表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
言の葉の家へようこそ ~言語オタクが異世界を満喫する話~  作者: 菖蒲月
第一章 【幼少期編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/27

24.相互理解はとっても大事!

 私が、『特定の国との取引で、相手が約束の時間を守らない、商品も契約書の納期通りに受け取れ無いなどのトラブルが起きていないか』と、訪ねたのにはちゃんと理由がある。


 この話は、うちのお抱えの商人が、我が家に食材や日用品を納品しに来た際に、うちの家令補佐に話していたのを少し漏れ聞いた内容から推測したものだ。


 前世では複数の外国語を習得していたので、大手の商社で外資系企業や海外の取引先担当の営業事務をしていたのだけど、その時にブラジルなどの中南米担当の年配の営業さんから聞いた話で、ブラジルでは「ブラジリアンタイム」と呼ばれる時間に関する文化があるのだそうだ。


 生活全般において急がないことが美徳とされ、約束の10~30分程度の遅刻は問題ではないらしい。

もちろん時間を守る人も中には居るので、人によるというのが正解ではあるものの、そういった文化もあると理解して相手と接していれば、少し遅れたとしても「ブラジリアンタイムかもな~」と待てるし、可能性を考慮して、余裕を持ってスケジュールを組むことも出来る、と言っていて「なるほど~」と異なる文化で育った者同士の相互理解の大切さを知って、ますます異文化を学ぶのが大好きになったのだ♪


 我が家に来た商人は、最近取引を始めたばかりの外国の商人が、約束の時間や納期を守らないと大層怒っていたのだ。

契約書で何度も確認しているのにどうしても納期が遅れるし、約束の時間にちゃんと来ない!と商品を受け取っていた我が家の家令補佐に、愚痴っていたのをたまたま聞いたので、ブラジルと似たような時間文化を持つ国と取引が始まったかな~と思ったのだ。


 前世の説明は省いて、そういう時間文化の国があって、約束の時間に遅れることは相手を急かさないためのマナーであること、契約書などで「納品日:○月○日」とするとその数日後までは許容範囲と取られてしまう可能性がある事を説明した。


 ギル兄様達も初耳なのか、そんな国が存在するのか!?と、とても驚いているようだ。


「確かに、半年程前から取引が始まった『テンポ』という国との取引で、マリーナ様が仰ったのと同様のトラブルがあると聞いています。解決策はあるのでしょうか。」


 ブッ!!!『テンポ』って、まんまポルトガル語で『時間』って意味じゃ無いか![笑]

面白すぎて噴くかと思ったよ!でも、それならあの営業さんから教えて貰ったあの方法が使えるかもね。


・何度か会っていて、相手がどのくらい遅れてくるか分かっているなら、その分の時間を含めて時間設定する。

・初めて会う場合は、遅れてくるであろうと想定して、時間に余裕を持ったスケジュールを組んでおく。

・納期についても、「○月○日以降~○月○日までに欲しい」と、いつまでに欲しいのかを明確にする。


 ポイントとしては、「○時○分」や「○月○日」と時間や日時を定めてしまうと、マナー的にはそこから少し遅れての日程を目掛けて行動してしまうので、許容できる範囲や最終ラインをこちらで定めてしまう方法が有効かもしれないと説明した。


 所長がしきりに関心し、副所長は熱心にメモを取っていた。


「なるほど。これで『テンポ』との取引がスムーズに行くかもしれません。まだ『テンポ』の言葉を話せる者がほとんどおらず、お互いが共通で取引のある別な国の言葉で話をしたりしているので、なかなか意思の疎通が出来ずに、対処が遅れてしまっておりました。」


 ふむふむ、それは意思の疎通が出来ない訳だよね。

これは、私のスキルが役に立つチャンスかもしれないな~。

お父様に相談してからになるけど、新たな取引先となる国の言葉が分からない場合は、まず私がスキルで通訳をすると余計なトラブルになりにくいと思うんだよね。

帰ったら、相談してみよ~っと♪異文化交流~♪♪


「こんなふうに、おたがいのぶんかやしゅうかんが、ちがうことをしらないと、あいてがなぜ、そのようなこうどうを、とるのかわからなかったり、すれちがいがおきて、おおきなトラブルになるかもしれないの。これからおこなうプロジェクトでは、かいがいのせんいんと、こじいんのこどもたちが、ちょくせつあうことになるから、じぜんにかんがえらえる、トラブルをしりたかったの。」


 異文化交流に思いを馳せてニマニマしていたのを、ギル兄様には正確に読み取られていたらしい。


「実際に会って分かったと思うが、うちのマリーナは天使なだけじゃなく、とっても賢いんだ。それに先日の洗礼式で神様から、『言語理解(人・亜人種)』というスキルも賜っているから、父の判断次第だが、新たな取引先で言葉が分からない場合などに、協力することが出来るかもしれない。」


と、ちょっとシスコンが漏れていたけど・・・援護射撃をしてくれた!


 さっすがギル兄様♪お父様に話すときも手伝ってね☆とキラキラお目々で訴えると、任せろ!とばかりに力強く頷いてくれた。(マリーナに可愛く頼られた///。兄様に任せなさい!!)


 マリーナが持つスキルの内容に驚きを隠せないながらも、何かに納得したように、


「確かに、マリーナ様は3歳とは思えない程の聡明さですな。さすがは、神様よりスキルを賜ったお方です。マリーナ様が仰る通り、実際に現場で起きて居るトラブルを知る事で、解決策を用意したり、トラブルを未然に防ぐ事が可能だと実感いたしました。喜んで、我々管理事務所は、プロジェクトへ協力致します!」


「そして、領主様の許可が頂けるようでしたら、新しい国との取引に際してはスキルのお力をお貸し頂けると、トラブルを減らす意味でも大変助かります。管理事務所からも領主様への嘆願を出させて頂きますので、マリーナ様のご都合の合う限りで構いません。ご協力いただけますと幸いです。」


 所長と副所長が、最初の懐疑的な表情とは打って変わって、目をキラキラさせて、プロジェクトへの協力を申し出てくれました。

子供達の安全にも関わることだから、引き受けてくれて良かった~。

まあ、新しい国との通訳も頼まれちゃったけどね。

でも、それは願っても無い話だし、お父様に嘆願も出してくれるらしいから、結果オーライだよね♪


「うん、おとうさまにおねがいしてみるね。」


 そう言うと、所長と副所長は「ありがとうございます。」と揃って深々と礼をした。


「さて、では取引国のリストと、トラブルの詳細については3日で一旦仕上げて、邸に届けて欲しい。急がせてすまないが、3家が我が家に滞在する日程に限りがあるので、ある程度の方向性を決めるためにも、聴ける限りの内容で構わないので頼みたい。その後で、出てきた話もある程度貯まったら報告してほしい。はっきりとしたトラブルだけじゃなく、職員が感じた些細な違和感などでも構わないので、聴き取り出来たものは報告書に記してほしい。」


 3日か~、取引国のリストだけならまだしも、通常の仕事もしながら、職員への聴き取りと報告書の作成も含めての日程としては、元社会人なので絶対に大変だと分かるけど、ギル兄様が言うように日程に限りがあるのも確かなので、ここは所長と副所長に頑張って貰いましょう!


 私も新しい国との取引の時は力になれるように、お父様へのお願い頑張らなくちゃね♪


「「承知致しました。」」


 タイトすぎる日程に、すこし引きつった表情ながらも、所長と副所長が揃って承諾の返事をくれたのでお任せしましょう。


「では、今後も宜しく頼む。」


 無事に協力も取り付けたので、次の予定に移ろうとみんなが立ち上がったところで、そういえば植物の鑑定スキル持ちさんのお仕事見られなかったな~と思い出した。

今度、お仕事見学させて貰えるように今からお願いしておこうかな♪


「しょちょうさん、ここにしょくぶつのかんていスキルもちのひとがいるのでしょ?」


「はい、おりますよ。今日は船での鑑定作業をしていて不在ですが、今度ご紹介させてください。」


「うん、たのしみだな~♪おしごとのようすも、けんがくさせてもらえたらうれしいな。」


「もちろんです。彼の仕事の中には、初めて持ち込まれた植物の鑑定があり、それらの多くは新しく取引先となった国の物が多いので、今後新たな取引先となる国の言葉の件で、マリーナ様にお手伝いいただく機会があれば、彼がご一緒する機会もあるかと思います。」


 そっか、確かに新しい国の物は未知の物もあるだろうし、一緒に仕事をする機会もあるかもしれないね。楽しみ楽しみ~♪


 こうして、所長と副所長に見送られながら、楽しい気持ちのまま管理事務所を後にした。


この話で使用した「ブラジリアンタイム」は実際に存在する話ではありますが、誇張して書いている部分もあるため、創作上の設定であるとご理解をお願い致します。


最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ