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元おじいちゃんが行く、異世界産業改革  作者: 新宿 富久
第一章 島での生活
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平原の丘

翌朝、俺とハクは昨日見つけた平原へと向かった。道中でまた木の実などの食料になりそうな物を調達していた。すると服の素材になりそうな麻と綿花まで見つかった。麻と綿花があればそれなりの服は作れるだろうが、冬を乗り越えるにはウールも必要になるだろうからそれもいずれ見つけたい。他にも藍や茜、ヨモギなどの染料になりそうな草花も集め、海岸では貝殻や海藻などのごみとして扱われるものを拾った。


ハクも協力してデビルボアというイノシシのような魔物とホーンラビット、フォレストディアーと呼ばれる草食だが凶暴なシカを狩ってきてくれていた。最初は迷子にならないか心配だったが、これが狼の嗅覚の凄さなのか必ず俺の元に帰ってくるためそんな心配をする必要は全くなかった。


そんなこんなで俺は平原にたどり着いた。あの時はじっくり見れなかったが、平原の向こうには小高い丘もあり、そこに家を建てることができれば景色もよく万が一川が氾濫してものみ込まれることはないだろうと踏んだからだ。

ひと先ず俺は丘まで行くとその場所は他より高く、スイスのアルプスが出てくる物語のような美しい景色だった。それに本流と比べると小さい川だが、農業をするには全く困らない程度の川だった。ならば俺はこれからもこの地で死ぬまで生活しよう、そう思った。


「さて、家をどうにかしないとだな…だが釘は無いから日本の伝統工法の木組み工法を使うか」


そうと決まれば木を伐採しなとだなと思い、木材の種類はヒノキとスギに絞り俺はヒノキとスギの種を回収した後、ウィンドカッターという魔法を使い次々と伐採し、切り株も取り除くと回収をした。切り株は家具や燃料などに使おうかと思っている。


「しかし…必要以上に伐採しすぎてしまったな…、とりあえず種を出来る限り等間隔で少しずつ位置をずらしながら植えるか」


できる限り元々木が生えていた場所へと種を植えた。元の大きさへと成長するまでは途方もない時間がかかるが、いずれ元に戻ってくれることを願うしかない。願うことしかできないのが心苦しくもあるが、これ以上はどうすることもできない。


「もっと気を付けてやる必要がありそうだな…、とりあえずまだ陽は高いから家づくりにでもとりかかるか」


「……さて、建築場所に着いたはいいがどうやって木を加工しようか」


「とりあえず鍬で表面を削れないか試してみるか」


鍬の接合部あたりを持ち、丸太の表面に当て後ろに動かすと見事に削れた。しかも木くずは細かくなく(かんな)で木を削ったかのような鉋屑(かんなくず)ができた。


「なるほど、これが器用貧乏か…よし!今日一日は家づくりに専念するか!」


そうと決まればやるしかない!と思い、家づくりに励んだ。本来であれば不可能で無謀な事なんだろうが、なぜかこの時はできると思い込んでいた。実際にはその通りだったのだが。

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