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言の葉の家へようこそ ~言語オタクが異世界を満喫する話~  作者: 菖蒲月
第一章 【幼少期編】

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6.家族にスキルを報告します

 無事に洗礼の儀式も終わり、ヘルマン神殿長や神官達に見送られて神殿を後にして、お父様とお家に戻ってきました。


 と言っても、初めての外出や儀式は3歳児の身体には思ったより負担になったのか、帰りの馬車の中で爆睡してしまい、気がついたら自分の部屋のベッドで寝ていたという・・・まぁ、3歳ですから!


お父様のお話によると、今日は家族に報告をしてゆっくり過ごし、他貴族へのお披露目は明日するんですって。


お披露目会は3歳の子供がメインなので日中の短い時間での開催で、招待される側も子供連れでの参加が一般的らしい。


お友達が出来るかもしれないなぁ~楽しみ楽しみ♪


ぼーっと寝起きの頭でそんなことを考えていると、ノックの後に私の専属侍女のメアリーが顔を拭くための濡らしたタオルと水差しを持って部屋に入ってきた。


「マリーナ様、洗礼の儀式お疲れ様でした。ご家族の皆様がサロンでお待ちになっていますよ。お支度をいたしましょう。」


「ありがとう、メアリー。」


 水分補給をして、顔を拭いてもらい、いつの間にか外出用の可愛らしいけど少し動きづらいドレスから寝間着に着替えさせて貰っていた(全然気付かずに爆睡って・・・)ので、動きやすい室内用のドレスを着せて貰って準備完了!


 メアリーに手を引いて貰ってサロンまで移動しますが、廊下ですれ違う使用人達がみんな「お嬢様、洗礼の儀式お疲れ様でした。おめでとうございます。」と声を掛けてくれるので、それに「ありがとう」と返事をしつつ、ゆっくり歩いていると思いのほか時間が掛かってしまったが、みんなの気持ちが嬉しいので仕方ないと少し笑ってしまった。


え?使用人から貴族に声を掛けちゃダメだって?


もちろん、知ってますとも!


うちの使用人達はその辺りきちんとしているので、普段は廊下で顔を合わせても端によって通り過ぎるまでお辞儀していて、決して自分たちから主家の人間に声がけするようなことはないのよ。


でも祝い事の際には、お祝いの気持ちなどをお伝えする機会が欲しいという皆からの要望に応える形で、お祖父様が当主だった時に『祝い事(誕生日や結婚・婚約など)の時には屋敷内で、他家の目の無い所でなら直接の声がけを許す。』という決まりを設けたの。


まぁ、祝い事の時だけとはいえ、直接の声がけが出来る機会を勘違いして、ペラペラと余計な事を話す人がいないわけじゃ無いけど・・・。


そういう人はいつの間にか屋敷から居なくなっているから、本来の目的だけではなく、今は使用人の篩いの役割もあるみたいね。



 ◇◇◇



 そうこうしているうちに着いたサロンの扉をメアリーがノックして、私が到着したことを中に告げると、扉が中から開かれてお父様の専属執事であるクラウスが入室を促してくれた。


「マリーナお嬢様、洗礼の儀式お疲れ様でした。お嬢様のお話を聞きたい皆様が、首を長くしてお待ちですよ。」


「クラウス、ありがとう。おもっていたより、つかれていたみたいで、たくさんねちゃった♪」


「ゆっくりお休み出来て良うございました。さあ、皆様の所へどうぞ。」


 我が家のサロンは温室のような作りになっていて、綺麗に手入れされた庭園に面した壁は一面が大きなガラス張りになっており、日差しがたっぷりと差し込む明るくて暖かい部屋になっている。


 お洒落なレースのカーテンが掛かる窓から見える庭園は一枚の大きな絵画のようで、季節毎に違った景色を見せてくれるので、家族皆が自然と集まってくる大好きな場所だ。


「おぉ!我が家の天使が起きたか!こっちへ来て儀式の話を聞かせておくれ。」


「はい、おじいさま。」


 この方はお父様の父上様で、私のお祖父様、ヴェルナー・フォン・バイエルン前伯爵。


お顔は整っているのに身体がとっても大きくて傷だらけなので、海賊の頭領の様な雰囲気だわ。


お声も大きくて初めてお会いしたときはビックリして泣いてしまったけれど、お祖父様が泣く私にオロオロして、一生懸命あやそうと抱き上げてくれた手つきや目がとっても優しくて、すぐに大好きになってしまったの。


 お祖父様の近くまで歩いて行くと、お祖父様に抱き上げられてお膝の上に・・・うん、安定感抜群♪じゃなくて!


「おじいさま。マリーナはもう3さいなのでひとりですわれるのよ。」


「そんな寂しいことを言わんでくれ。本当は儀式にも一緒に行きたかったのに、薄情な息子がダメだと言うから仕方なく待っておったんだぞ。」


「父さん・・・薄情って人聞きの悪いことを言わないでくださいよ。付き添いは1人だと昔から決まっているではありませんか。だから、レーナにも家で待っていて貰ったのですよ。それじゃ無かったら家族全員で行ってます!」


「ふふふ、そうね。マリーナ、お帰りなさい。洗礼の儀式が無事に終わって良かったわ。とっても立派に熟したってお父様に聞いたわ。偉かったわね。」


 そう優しく話しかけてくれたのはお母様で、レーナ・フォン・バイエルン伯爵夫人。


アイヒベルク侯爵家の次女でしたが、学院時代にお父様と大恋愛の末に婚約してお嫁に来たらしい。


うん、その辺りの詳しい話は今度お母様に聞いて見よーっと♪


「おかあさま、ありがとうございます。ちゃんとかみさまにごあいさつして、とってもすてきなスキルもいただいたのです!」


「「マリーナ、おかえり!儀式お疲れ様。『言語理解(人・亜人種)』のスキルなんて凄いね(な)」」


 このピッタリのタイミングでお声を掛けてきたのは、長兄のギルベルト10歳(知的美少年)と、次兄のヴォルフラム7歳(やんちゃ系美少年)の私を溺愛するお兄様達だ。


今もお祖父様のお膝の上にいる私の両側から、頬を押しつけてきてスリスリしている。


うーん、相変わらずの溺愛具合・・・まぁ、家族全員そんな感じなんだけれども。


「マリーナや、素晴らしいスキルを頂いたね。儂にもスキルがあることはライナーから聞いたと思うが、世の中にはスキルの所持者を捕まえて、都合良く使える奴隷にしてしまう人攫いなどの悪い者がおる。この国にはスキル所持者を保護する法律もあるが、他国では全く持護されない所もあるので、他国に奴隷として売られてしまえば、助けることは難しくなってしまう。だから、知らない人にはついて行かないことはもちろんだが、知っている人にも1人でついて行ってはならんぞ。近々、マリーナ専属の護衛を選ぶから、そのつもりでいておくれ。マリーナはスキルが無くてもこんなに可愛いのだから、決して油断をしてはいかん!!ギルベルト、ヴォルフラムも妹をしっかり守るのだぞ!!」


「わかりました、おじいさま。」


「「もちろんです(だ)!」」


 うん・・・お祖父様の孫ばかも大概だとは思うけど、やっぱり人攫いとか居るんだね。


有用なスキルを持った人を攫って奴隷にしちゃうとか酷すぎる・・・


でも、この国に保護法みたいなのがあるなら、他の国よりスキル所持者には暮らしやすいのかもね。


「マリーナ、明日のお披露目会でスキルについても公表するよ。それと同時に王城にスキル所持の報告をすれば、ちゃんと法律が守ってくれるからね。それでもお祖父様が言ったように、自分でも気をつけなければ防げないこともあるから、これからの淑女教育と合わせて少しずつ覚えていこうね。」


「はい、おとうさまがんばります!」


 あ~、やっぱり貴族的なお勉強が始まっちゃうか~。


大好きな家族に迷惑は掛けられないし、目標は完璧な淑女と名高いお母様だけど・・・。


中身が前世庶民の私では限界があるかもしれないので、最低でも一般的な令嬢には成れるように頑張らねば!


ひとまず、明日のお披露目会で失敗しないようにしなくちゃね。



 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 ちょっと余談・・・


 後日、我が家の図書室でスキル所持者の法律適用について調べてみたところ・・・


 貴族の場合はお披露目会でスキルを公表して、同時に神殿から発行されたスキル所持証明書を王城に提出することで法律の適用者として登録されるけど、平民はそもそもお披露目会なんてしないから、神殿での洗礼の儀式でスキル所持が判明したら、すぐに神殿から王城に報告が上がって登録されるのが一般的みたい。


 なんでも貴族は、様々な事情で儀式の後にすぐにお披露目会をしない(出来ない)パターンがあるから、証明書を発行して提出するタイミングを各貴族家に任せているんだって。(一応提出に期限は無いらしいけど、発行から半年以内には事情があっても報告するべきだよね、っていう暗黙の了解的なものがあるらしい)


 貴族はある程度自分の家で守れるけど、平民は裕福な家以外はそうはいかない場合も多いから速やかな登録をして保護してるってことだよね。


 ちゃんと保護して貰える国に生まれて良かった~と、しみじみ感じた今日この頃でした。


最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

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