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言の葉の家へようこそ ~言語オタクが異世界を満喫する話~  作者: 菖蒲月
第一章 【幼少期編】

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23.管理事務所でお話します

 はい、港はまだまだ混乱 (天使と野獣ショック[笑])していますが、人混みをスルスルと抜けたお祖父様と移動中のマリーナでございます!


 いや~、あんなに驚くとは・・・こちらも驚きです。

お祖父様と幼女の組み合わせは何か犯罪的な要素を思い起こしてしまうのでしょうか。

まぁ、これからは港に顔を出す機会も多くなるだろうし、みんなには慣れて貰うしかありませんね。


「おじいさま。ギルにいさまたちが、どこにいるかしっている?」


「ああ、マリーナがちゃんと合流出来るように、ギルが孤児院からの移動前に従者を知らせに寄越してくれたからのう。次は港の管理事務所に向かうらしいから、ひとまず儂らもそこに向かっとるよ。」


 おお~、流石ギル兄様♪そういう段取りがちゃんとしているのよね~。

元社会人としては、それが出来ない大人もたくさん見てきているので、10歳にして完璧なギル兄様を見ると貴族の嫡男って凄いわ~と思ったんだけど・・・パオロ様を見ると、みんながみんなそうじゃないって事は理解したわ。


 まぁ、パオロ様もきっと本気を出せば出来るんだろうけど、その本気がいつ発揮されるかは本人次第だし、あんまり期待出来ないのよね。

フォローするカルロの負担が大きくならないように気をつけてあげなくちゃ!


「かんりじむしょでは、どんなことをしているの?」


「港の管理事務所は、外国から船で運ばれてきた品物が、この国に持ち込んでも良い物かどうかの検査と、書類に記載された品物と量が、実際の内容と相違ないかの確認。あとは、船から降りてこの国に入国する外国人の確認と承認の作業などがあるな。」


 ほうほう、税関と入国審査が合わさった所って考えていいのかな?

なかなか、面白そうな仕事だよね。スキルを活かす機会もありそうだし、お仕事見学させて欲しいな~♪


「あ!おとうさまがおしえてくれた、しょくぶつのかんていができる、スキルもちのひとがいるところ?」


「そうじゃそうじゃ!あやつのお陰で危険な植物が、外から持ち込まれる危険性が激減して、すごく助かっとるんじゃ。まぁ、陸路で入ってくる場合や、植物以外の危険物もあるから全ては防げんがの。」


 確かにね~、危険物は植物だけじゃないし、そういうのを密輸する人達って狡賢いから、あらゆる手段で持ち込もうとするものね。


「おじいさまもそのひとも、スキルをいかしておしごとをしているなんて、すごくすてきね♪わたしもがんばるわ!」


 孫に素敵♪と言って貰えたお祖父様が、とても嬉しそうにデレデレしているのを、周りの人達がビックリした顔をして見ているのが面白いな~。

いつものお祖父様は、恐い顔ばかりしているのかしら???



◇◇◇



 やってきました管理事務所です♪


 事務所の前で待っていてくれたギル兄様達と無事に合流し、逆にここまで一緒だったお祖父様とは、船で近海のパトロールをされるとのことで、事務所の前で別れている。


「我が天使、よく休めたかい?何だか港が騒がしかったけど、ここまで恐いことは無かった?」


 うん、安定のシスコンですね。でも、外で天使は流石に止めて欲しい・・・泣。


「ギルにいさま、しっかりやすめました。おじいさまがみなさんに、だいにんきだったの♪とくにこわいことはなかったわ!」


「それは良かった。では、管理事務所の中に入ろうか。孤児院の話は、後でちゃんと教えてあげるからね。」


 そっか、孤児院の視察と協力要請は、お昼寝の間に終わってるのか、孤児院も行ってみたかったけど、これから機会はたくさんあるだろうし、楽しみにしておこ~っと♪



◇◇◇



 管理事務所にもギル兄様が予め先触れを出していたので、子供ばかりが訪れて驚いてはいるものの、所長と副所長が出迎えてくれた。


 事務所内の応接スペースに通され、お茶が出されてところでギル兄様が話を切り出した。


「お久しぶりです。忙しい業務の合間に時間を取って貰って申し訳ない。今日一緒に来ているのは、私の弟ヴォルフは知っていると思うが、お披露目を終えたばかりの妹マリーナと、従兄妹でアイヒベルク侯爵家のエルンスト殿とフランツィスカ嬢、ムリーノ王国のフェレーリ侯爵家のパオロ殿とカルロ殿だ。」


 みんな一言ずつ挨拶をして、ギル兄様が今回の訪問の趣旨を伝える。


「この度、我が家を含めて3家での共同事業を行うことになり、3家当主の決定で我々が責任者として事業を進めることになった。こちらの管理事務所に関わる部分があるので、説明と共に協力を願いに来た。プロジェクトについて説明するので、まずは率直にどう思うかを教えて欲しい。」


 ギル兄様が資料と書類?を手渡した。


「なるほど・・・。確かに委任状にはギルベルト様に現場の全権を委任するとありますね。プロジェクトの内容についても理解致しました。ですが、我々にどのような協力をお求めなのでしょう。」


 お?委任状なんて用意してたんだ!やっぱり次期領主とは言え、10歳の子供の言うことをすんなり受け入れてくれる保証は無いよね。

お父様が用意してくれたのかな?現場が混乱しないようにって配慮もあるんだろうね。


ギル兄様は、

・孤児院にはすでにプロジェクト参加の承諾を得ていること。

・孤児院では孤児達の孤児達の言語学習と子供を預けに来る寡婦や寡夫への参加勧誘などを行うこと。

・病気や怪我で定職に就けない者達にも対象を広げる考えがあること。

・管理事務所に求めることは、

 ①現在、アンカーの港で取引がある国のリスト作成。

 ②外国の船員と話す上で、言語や習慣などの違いで困った事は無かったかを調べたい。

 出来れば、一般の職員全員からの意見が欲しいので、時間を取って貰えるのであれば、

 こちらで面談したいが、業務の都合などで難しい場合は、そちらで聴取した内容をまとめて欲しい

ということを説明した。


「如何だろうか。」


 所長と副所長は互いに目を合わせて、難しい顔をしている。

ん~、あまり感触は良くないね。現場で働いている人の実体験や意見は是非とも聞きたい所なんだけど、断られちゃうかな~?


「お話は分かりました。取引国の情報は領主様からの委任状があるので、お出しすることは可能です。ですが、職員全員との面談は業務の都合上、難しいと思います。こちらで個々に聞いた内容をまとめることは出来ますが、それはどの程度の話なのでしょうか。」


 あ~、なるほど。そこが気になったのか。

確かに、程度が分からないと、まとめようが無いよね。


「全部だ。どんなにくだらないと思うような内容でも、外国の船員が相手で起こった困り事は全て記載して欲しい。そうだな・・・マリーナ、何か例はあるかい?」


 ギル兄様がいきなり話を振ってきたのでちょっとビックリしたけど、それ以上に所長と副所長が一番年下の私に意見が求められた事にビックリしてるね[笑]

あ、所長達だけじゃなくて、こっち側のはずのエル従兄様やフラン従姉様、パオロ様にカルロまでビックリしてる!


 そりゃそうか、普通は3歳児に意見は求めないだろうからね。

でも、ギル兄様とヴォルフ兄様は当たり前な顔をしてるんだよ。


 まあ、私の知識欲が爆発して、言葉が話せるようになってすぐから、目についたありとあらゆる人に、色々と質問しまくって、あっと言う間にメーア王国語の読み書きをマスターしちゃったからね~。

前世での経験があるから、効率的な言語学習の仕方が分かるんだから、もちろんやっちゃうよね♪


 更に、読み書きが出来るようになった私は、聞いた話の中で気になったことを、図書室で調べまくっていたのを、バイエルン家の者は知っているからね~。

洗礼式で言語関係のスキルを貰った時も、驚きはしたけどみんな納得しか無かったみたいだしね。


「そうね。たとえば、やくそくをしていたあいてが、りゆうもなくじかんにおくれてきたのに、まったくあわてるようすもなかったり、しなものがとりきめどおりにとどかなかったり、というようなトラブルが、とくていのくにのひと、とのあいだになかった?」


 そういうと、所長と副所長はハッとした表情をして、何故分かるのかという表情でこちらを見た。


 うふふ~、ビンゴ♪心当たりがあるみたいね。

ではでは、詳しくお話を聞いてみましょうか♪


最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

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