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テストのショック

 運命のテスト2日目。

 昨日は激しかった。もちろん勉強の事ですが、葵にずっと教えて貰って完璧に仕上げたつもりだ。

 テスト開始のチャイムが鳴る。

 そして、数十分後。

「なんで俺ってこんなにダメなんだよ」

「まあまあ、純平くん気にしないで」

 俺は、思いっきり机に突っ伏していた。

 そんな俺の状態からおわかりいただけるように、今回もダメでした。

「せっかく葵が教えてくれたのに、まったくダメだ。なんて情けないんだ俺は」

「そんな時もあるよ純平くん。次のテストは頑張ろうよ」

 しかし、テスト期間は今日で終わりで、次は半年後になってしまう。

「なんだ純平、またダメだったのか?」

「おい勇気、またってのはさすがに心にくるぞ。俺はなんて常識の無い人間なんだ、そうだ死のう」

「なあ葵ちゃん、こいつ大丈夫?」

「任せて勇気くん、すぐにいつもの純平くんに戻すから」

 そう言うと、葵は純平に近寄った。そして、そっと頭を撫でている。

「純平くんよしよし、次は頑張ろうね」

 すると、純平は葵の胸に顔を埋めた。

「もう、甘えん坊さんなんだから。今日だけは特別だよ」

 そして、葵は頭を撫でる。

「お二人さん、イチャラブな展開は構わないんだが、18禁になるのは勘弁だぜ」

「大丈夫だよ勇気くん。15禁ぐらいにしとくから」

「それも勘弁して欲しいのだが...」


 まさしく地獄のテストが終わった。

 しかし、俺の気分はあまり良くなかった。

 せっかく必死に葵が教えてくれたのに、成果が出なかったのだ。

 葵は気にするなって言ってるけど、やはり申し訳ない。

「純平くん、そんなにがっかりしないで。世の中にはうまくいかないことも多くあるよ」

 そんな葵との二人での帰り道。

「それでもさ、せっかく教えてくれてたのに」

「もう、そんな事ばっかり言ってる純平くんには」

 チュッ

 いきなり唇を奪われた。

「これでちょっとは元気出た?」

 逆に放心状態になった。

「おーい、純平くん?」

「お、おう、大丈夫だ。拙者は元気でござるよ」

「ほんとに?」

「もちろんでございまする、葵の姫様」

 ダメだめっちゃ混乱しているな。

「元気出してね♡」

「ばりばり元気っすよ。」

 こんなにも尽くしてくれる彼女、まじ最高っす。

「なあ、葵」

「どうしたの?」

 そっと、葵の手を握った。

「愛してるよ」

「私も愛してます」

 純平くん、私はあなたへの思いを愛してるなんかじゃ表せないほど好きだよ。

 紅葉お姉ちゃん、抜け駆けみたいでごめんね。

 でも、私は純平くんと幸せをつかめる気がするの。

 いつもは私一人でお墓参りに行ってるけど、今度は二人で行こうと思うの。

 二人の愛した男性とふたりでね。


 テストも終わり数日後に結果が帰ってきたのだが、現実を突きつけられて俺がへこんだ事は言うまでもない。


「純平くん、今日は紹介したい場所があるの」

 私が純平くんにお姉ちゃんの事を完全に思い出してもらおうと決意した。

 それで純平くんを傷つける事になっても、やっぱり思い出して欲しい。

 傷ついたら私が絶対に純平くんを助ける。

 その決意を持ちながら、お姉ちゃんの眠るお墓に向かい二人で歩いていた。

「でも葵、この先は墓地しかないぞ?」

「そうだよ。今日はお墓参りに来たの」

 どんなに苦しむかはわからないけど、それでもいつかは解決しないといけない私達の問題。

 だんだんとお姉ちゃんのお墓が近付いてくる。

 近付くにつれて、私の心臓も早鐘の様にバクバクとしてきた。

「純平くんに紹介したい場所はね」

 やっと到着したお姉ちゃんのお墓。

 その前で名前に気が付いた純平くんは驚いた顔をしていた。

「私のお姉ちゃんの紅葉お姉ちゃんのお墓だよ。私達が幼い頃に三人で遊んでたら、車が来てお姉ちゃんが純平くんを守ってくれたの」

「でも、そんな...」

 純平くんは、すごく辛そうにしゃがみこんでしまった。

「でもね、私は別に純平くんを責めるために連れてきたわけじゃないよ。ただ、純平くんにお姉ちゃんの事を思い出して欲しくて」

「ごめん...」

「えっ、どうしたの?」

「ごめん葵」

 純平くんはその場で私に土下座して謝っていた。

「俺のせいで葵の家族を奪ってしまってごめん」

「待って、責めるわけでも苦しめるためでもないんだよ。本当にお姉ちゃんの事を思い出して欲しいだけで」

 純平くんは頭を上げてくれない。

「それでも、葵に辛い思いさせて、自分は覚えてないなんて」

「純平くん」

 どうしても頭を上げてくれないので、少し強引に頭を上げて、そっと口付けをした。

「あ、葵?」

「私は幸せだよ。お姉ちゃんが居ないのは残念だけど、お姉ちゃんに愛してもらって、両親にも愛してもらって、今は純平くんにも愛してもらってる。それだけで私は幸せなの」

 やっと純平くんは立ってくれた。

「純平くんには幸せをいっぱい貰ってるの。だからね、純平くんこれからも私と一緒に居てほしいの」

「ごめんな葵」

 純平くんから聞かされる否定の言葉に、私は驚いた。

「俺は、葵に甘えすぎてた。そんな俺だけど、俺と一緒にいてください」

「もちろんだよ」

 お姉ちゃん、二人が愛した人はこんなにも素敵な男性だったよ。

皆さま大変お待たせいたしました。まっさんです。

ほんとにおまお待たせして申し訳ないです。

私、三月に国家試験を受けてきました。

そして見事に合格いたしました。

これで進級できる。

割とむずかしかったので内心ドキドキでした。

では肝心な内容についてすこしだけ。

今回はテスト終からのって感じで書かせていただきましたが、正直お姉ちゃんをいつ出そうかと悩んでおりました。

でも幼少期の事だからどう引っ張ってくるのかがむずかしかった。

そんな事で、新年度もよろしくお願いします。

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