表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/49

久しぶりの緊張

 風邪が治って、久しぶりに学校に行けるようになった。

 これも、家に来てくれてご飯作ってくれた葵のおかげだな。

 それと、お風呂を沸かしてくれた桃華のおかげでもあるな。

 俺の風邪が治って学校に行けるようになったとたん、葵が家に迎えに来るようになった。しかも満面の笑みで。

「風邪治ってよかったね。ところで、それって誰のおかげなのかな~?」

 さっきからもう10回目だぞこの質問。何が何でも葵のおかげと言わせたいのか。

「出来の良い妹のおかげかな。」

「桃華ちゃんともう一人居たよね?」

「勇気のことか?」

「もう、なんでそうなるのよ!?」

 さすがに少し拗ねてきた。確かに葵のおかげでもあるから、しっかりとお礼は言っておかなければだけど、さっきからこれだからな。

「冗談だよ。葵、ありがとうな。」

 彼女の顎を、クイッと寄せてこっちを向かせて、眼を見て言ってやった。

 すると、彼女の顔が見る見る紅く染まっていって、目が泳ぎ始めた。

 しかし、こんな事をするとさすがに恥ずかしいな。

 この状態を見られたら確実に勘違いされるんだろうな。

「痛っ!」

 後ろから蹴りが飛んできた。

 誰だと振り返ると、まだ家に居るはずの桃華が真後ろに立っていた。

「お兄ちゃん、ナニシテルノ?」

 顔は笑っているが、目がまったく笑っていなかった。てか桃華、なぜ片言なんだ。

「いや、看病してくれた感謝をだな。」

「へ~、そーなんだ。感謝であんな二人で見つめ合って、あわよくば唇をって解釈で間違ってないかな?」

「まてまて、唇を狙ってた訳では無いぞ。」

 葵を見ると、自分の唇を触ってワナワナしていた。

「葵さんに感謝するなら、私にも感謝するべきじゃないかな?」

「桃華にも朝からずっとお礼を言ってただろ。」

「私は、あんな行動されてないもん!」

 ちょっと悔しそうに言ってきた。

 とりあえず俺は、一番の疑問を投げかけることにした。

「桃華、今日はずいぶん早くないか?、なんでこんなに早いんだ?」

「そうだった、私ね今日は学校が遅くまであるからお兄ちゃんに、鍵を渡そうとして追いかけてきたの忘れてた。」

 疑問が解決された。

 どうりで桃華が早かったわけだ。おかげでやばいシーンを見られてしまったが。

「葵さんも、抜け駆けとか酷くないですか。」

「ごめんね桃華ちゃん。そんなつもりはなかったんだけどね。思いのほか純平くんが大胆で。」

 あれ?、これ俺が悪者になってね?。確かにちょっと調子乗ってしまった感じはあったけどさ、嫌な予感がするぞ。

「お兄ちゃん。」

 ギクッ!

 こそこそと逃げようとしていたのが、バレてしまった。

「お兄ちゃん、今日は私が帰ったら話があるから、ちゃんとリビングで待っててね。」

 こ、怖い。妹の目が笑っていない。

「き、今日は久しぶりにゲームでもしようかなと。」

「あ?」

「い、いえ何でもないです。リビングで待たせていただきます。」

 素直に怒られることにしよう。これぞ、自業自得ってやつかな。

「あっ、電車の来る時間がもうすぐだ。じゃあねお兄ちゃん。葵さんも、また遊びに来てくださいね。」

「気をつけて行けよ。」

「ばいばい桃華ちゃん、また遊びに行くね。」

 そして桃華は去っていった。

 そこに、葵が一言ボソッと呟いた。

「あんなに怖い桃華ちゃん見たことないよ。」

 俺もあそこまで怒った桃華は、見たことがなかった。

 それほど俺の行動に問題があったのか。普通に考えたら、付き合ってもいないのに、あの行動はやばいか。

「もし桃華ちゃんが来なかったら、キスしてた?」

「しねーよ。」

「私は、されても良かったよ?」

「付き合ってないのに、キスとかしないから。」

「でも、純平くんて意外と大胆だよね。」

「あれは、お前を驚かそうとだな。」

「私以外にあの行動はやっちゃメッだからね。」

 と言いながら、俺のおでこを小突いてきた。

 お前のその行動、男子からしたら勘違いするぞ。

「純平くん、モブになりたい割に、けっこうフラグたてるの好きなんだね。やっぱり主人公だね。」

 葵が何か言った気がしたが聞こえてないことにしておいた。


 なんだろう?、久しぶりの学校って緊張してしまう。

 それは、机の中に入っている課題だったり、いきなりわからないところまで進んでしまった授業だったり、色々な不安が休み明けにはあるのだ。

 教室の扉を開けると、いつもと変わらない風景が見られた。

「おっ、純平おはよー。朝から夫婦水入らずってとこか?」

「誰が夫婦だ。お前は元気すぎんだよ。」

「そうだよ、勇気くん。私達が夫婦になるのは、卒業してからなんだから。」

 あほかこいつは、この発言のおかげでいつも大変なことに、ってもう既お前コ□スって感じの視線を送られてるんですが...

「まあともかく、元気になって良かったな。」

「おう、いろいろとありがとうな。」

「気にすんなって。困った時はお互い様だ。それにいじる相手がいなくて暇だったんだよ。」

 感謝するべきか微妙だな。

 俺が勇気と喋っていると、葵が他のクラスの男子と話をしていた。

 普段なら特に気にすることもないのに、この日だけは何か胸にモヤモヤとしたものがあった。

 しかし、俺はそのモヤモヤを気のせいだと思い込み、勇気と俺が休んでた間の話をしていた。


みなさんお元気ですか?まっさんです。私はまた風邪を引いてしまいしました。

そして、風邪明けの学校、非常に緊張してしまいますね。

そろそろいい感じに進んできたモブ俺ですが、まだまだやりたいことがいっぱいであります。

今回ものんびりかいではありますが、お楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ