2.どーしてこうなった!????
本日、3話(プロローグ、1話、2話)投稿しています。
唐突に意識が浮上する感覚を覚えた。
周りが明るくてどこかに寝かされているらしいことは分かるが、全体にもやが掛かったような感じでハッキリと認識出来る物がなく、身体も上手く動かせないため、ここが何処なのか、どういう状況なのかが全く分からない。
さらに、周りから聞こえる音で人の話し声のようなものも聞こえるが、もやのせいで顔は全く認識できず、聞いたことの無い言語のため全く意味が理解できない。
何も情報が得られないという状況・・・詰んだ・・・。
◇◇◇
そして、良く見えないながらも周りが暗くなったり明るくなったりを幾度か繰り返している内に、何となく自分の状況は分かってきた。
どうやら赤ちゃんになっているらしい。
・・・うん。意味が解らないよね。私もだよ!!!!!
そりゃあ、何度も授乳されたり、おしめ交換されたりしてたらさすがに気付くでしょう⤵
身体は赤ちゃんとはいえ、中身25歳が授乳されたりおしめ交換されたりは、なかなかツライ(泣
最初はさぁ~、身体が思うように動かないのは、車に撥ねられた怪我の影響で動けないのかと思っていたのよ。
でも、手足に力を入れてみるとぎこちないながらも動かせたので、手で顔を触ろうと顔の前に手を翳したら・・・
んん?なんか・・・手、小さくない!?
しかも、え?ほっぺがもっちもちなんだけど!!?
は!?身体が浮いた!!あ、誰かに抱き上げられた?大の大人を軽々と!?
むむ・・・口に柔らかい何かが押しつけられた!
は!条件反射のように吸ったら、おいしい何かが流れ込んでくる!甘くておいしいなぁ♪
んくんく。プハーッ!!
ふぅ、お腹いっぱい☆
あ、背中トントンされてる。けふっ・・・
げっぷ出ちゃった////
あーーーーーー!また寝かされたと思ったら、下のお世話までされちゃって⤵⤵⤵
って、この一連の流れって、怪我人の介助じゃなくて、赤ちゃんのお世話じゃない!!
私ってば赤ちゃんなの!?
どーしてこうなった!????
◇◇◇
赤ちゃんだから目が覚めても、授乳・おしめ交換・着替え・お風呂など何かが終わるとすぐに眠くなってしまい、状況の整理が出来たのは私の意識が目覚めてから3ヶ月以上経ってからだと思う。
どういう訳か前世の記憶を持ったまま赤ちゃんになってしまっているので、車に撥ねられた後の私は亡くなってしまったのだと思う。
家族のみんな、本当にごめんね。私の分も幸せに生きてね。
私を赤ちゃんに生まれ変わらせてくれた神様のような存在がもしいるなら・・・どうかお願いです。
元の家族が長く悲しまずに前向きに生きていけるよう、ほんの少しだけ助けていただけると嬉しいです。
さて!今日も授乳とおしめ交換を終えてベッドに寝かされ、ウトウトしてしまったものの、お世話してくれる人が退室した音でハッと目が覚めた。
これまであまりゆっくり考えられなかったが部屋が静かになったところで、前の自分のことを思い出してみようと思う。
◇◇◇
元の私は、東雲 彩夏25歳。
それなりの大学を卒業後は、運良く大手商社に入社し、4カ国の外国語を習得している語学力を見込まれて外資系企業や海外の取引先担当の営業事務として務めて3年目。
小さい頃から大好きだった日本語と日本文化、そこから派生して他国の「言語や文化」にも興味津々だった私には、大好きな日本に居ながらにして他国の言語や文化に触れる事が出来るという天職とも言える仕事で、とても充実した毎日を過ごしていた。
ところが、3年目の年に同じ部署に配属になった女子新入社員の指導係となった事で暗雲が立ちこめ始めた。
彼女起因の人為的なトラブルに見舞われ続け、その対処に余計な時間を取られてしまい、遅くまで残業する日々が続いて大変疲弊していた。
自分に自信のあるタイプの若さと愛嬌で男性社員にチヤホヤされる女性で、何度指導しても同じミスを繰り返し、さすがに何度目かのミスで強めに叱れば自分に甘い男性社員や上司に泣きついて、指導が厳しすぎるとコチラが叱責を受ける始末。
そんな事が続くと、ミスされるぐらいなら大事な仕事はさせなければ良いと、簡単な電話対応や来客の一次対応(会議室までの案内やお茶出しなど)を任せることにしたのだが、電話に出てもメモを取らないので、誰から誰に来た電話なのか忘れてしまい、大事な連絡が伝わらずにお客様を怒らせてしまうこと数度。
更に来客対応の際には、来社された取引先の担当者に失礼な発言をしたり、相手がイケメンだと見るやベタベタと馴れ馴れしく振る舞ったので、取引先が激怒して大事な取引が停止になりかける事態になってしまった。
それらの対応の謝罪や後処理など全て指導係となった私にのしかかり、自分の業務が全く進まないにもかかわらず、上司はもちろん助けてくれず、他の同僚達は自分に火の粉が降りかかるのを恐れて遠巻きに見ているだけという状況・・・流石に堪忍袋の緒が切れた。
そこでこれまでの彼女の指導記録(失敗記録とも言う)と、彼女に甘い上司や男性社員達からの無茶苦茶な内容の叱責や暴言などの音声データ(スマホのボイスレコーダー機能って便利だよね♪)の資料を揃え、上司では握りつぶされて終わってしまうので、会社の重役達に直接社内メールで送りつけ、残っている有休を消化しての退職を願い出た。
退職が叶わない場合、弁護士を通じて然るべき措置を講じる事を明記したので、外部に情報が漏れることを嫌がった重役達により、こちらの要望は全面的に受け入れられた。
残りの有給を消化しての退職が叶っただけでなく、退職金(口止め料とも言う)もちゃんと出してくれたので、周りが突然の事態に唖然とする中、さっさとデスクを片付けて、用意しておいた引き継ぎ書類を叩きつけて会社を出てきた。
そして、もう面倒な人たちに煩わされる事が無くなって、大変清々しい気持ちで歩いていたら・・・冒頭のように事故に遭ってしまったようだ。
うーん、やっとゆっくり出来ると思ったのに残念極まりない・・・。
まぁ、何故かは分からないけど前世の記憶なんてものを持ったまま生まれ変わってしまったみたいだし、新しい人生を楽しんでみようか♪
さて、どんな家族の元に生まれたのかな。
◇◇◇
自分の状況がある程度把握できたので、今度は周囲の様子を窺ってみているものの、赤ちゃんの視点から得られる情報がかなり限られる上に、いま直面している最大の難問は・・・
言葉がまっっっったく分からないことだろう(泣
私は前世で家族や友人に言語オタクと言われた位、多言語に精通していた。
読み書き・会話まで習得出来ていた言語は4カ国語(英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語)だったが、それ以外の言語も挨拶や簡単な単語などはマイナーな言語も含めてかなりの数を理解していた。
そんな私が全く聞いたことのない言葉なのだからビックリだ!
どんな未開の地なのかと思えば、周りの家具や使用人がたくさんいるらしい雰囲気から、裕福な家なのだろうという事は感じ取れる。
そしてビックリなのは、最近になってちゃんと色が認識出来るようになって気付いたのだが、周りの人達の瞳の色がとてもカラフルなのだ。
髪色は黒ではなく、茶髪の人がほとんどで、たまに金髪の人がちらほら・・・瞳の色に至っては紫や緑、青などとてもカラフルで黒目の人はまだ見ていない。
これは巷で噂の異世界転生とやらなのではなかろうか・・・
ファンタジー小説などが特別好きだった訳では無いが、他国の言語を習得するにあたって、その時に話題の小説や映画を翻訳無しで見ることもあったので、異世界転生に関しての一応の知識があるのは幸いなのかもしれない。
まぁ、国の名前などが分からない内は判断のしようもないので、まずは言葉を覚えることから始めましょうか♪
最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)
初投稿なので、本日はプロローグを含めて3話を同時投稿しています。
明日からは、毎日20時に1話投稿となります。




