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言の葉の家へようこそ ~言語オタクが異世界を満喫する話~  作者: 菖蒲月
第一章 【幼少期編】

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4.神様へのご挨拶です

 神殿に到着して、お父様のエスコートで馬車を降り、神殿前で出迎えてくれた神殿長とご挨拶をする。


「ようこそおいでくださいました、バイエルン伯爵様。そして初めてお目に掛かります。バイエルン伯爵令嬢様。」


 真っ白な法衣を纏って、真っ白なたっぷりのお髭を生やしたとっても優しい目をしたお爺さんが丁寧な挨拶で出迎えてくれている。


 わぁ、某魔法学校の校長先生にそっくり。とても柔らかで温かい空気を纏っているので、こちらまでほわほわしてしまいそうになるわ~。


 はっ!ダメダメ!!ちゃんとした貴族教育はまだとはいえ、伯爵令嬢としてちゃんとご挨拶をせねば。


「お久しぶりです、ヘルマン神殿長殿。こちらが3歳になった娘のマリーナです。」


「はじめまして、ヘルマンしんでんちょうさま。マリーナ・フォン・バイエルンです。」


「おぉ!なんと利発なお嬢様じゃ。3歳の洗礼の儀の後から本格的な教育が始まるから、まともに挨拶が出来ない子も多いのじゃが、お嬢様はとても将来が楽しみな方ですな。本日の儀式はこのヘルマンがご一緒しますからご安心くだされ。」


 ヘルマン神殿長がそう言った瞬間、控えていた神官や司祭達がざわめき、お父様も驚いた様子を見せた。


 んん?神殿長が自ら儀式に同行するのは珍しい事なのかな?


「ヘルマン殿が自らマリーナの儀式にご一緒下さるのですか?」


「そうですじゃ。本日も何名か儀式を行いましたが、神官達が付き添いを勤めました。しかしマリーナ嬢には儂が付き添わねばならないと強く感じるのじゃ。神の思し召しかもしれんのう。」


 周囲のざわめきとは異なり神殿長はとても楽しそうにしており、私も何だか儀式が楽しみになってきちゃった♪


「しんでんちょうさまはとてもあたたかいから、いっしょなのはとてもうれしいです♪」


「ヘルマンと呼んでくだされ。ほほほ、儂をあたたかいと感じましたか、それは嬉しい事ですじゃ。一緒に神様に3歳に成られたことをご報告致しましょう。さて参りましょうか。」


「はい!ヘルマンさま。」


 お父様と手を繋いで、ヘルマン神殿長の案内で神殿内をゆっくり進み、一際立派な装飾がされた大きな両開きの扉の前に到着した。


「では、お嬢様は神殿長と共に儀式の間に入られますので、バイエルン伯爵様は控えの間にてお待ち下さい。控えの間へは私がご案内致します。」


「承知した。ではマリーナ、お父様は司祭様と別なお部屋で待っているから、神殿長と一緒に神様にご報告しておいで。」


「はい、おとうさまいってきます。」


「では、マリーナ嬢。儀式の間に入るが、儀式を受ける本人が扉を開け無ければならないのじゃ。さぁ、開けてごらんなさい。」


えー!こんな大きな扉を自分で開けるの!?3歳児にはハードル高くない???


困惑した顔で神殿長やお父様のお顔を見るが、みんな微笑ましい顔でこちらを見てくるだけで、手伝ってくれそうな雰囲気は無かった。


そして、お父様はそのまま司祭様に控えの間へと案内されて行ってしまった。


儀式の間の前には私とヘルマン神殿長の二人きり。


んー、まぁ無理なことはやらせないだろうから、何とかなるのかな?とりあえずやってみますか。


そもそもこの扉、2階分くらいの高さの天井まであるかなり大きな扉だけど取っ手がない・・・


取っ手がないと引けないから、押せば開くって事なのかな?


この大きさならかなりの重さがありそうだけど・・・力を込めて押してみよう!


覚悟を決めて扉に両手をついたその瞬間、あれほど大きな扉が重さを感じさせない動きで部屋の内側にゆっくりと開いた。


「わぁっ!」


「ほほほ、儀式の間は神様と繋がる特別な場所なのですじゃ。必ず儀式を受ける本人が開けなければ成らないという決まり上、3歳の子でも開けられるようになっておるのですが、みなビックリしますな♪」


「はい、あんなにおおきいのに、ぜんぜんおもさをかんじなくてびっくりしました。」


「ほほほ、実はあの扉の重さも人によって違いがあるのですじゃ。マリーナ嬢のように重さを感じないくらい軽く開くこともあれば、普通の扉を開ける位の重さを感じたり、本人が開けられる限界の重さがあって、頑張って開けなければ開かない場合もありますなぁ。さて、では部屋の中央までお進み下され。」


 いやー、スッと重さもなく開いたから本当にビックリしたよ。


 後で詳しく聞いた所によると、あの扉を神殿では、『神の最初の試練』と呼んでいるみたい。


 扉に触れた者の内面を神様が読み取って、儀式に臨む者に何らかの忠告を与えているというのが一般的な考えらしい。


 実際に、頑張ってやっと開けた子には我が儘や乱暴者の気質が3歳にして表れていることも多く、そう言った目に見える気質がない者でも、成長に従って隠れた残虐性が出たりする事があるそうなの。


 ただ、必ずしも悪い成長をするという訳ではなくて、そういう気質があるから成長には気を配るようにという神からの忠告なのですって。


 儀式の間の扉の事は誰もが知る事で、付き添いの司祭から親に報告する事が義務づけられていて、良識のある親であれば、今後の成長に気を配ることでそう言った気質は無くなり、素晴らしい人生を送ることもあるみたい。


 裏を返せば、今回扉がすんなり開いたからといって、今後悪い人間に絶対にならない持証は無いのだから、私も家族に迷惑を掛けないように気をつけないとね。


 3歳ならまだ周りが助けてあげることで正しく導くことが出来るって、神様が教えてくれてるんだね。

 ありがたや~ありがたや~。


「ヘルマンさま、かみさまはとってもやさしいのですね♪」


「そうですな。皆を平等に優しく見守っておられますぞ。良いことも悪いことも全てご存じで、滅多なことではお怒りにはなりませんが、自然や生命を冒涜するような事を決してお許しに成らない苛烈な一面もお有りなのですじゃ。ですから、神様のお言葉やお考えを曲解する事の無いように正しく記録し、皆に正確に伝えるために神の僕である私ども神殿があるのですぞ。では、儀式を始めましょう。」


 そう言って、ヘルマン神殿長は部屋の中央に安置されている珠の元へ優しく誘導してくれた。


儀式の間は、扉の大きさの割にそんなに広くはなく、小学校の教室くらいの広さだが、天井がとても高い。


3階建くらいの高さはあるんじゃないかな?そして、その天井にはステンドグラスのような色とりどりだが透明感のある装飾がされていてとても綺麗だった。


その他は壁も床も全てが真っ白で、何よりも不思議なのが部屋の中央にある光り輝く魔方陣と、その中央で浮いている珠だろうか。


魔方陣とはいかにもファンタジーっぽいなぁ~♪と若干の興奮と共に、珠に近づく。


珠は魔方陣の中央で床から50cmほどの高さに微動だにせずに浮いている。


「儀式を受けるものしか魔方陣には入れませんので、マリーナ嬢はそのままゆっくり進んで、優しく珠に手を当ててくだされ。そうすれば珠が光ることで神様へのご報告が完了致しますじゃ。稀にその際にスキルを授かる事もあるが、授かった者はそのスキルの内容や使い方もちゃんと一緒に授かるので安心ですぞ。」


「わかりました。ヘルマンさま。かみさまにごあいさつをしてきます!」


 ヘルマン神殿長に促され、ゆっくりと魔方陣へと足を進めた。


あ、魔方陣に入ったらなんか空気が変わった???何だろうとても呼吸が楽になった気がする。


あれだ、空気の綺麗な場所で深呼吸をしたような清々しさ!そんな気持ちよさを全身に感じる。


魔方陣もそれほどの大きさは無いので、すぐに珠の元にたどり着いた。


珠はとても透明度が高く、見る限り不純物などは全く無いように感じる。


され、神様にご挨拶しないとね!!


そぉ~っと珠に手を当てて、『神様、初めまして。マリーナ・フォン・バイエルンと申します。3歳のご挨拶に参りました。』と心の中でご挨拶をしたのだけど・・・。


 パァァァァァァァーーーーーーーー!!!!


 珠が一瞬とても明るく光ったかと思えば、オパールのように見る度に違う色を浮かべる不思議な光を浮かべていた。


それと共に、頭の中に『言語理解(人・亜人種)』という言葉が浮かんだ。


あ、スキル?言語理解って多国語とかが分かっちゃう感じ?


人・亜人種って事はある意味、範囲限定のスキルって事かな。


おー、前世でも趣味でたくさんの言語を勉強してた私にはピッタリのスキルだ!


でも、その土地の人とコミュニケーション取りながら言語を覚えるのも好きだから、スキルで初めから分かっちゃうのも少し味気ない気がするなぁ・・・


 まぁ、でも知ってる人が少ない言語はそもそも教わることも現地の人と話すのも難しくて、挨拶ぐらいしか分からないままの言葉もたくさんあったから、そういう言語も分かるならすっごくお得だよね♪


『神様、素敵なスキルをありがとうございます☆』と感謝の気持ちを込めて手を合わせた。


「ヘルマンさま、かみさまへごあいさつしましたが、これでだいじょうぶですか?」


「ほほほ、マリーナ嬢は神様に気に入られたようですな。珠の輝きでそれがよく分かりますじゃ。詳しいお話はお父上と合流してからご説明致しましょう。」


「はい、ヘルマンさま。」


最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

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