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元おじいちゃんが行く、異世界産業改革  作者: 新宿 富久
第一章 島での生活
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魔法

まずい、遊びすぎた…そう呟くとハクと二人で反省をした。時間も夕方に近く、そろそろ獲物をまた狩に行こうかと思い金槌を持った。するとハクが軽く吠えた。


「どうした?一緒に行くか?」


すると元気よくワンと言い、ハクが森の中へと飛び込んだ。一緒に行くわけではないのかと少し寂しかったが、きっと帰ってくるだろうとそう期待を込めて俺も森の中へと入った。先ほどウサギを狩った木の実や山菜が多くある場所へと俺は向かった。また何か別な獲物が居るのではないかと思ったからだ。


「……こりゃ来ないな」


そこまで時間が経っていないということもあるが、動物が来そうな気配は無かった。ひと先ずは諦めて山菜や木の実をとることにした。明日からはあの平原で暮らすか、その場合は簡易的にでも寝床を作らないとだなと、今後の生活について考えながら作業をしていた。持ちきれないほどの山菜と木の実を採ったら俺は拠点に戻った。


「え?ハク…凄いな…」


森からでて拠点の方を見るとハクがウサギを2羽狩っていた。俺が帰ってくるのを待つかのようにそこに居座っていた。そして俺を見つけると猛ダッシュで走ってきた。ハクをとにかく褒めてあげると嬉しそうに尻尾を振っていた。


とりあえずウサギを食べられるよう、内臓処理や血抜きをすることにした。恐らくこれで多少はマシになるだろう。しかし料理するのはいいが、火をどうしようか…それに肉も腐らせたくないし…そう思い何か方法は無いかと考えたがあまり良いと思えるアイデアが浮かばず、やけくそでステータスを開いてみた。


「そういえばこの全魔法って何なんだろうな」


「…まさか…な」


気になった俺は火の魔法を出すことができるかどうか試してみた。だがファイアとか、フレイムとか叫んでも何も出なかった。


「もしや何かイメージが必要なのか?」


俺は炎がメラメラ燃えるようなイメージを思い浮かべ、さらにそれを手のひらへと出すようにイメージをしたするとボワッと火が手のひらの上で浮かびながら燃えていた。


「お、大成功だぞ!」


と喜んでいると火が物凄い勢いで天へと昇った。それに俺は大慌てしていたが、抑え込むようなイメージでやったがだめだった。するとハクが白色のオーラのようなものを出し、それをゆっくり消していた。もしやと思い、魔力のようなものを思い浮かべそれが全身からゆっくり抜けていくようなものをイメージした。すると火が弱まった。


「これは練習が必要だな…」


そう苦笑しハクにありがとうと伝えた。しかし初めて魔法を目にしたが、これがあれば何でもできるのではと思った。かの有名な魔法学校の作品や若者が好むアニメやゲーム、漫画や小説を見てきた俺にとってはこの世界は天国やもしれぬ。そう思うと年甲斐もなく胸を躍らせた。


「もしかしたらいわゆる収納魔法も使えるのかもしれんな」


そう思った俺は目を瞑り、暗闇の中に大きな棚や引き出しなどを思い浮かべそこの中に採ったものや獲物を入れるイメージをした。これでいいのかなと不安になったが、目を開けてみると目の前には先ほどあったはずの物がすべて消えていた。


「せ、成功してしまった…しかし取り出すときはどうすれば…」


ゲームによくあるインベントリをイメージすると、ステータス画面のような物と似た感じで出てきた。そこには先ほど採った山菜や木の実などが表示されていた。俺が変わった動物だと思ったのはホーンラビットと呼ばれる魔物だった。


インベントリ機能には物を簡単に取り出したり取り込むことも可能だった。それに加え鑑定と呼ばれる機能もあり、特定のアイテムを選択すると説明が右側に表示されるようになっている。


「なんて便利な魔法だ…」


俺はまたイザナミ様に感謝をし、料理を作り始めた。ハクには周囲の警戒をしてもらっている。しかし肉を切ろうにも切る方法が見当たらず、鎌を使って切れるか試してみた。断面はそこまで綺麗ではないが包丁無しと考えると上出来だろう。

作ったものは肉串と山菜炒めで、ハクのは食べやすいように肉を少し切ったあげた。毛皮は服などに使おうと思っている。


明日は拠点を移動させないとな、そう考えながら俺はハクと共に洞窟の中で寝ることにした。

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