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言の葉の家へようこそ ~言語オタクが異世界を満喫する話~  作者: 菖蒲月
第一章 【幼少期編】

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16.フラン従姉様はまさか・・・!?

 フラン従姉様の挨拶の後、一同が凍り付いてしまっております・・・どうしたものか。


 いち早く氷が溶けたのはエル従兄様でしたが、それでもフラン従姉様の発言内容のせいか顔色が悪く見えます。


「フラン!どうしてそんな言い方をするんだ。ヴォルフは確かに勉強はあまり好きでは無いけど、ちゃんと必要な内容は熟した上で身体を動かしているんだ。得手不得手があることはもちろんだけど、ちゃんとやっている人間にバカっぽいなんて失礼だよ!マリーナに対しても、君の方が7歳も年上なのに、初対面の3歳の従妹にどうして優しく言葉を掛けてあげられないんだい。ギル、ヴォルフ、マリーナ、妹が失礼な事を言ってしまって申し訳ない。」


 そう言って、エル従兄様だけじゃなくクリス伯父様やヘレーネ伯母様も私たちに頭を下げていますが、私はフラン従姉様の表情の変化をジッとみていました。


 フラン従姉様はご自身の発言の後、「またやってしまった!」というような表情をしたのだけど、妹(娘・孫)が失礼な発言をしてしまった!と焦ったアイヒベルク侯爵家の皆さんは気付かなかった様子。


 そのまま、エル従兄様がフラン従姉様にお叱りを向けたので、今は俯いてしまって表情は分からなくなってしまったが・・・これはもしかすると・・・アレでは?


 うん、ちょっと確認してみようかな♪



「みなさま、だいじょうぶですよ。わたくしもおにいさまたちも、まったくおこってません!それより、フランねえさまに、すこしおききしたいのですが、バイエルンりょうは、どういうばしょだとおかんがえですか?」


 更に叱られると思っていたのか、思わぬ質問が飛んできてフラン従姉が呆気に取られた様子のまま質問に答えてくれました。


「バイエルン領は、王都から遠い場所にも関わらず、メーア王国で唯一の貿易港を有する重要な領地よ。国王陛下からの期待も信頼も篤い分、バイエルン家や所縁の家門には、周りからの羨望や嫉妬の視線が常に向けられ、少しの失敗でも蹴落とす材料とされてしまうでしょうね。」


 その答えに、ギル兄様やヴォルフ兄様だけではなく、伯父様夫妻やお祖父様達もが驚いた表情をした。


「フランねえさま、ありがとうございます!」

「!・・・ええ、このくらい問題無くてよ。」


 お礼を言うと、ビックリした顔の後、素っ気なく顔をそらしてしまったが、耳の上の方が少し赤くなっているのに気付いて、うん、やっぱりフラン従姉様はアレだな。


 さて、もう一押し確認するとしたら・・・



「ヘレーネおばさま、フランねえさまはおちゃかいには、さんかされていますか?」


「ええ、貴族の子は同年代の子供を把握するため、10歳になったらまずは男女ともに子供向けのお茶会に参加し始めますからね。フランも10歳になってから、何度か子供向けのお茶会に参加しているわ。」


「では、そのおちゃかいのときに、トラブルはありませんでしたか。」


「まぁ、よくお分かりね。実は他家のご令嬢のドレスについてキツい物言いをしてしまったり、ある令息の話す内容が不愉快だと発言して、場を白けさせてしまったりということがあったようなの。」


 心底困ったというような様子で頬に片手を当ててため息をついているヘレーネ伯母様と、居たたまれないという様子で話を聞いている伯父様達を観察しつつ、フラン従姉様に目をやれば、凄く悔しそうな悲しそうな表情をしているのが目に入った。


 うん、フラン従姉様の表情からして、発言には何か原因がありそうだね~。

でもこれは、ちょっとマズイ状況かも。

楽しい女子会の為だ!一肌脱ぎますか!!



「フランねえさまは、ツンデレさんなのですね!」

「「「「「「「ツンデレ!?」」」」」」」


 私の発言に、伯父様達だけじゃなくフラン従姉様本人もビックリした顔をしている。


「マリーナ、ツンデレってなんだい?」


 ギル兄様が不思議そうな顔で聞いてきたので、小さな胸を張ってどや顔のまま答える。


「ツンデレさんは、とってもテレやさんなのです!テレかくしでツンツンと、そっけないいいかたをしてしまったり、つよいことばをいってしまうのです。でも、あいてをきずつけたくて、いっているわけではないので、そっけなくしたあとで、おちこんでしまったりするのです。でも、ほめられると【ツン】としたたいどをしつつも、うれしさやほんらいのやさしさ【デレ】がにじみでるのです!こういったせいかくのかたを、ツンデレとよぶのです!!!」



 ちょっとツンデレの解説に力が入りすぎてしまったかしら・・・みなさん、困惑顔をしています。

あれ?伝わってないのかな?


「ツンデレの解釈は何となく分かったけど、フランに当てはまるかなぁ?」


 エル従兄様が困惑顔のまま、首を捻っているが、その意見には他のみなさんも同意のようだ。



「もちろんです!ふらんねえさまは、さきほどのしつもんへの、おこたえでもわかりますが、ごじぶんのたちばをよくわかっていて、アイヒベルクこうしゃくけや、バイエルンはくしゃくけの、ふりえきにならないようにふるまおうと、たくさんどりょくされたけっか、りっぱなしゅくじょになりましたが、ごじぶんのきもちを、すなおにだすほうほうが、わからなくなってしまったのだとおもいます。」


 みなさんがハッとした表情をして、フラン従姉様をみる。

そして何かに気付いたのか、クリス伯父様とヘレーネ伯母様が


「確かに、フランがツンとした態度や言動をするようになったのは、淑女教育が進んでいく過程と重なるかもしれない。」


「そうね、確かにそうだわ。以前はもっと素直に、可愛い我が儘を言う子だったもの。」


「ちょっ・・・お母様///!!」


 ヘレーネ伯母様の発言に、フラン従姉様が慌てて止めに入るが、残念聞いてしまいました~。

にやにやとしつつ、後でもっと詳しく聞いて見よ~と考える。


 さて、ここでもう少しフラン従姉様への理解をみなさまに深めて貰う事にしましょうか!



「ちなみに、さきほどのフランねえさまの、はつげんをかいせつしますと・・・


『ギル、ヴォルフお久しぶりね。バイエルン領は遠すぎるわ。わざわざ来てあげたんだから感謝してよね。【バイエルン領は遠くてなかなか会えないから、久しぶりに会えて嬉しいわ。】ヴォルフは相変わらず身体を動かすことしか考えてないのは、バカっぽいからエル兄様やギルを見習ってちゃんと勉強もしなさいな。【ヴォルフはもっとバイエルン家としての自覚をもって、エル兄様やギルのように振る舞えないとバカにされるのはあなたなのだから気をつけなさい。】マリーナは初めまして。フラン従姉様と呼ぶ事を許すわ。パーティーはまぁまぁだったわね。次は私の誕生日パーティーに呼んであげても良いわ。参考にしてお勉強なさいな。【パーティーは素晴らしかったわ。今度は私の誕生日パーティーに招待するから、中央で主流のパーティーについて参考にしてごらんなさい。】』


と、こうなります。ぜんぜんちがうでしょう?これがツンデレさんのとくちょうなのです!そのままことばのどおりにうけとめず、いちどことばをゆっくりかみくだいてみると、ちがうあじわいにかわるはずです。」


 この解釈で概ね間違って無いはずと、フラン従姉様を見てみると、顔を真っ赤にしてぷるぷる震えていた。

他のみなさんも、私の解釈を聞いたフラン従姉様の様子から、間違っていないことを理解したようだ。



「なんだ、そういうことならちゃんとそう言えよ!俺だってバイエルン家の一員だ。俺の行動で家族や領民に迷惑を掛けることは望んじゃいないさ。勉強もバイエルン家として恥ずかしくない程度には頑張るけど、兄貴の方が頭も良いし、家のことは兄貴に任せておけば何の心配もない。それなら俺は爺さんの跡を継いで、我が国で唯一の海の玄関口であるバイエルン領の安全を守れるように力を付けるんだ!でも、心配してくれてありがとな、フランツィスカ。」


 ヴォルフ兄様がお祖父様の跡を継ぐという強い意思で身体を鍛えていることは、家族の皆が理解していて、勉強が苦手と言いつつも、お祖父様の背中を見て育ったヴォルフ兄様は、知識が無ければ大切な者を守れない事もちゃんと理解している。


 だからこそ、普段はやんちゃばかりしている様に見えても、ちゃんと自分の立ち位置をしっかり見定めて行動が出来るヴォルフ兄様を、家族も心強く思うと共に暖かく見守っているのだ。


 普段はやんちゃな面が前に出やすいけど、ヴォルフ兄様はやるときはやる男なのですよ♪


「べ、別に、分かってるのなら良いのよ///」


 うふふ~、フラン従姉様ったら、真っ赤になっちゃって可愛いわ~♪


 ヴォルフ兄様はいつまでも根に持つタイプではないし、フラン従姉様が素直に言葉に出来ないだけだとわかれば、アッサリと受け入れてお礼まで言えちゃう超素直タイプだからね~。


 ツンデレのフラン従姉様との組み合わせは、面白い化学反応が期待出来そうだなぁ♪


 お!他の皆も何だか生温かい目で見てるって事は、色々と察してくれてそうだね。

今後はもっと、ツンデレへの理解が深まるだろうし、フラン従姉様も理解されない辛さから少しでも解放されるといいな。


 家族にも理解して貰えないのは悲しすぎるもんね。


すみません、ツンデレに熱が入りすぎて、もう一話だけお付き合いくださいませ。(o_ _)o


最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

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