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言の葉の家へようこそ ~言語オタクが異世界を満喫する話~  作者: 菖蒲月
第一章 【幼少期編】

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22.お祖父様は攫っても拾ってもいません。 前半 Sideパオロ

主人公の自国語は「」、は外国語は<>で表記しています。


主人公が幼いことを表現するために、主人公の発言を全て「ひらがな」で表記しています。長い台詞などは読みづらいことを考慮し、本来は区切らない部分にも句読点をいれて細かく文章を区切っています。主人公が成長するまで、どうかお付き合い下さいませ。

 院長に見送られて、孤児院を後にした僕たちは、港への視察へと向かっていた。


 行きと同じように2台の馬車に分かれて乗り込んでいる。

こちらの馬車には、年長組としてギルベルトとエル従兄、そしてパオロが乗り、もう一つの馬車には、年少組のヴォルフ、フラン、カルロが乗っている。



【年長組の馬車内 Side パオロ】


「バイエルン領の孤児院での話し合いは、思ったよりスムーズに行ったと思うけど、二人が自領で行う場合と比べてどう思った?」


 馬車が港に向かって走り出したところで、ギルが聞いてきた。


「う~ん、正直フェレーリ侯爵領の孤児院はもう少し難しいかもしれないなぁ。自分の名前くらいは書けるように教えているみたいだけど、他は数がある程度数えられるくらいで、計算までは教えてなかったはずだよ。それも、母上とカルロが慈善事業として支援している話を聞いたくらいで、僕自身は孤児院と直接関わったことがないから正確な情報じゃないかもしれないけどね。」


 そうなんだよね~。母上とカルロがフェレーリ侯爵家の慈善事業として、孤児院や病院を視察したり、支援したりしているのは知っていて、一緒に行こうと誘われては居たんだけど、あんまり子供の相手は得意じゃないから、ついつい母上とカルロに任せちゃってたんだよね・・・。


 一度聞いた話は忘れないから、支援している孤児院や病院について母上やカルロが話していた内容はちゃんと覚えているんだけど、あとは書類上のことしか分からないって言うのはマズイよね。

フェレーリ領に戻ったら、もう一度資料を確認して、自分で視察した上で孤児院を選定しないとね。


 でも、カルロに聞けばある程度の院長の人柄や、孤児院の雰囲気が分かりそうなのは良かったよ♪

母上のような大人の目があるところでは、取り繕っていても子供のカルロの前では、思わぬボロを出すこともあるし、カルロはそういう事も理解して見極めているからね。


 我が弟は、何でも出来る器用なタイプでは無いけど、真面目で努力家で、だけど臨機応変に対応が出来る柔軟さもちゃんと持ち合わせている出来た弟なんだ♪

僕が簡単に何でも出来ちゃう分、人の気持ちが分からずに無神経になっちゃう時も、さりげなくフォローしてくれる頼もしい弟なんだよ!


 あ、れ??これだけ聞いているとどちらが兄か分からないような・・・?

う、うん・・・気のせいだよね。僕はカルロのお兄ちゃんだもの!


「アイヒベルク侯爵領の孤児院は、先ほどの孤児院と大差無い水準だと思うよ。元々、レーナ叔母様が結婚前のアイヒベルク侯爵令嬢時代に、慈善事業の一環として孤児院の子供達の教育の見直しをした結果だから、こちらの孤児院と同等の水準なのは当たり前なんだよね。」


 そっか、エル兄のところもギルの母君が関わって、ここと変わらない水準があるのか。

それならうちが少し出遅れる可能性があるかな・・・。


「なるほど。確かにエル従兄のところは、学習の基礎があって、フランがしっかり孤児院に関わっているだろうから、プロジェクトへの誘致もスムーズに行きそうだね。パオロのところは、学習の基礎から作る必要があるかもしれないね。そのパターンも今後プロジェクトを拡大していく過程で必要になるはずだから、モデルケースとして活かせるだろうし、頑張ってもらうよ。」


「おっけ~。ちょっと大変そうだけど、頑張ってみるよ~。」


「うん、カルロにもちゃんと頼んでおくよ。」


「そうだね。カルロに頼んでおけば大きな問題は起こらないだろう。」


「いやいや、そこは僕に期待するところでしょ!なんで皆してカルロに頼るのさ!僕だって本気を出せば出来るのに!!」


 と、プリプリ怒っているパオロに、何か素直に信用できないんだよねとギルベルトとエルンストが目を合わせて苦笑いしていた。


 パオロは天才肌なので、適当にやっても大抵のことは簡単に出来てしまうので、何事にもあまり真剣に取り組まない性質を持っている。

本気でやれば何でも器用に熟すことは分かっているが、ついつい真面目なカルロに期待してしまうのは仕方ないと、パオロの両親も含めて皆が持っている共通の認識だったりするのだ。

知らぬは本人ばかりなり。



◇◇◇



 はい、またまたお昼寝からスッキリお目覚めのマリーナでございます。


 あれから1時間ほど経っているようで、起きてからすぐに専属侍女のメアリーが外出用のお着替えをしてくれて、その間に部屋付のメイドが父様に知らせに行ってくれた。


 メアリーに連れられて、エントランスホールに降りていくと、父様と母様、ヴェルナーお祖父様が待っていた。


「よく眠れたかい、マリーナ。ギル達は孤児院での話し合いを終えて、港へ向かっているらしいから、そちらで合流できるようにお祖父様に連れて行って貰いなさい。」


「はい、たくさんねたのでげんきです!おじいさまといっしょに、ギルにいさまたちのところにいってきます。おじいさま、よろしくおねがいします!」


 お祖父様はとっても強いから、護衛代わりでもあるんだろうな~。

それに港と言えば、お祖父様のテリトリーだから安心だしね♪


「おお、任せなさい!マリーナと一緒のお出掛け、楽しみじゃの~♪」


「父さん、ちゃんとうちの天使を守って下さいよ!いつものように一人で暴走して、マリーナとはぐれる何てことにならないように気をつけて下さいね!!」


「分かっておるわ!!儂を何だと思っておるんじゃ!」


 うん、まぁ・・・興味が惹かれると、そちらに一直線に向かってしまう事が多いお祖父様だからね~。

お父様の心配も仕方ないと思うのよね。

それでも、お祖父様の実力が疑う余地が無いので、そう言った意味では絶大な信頼を持ってるのよね。


 お互いに分かっていて、信頼もしているけど、毎回繰り返しちゃうお約束の遣り取りみたいな感じかな?

その証拠にお母様が「あらあら」って感じに微笑ましそうに見守っているもの。


「さぁ、マリーナもお義父様も、今出れば港でギル達に合流出来るはずよ。遅くならないうちに行ってらっしゃい。」


「はい、おかあさま、おとうさま、いってまいります♪」


「マリーナのことは任せなさい。行ってくる!」


 お祖父様と馬車に乗り込み港へと向かった。



◇◇◇



 やってきました我が国唯一の貿易港である領都アンカーの港。


 わぁ~、自分の部屋のバルコニーからも港は一望出来るけど、こんなに近くでたくさんの船を見るのは前世も含めて初めての経験で、興奮が止まりません♪


「おじいさま、みんなのあたまのうえから、ふねがたくさんみえるわ!どこからきたのかな?どこへいくのかな?かんがえるだけでたのしくなるね♪」


 馬車を降りて、ギル兄様達と合流すべく歩こうと思ったのですが、人が多く、小さな私が足下をチョロチョロするのは危ないということで、お祖父様に抱えられての移動となっております。


お祖父様は他の方より身体も大きいので、お祖父様の片腕に座る形で移動している私の目線も、みんなの頭より高くなって、たくさん人がいるのにとっても見晴らしが良い♪


「ワハハ。儂はいつも船に乗っとるからなれてしまったが、マリーナは近くで船を見るのは初めてだったな。ギルやヴォルフは初めて船を見たときは船自体に興味津々じゃったが、マリーナは沢山の船が何処から来て、何処へ行くのか気になるなんて流石の知識欲じゃな。」


 そりゃ~、前世は大手商社で外資系の企業や海外の取引先と、輸出入の遣り取りをしていましたから、

ついつい気になっちゃいますよね~。


「だって、かみさまにスキルをもらったし、たくさんがいこくのかたと、はなしがしたいのだもの。」


「そうだったな。マリーナはとても素晴らしいスキルを神様に賜ったんから、これからきっとたくさんの人との架け橋になるんだろうな。(良からぬ考えで近づいてくる者も居るだろうが、儂ら家族が絶対に守るぞ!)」


 最後の方は、何やら真剣な表情で何か呟いていたが、聞き取れなかった。

きっと、スキルを持っていることで起こるトラブルについては、家族の誰よりもスキル持ちであるお祖父様がご存じだと思うから、何か危惧があるのかもしれないね。


 それでも、今に限って言えば、お祖父様が護衛代わりに一緒に居る時点で、その心配は限りなくゼロに近い。


 お祖父様は身体強化のスキル持ちだが、スキルを使いこなすために、しっかりと身体を鍛えていて、いつも船で海賊と戦ったりもしているので、大きくて傷だらけの身体をしていて、一見すると海賊の頭領の様な風貌なのです。

でも、お父様の父親だけあって、顔立ちは整っているのですよ!迫力満点なだけで!!


 前領主であり、今でも海賊やならず者達と最前線で戦うお祖父様は、アンカーの港での英雄なのです。

そんなお祖父様と一緒に居る私にちょっかいを出してくる無謀な人は居ませんよね。


 でも、敵にしたら恐いお祖父様も、身内には心を砕いてくれることをみんな分かっているので、気軽に声を掛けてくる者も多い。


 いまだって、私を片腕に抱えながら歩いていると、「(かしら)、天使を攫って来たんですかい?」「(かしら)、元いた場所にソッと戻して来て下さい。」など、気安く?声が掛かっている。


 てか、「(かしら)」って・・・まんま海賊の頭領みたい。

しかも攫ったとか、ソッと戻してこいとか、面白すぎる///


「バカもーーーん!!!マリーナは儂の末の孫じゃ!攫っても拾ってもおらんわ!!」


「おじいさまのまごの、マリーナです♪」

お祖父様の腕の上からだけど、にっこりご挨拶すると


「「「「「「「 えぇーーーーー!!! 」」」」」」」


 アンカーの港に男達の野太い絶叫が轟いた。


最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

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