそうさま」
「気に入ってくれたようで、嬉しいよ」
「それにしても、料理上手になったな」
前に火事になりかけて、それ以来だがとても上手になったと思う。
「すっごく練習したんだよ」
「そうか、偉いな」
優しく桃華の頭を撫でてやった。
「お兄ちゃん/////」
しかし、そんなにのんびりしてる時間もないので、さっさと片付けて学校に向かう。
学校に向かう途中。
「ねえ、お兄ちゃん、手をつないでも良い?」
少し照れながら桃華が聞いてくる。
「もちろんだ」
彼女に手をつなぎたいと言われて、断る理由もなく二人仲良く登校する。
「昔みたいだね」
唐突に桃華が言った。
「昔なら、ここに葵も居たはずじゃ?」
「そうだけど、やっぱり昔みたい」
最近の葵は俺達に気を使ってか、一人で学校に行っているみたいだ。
「こんなふうに仲良く登校できるって、とっても幸せ」
何も無い日を楽しめる、毎日を楽しく過ごす。
そんな、とても大切な事を忘れていた。
何かの本にも書いていた気がする。
「一番大切なものは、すぐ近くにあるものだ...」
「いきなりどうしたのお兄ちゃん?」
「いや、何かのなにかの本に書いてたなって。大切なものは、すぐ近くにあるものだってな」
「じゃあお兄ちゃんは、今幸せかな?」
桃華は、俺の答えが決まりきった質問をする。
「そんなの、幸せに決まってるだろ」
二人の時間を長くしようと、いつもより遠回りをして学校に向かう事にした。
二人が学校に到着したのは、授業開始ギリギリになってしまった。
皆さま、お待たせ致しました。まっさんです。
なんとか予告通りに、今週中に投稿することが出来ました。
これで、少し安心している私がいます。
桃華のお話書いていて楽しいですね。
ちなみに、私に妹はいないので、完全に想像でのお話になってしまっています。
こんな天使な妹は居ないって分かっているのですが、やはり理想は捨てられない。
今回もお楽しみ頂けましたか?
そろそろ、桃華も終わりにして、ハーレムとグランドエンディングにしようかと思っております。
ちょうど100話ぐらいで終わろうかなと思ってます。
どれだけ忙しくても、必ず完結させますので、これからもよろしくお願い致します。