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元おじいちゃんが行く、異世界産業改革  作者: 新宿 富久
第一章 島での生活
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家完成

俺は木組み工法を使って家を建てようとするのだが、肝心の形が決まっておらずどうしようか悩んだ。襖や障子を作りたいのだが、紙が無くガラスも無い。そのため窓や玄関にする用の戸はとりあえず簡易的な木板だけの戸を作り、日中は開けっ放しにし、夜になったら全て閉じる形にしようと思っている。全て閉じてしまうとかなり暗くなるだろうが、いずれは改善させる予定である。


屋根は切妻屋根に決定した。入母屋造りでもいいのだが、雪が降るかどうかもわからず、さらに建築に関しての技術があるわけではないため、少しでも構造を単純にし効率化と耐久性を上げたいからだ。


「よし、柱と壁、屋根や戸などの木材は終わったぞ、後は組み立てるだけだがここからが一番大変だな…」


まずは土台から作り、柱を建て、梁を組んで屋根を作る。そのあとは壁を作り、玄関の戸や窓や縁側用の戸袋を組み付ければある程度の完成だ。これらの作業が終わったのが、陽が完全に沈んだ時だった。


「まだ畳とかは無いが、雨風を凌ぐには充分なくらいだな」


俺は早速台所へと行き、料理を始めた。まだ石の鍋や石の包丁などしか作れていないが、しばらく不自由な生活をするということにはならないが、やはり鉄器が欲しいところである。しかし、家が大きくなってしまったと俺は思った。


広間に居間、トイレや浴室、適当に用意した和室が7部屋。


「物置の場所も作ったとはいえ、一人じゃ広すぎたな…」


「だが俺が子供の頃に住んでいた家そっくりだからな、今後はこのままでいいだろう」


「明日は畑を作らないとだな、近くの川から先に水を持ってきて、そのあとに耕すか」


幸いこの土地は農業に向いている良質な土地で、少し耕せばそれなりの野菜が育つだろう。出来れば田んぼも欲しいが、米が見つかるまで作らないことにした。種は後で考えることにしよう。俺がそんなことを考えながら料理をしていると、器用に戸を開けて入ってきたハクがいた。


「おぉおかえりハク、飯はもう少し待っててな、今日はあまり相手できなくて悪かったな」


「しばらくはこういう生活が続くが大丈夫か?」


すると元気にワンと返事をした。本当に人の言葉がわかっているのかまだ疑問が残るが、言ったことは全て守ってくれるので、賢く可愛い狼なことには違いないため、やっぱり人の言葉がわかるんだなと思った。


シカ肉と山菜の炒めを作り、山菜スープを作ったがやはり主食の米が恋しい。せめて小麦でもあればいんだがとは思ったが、今後ゆっくりこの地を探索するしかないなと思った。とりあえず今日は寝て、明日は畑を耕して、次の日は海に戻り魚を釣ろうと決めた。


翌朝、ハクと共に朝食を食べ、ハクに見守られながら早速畑開墾作業へと取り掛かった。とりあえず畑を広くとることにしたため、周辺の雑草を刈り取り、枝なんかもあるためそれを風魔法で集め、かまどの燃料にしてしまおうと思う。


「よし、おおよその土地ができたな、んじゃ川の上流に行くか」


「…さて、上流に来たはいいが、鍬で行けるかな?」


とりあえず水路を作るイメージで掘ってみると一気に水路のような形が出来上がり、深さも横幅も十分なぐらいだった。それに驚いたが、これなら作業がかなり楽になるぞと思った。それに昨日家を作ったが全くと言ってもいいほど疲れてはいなかった。恐らく末永く健康でいられるようにしてくれたイザナミ様のおかげなのだろうと思う。


「あの方には感謝で一杯だな…いつかイザナミ様のお社を建てたいところだな」


そう思いながら水路を作っていると家の近くまでたどり着いた。そこからさらに枝分かれをさせ、田んぼ用の土地まで広げ、また合流させ下流へ繋げる。ここまでやったら上流へと行き水を開通させるた。すると水が流れ出し、水路の奥へと流れた。それを追いかけるハクが楽しそうだった。


「さてと、んじゃ耕しますかねっと」


そう言って鍬を一振りするとそれだけである程度畑ができてしまった。これも加護の一つか…しかしどうにもイザナミ様の加護だけではない気がするのは気のせいだろうか…確かイザナミ様は安産や子宝の神様だったような…農業の神は確か瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)だったような気がするんだが、まぁいいか。

俺は気にしないことにし、そのまま畑作業をしているとかなり見栄えの良い畑が出来上がった。


「よしあとは水魔法で水を出し、細かい粒にして上から降らせれば…よし!いい感じに湿ったな」


しかし昼か…思ったより時間は経っていないんだな。んじゃついでに井戸も作り、釣り道具や練り餌でも作って明日の釣りに備えるとするか。

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