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元おじいちゃんが行く、異世界産業改革  作者: 新宿 富久
第一章 島での生活
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狼の名

狼を拠点に待機させ俺は森へと行き何かないかと探した。すると木の実が実っていたり、山菜があったりなどがあった。だがどれも俺は食べられるが狼は食べれそうになかった。


「さすがに木の実や山菜は食わないだろうしなぁ、とにかくウサギやイノシシでもいいから欲しいところだな」


あまり森の奥深くへと入らないように注意して進んでいると、どこかか水の流れる音が聞こえた。どこかに川でもあるのだろうかと思い、音のする方へ行ってみた。すると森を抜け広大な平原と川があり、その奥には山があった。山があるということは鉱物が見つかる可能性も少しはあると踏み、洞窟から移住するときはここに住もうと決めた。


「しかし肝心の獲物が居ないな、こういう平原なら居そうなものだが」


「ふむ…もう一度森に入ってもいいんだが、どうしようか」


俺は悩んだが、やはり森に戻ることにした。平原よりは餌が豊富だろうし、川はあったが魚を食べれるかわからないしそもそも獲れるのかどうかも不明なため一旦は戻ることにした。とりあえずバッグも無いためあまり食料を持ち運ぶことができず、一旦戻ることにした。


その帰り道、前世では見たことの無い動物を見つけた。その動物は見た目はウサギだが頭に角があり、どこか凶暴そうな見た目だった。恐らく魔物と言われる奴だろうと思い、俺はバレないようそっと動き、目で獲物を捉えると金槌をブーメランのように飛ばした。すると見事にウサギの脳天に直撃し貫通した。血が噴き出たのを見ると少しゾッとしたが、これも生き延びるためとぐっとこらえた。


「申し訳ない、ありがたく頂きます」


そう心の中で言い俺はウサギを回収した。あまり収穫は無かったが、とりあえず今日の夕飯は決まった。拠点に戻ると俺の匂いに反応したのか、獲物の匂いかわからないが狼がずっとこちらを見ていた。俺の姿を見ると嬉しそうに舌を出しながら俺の顔を見ていた。というより肩のウサギを見ていたような気もする。


仕方ないなと思い、俺は狩ったウサギを狼に渡した。すると本当にいいの?とでも言いたげな顔でこちらを見ていた。俺のことなんか気にするな食べろ、腹が減っているんだろう?というとウサギを食べ始めた。ガツガツ行くのかと思っていたが、散らかさないよう丁寧にゆっくり食べていた。


「お前…行儀いいな…」


その姿に驚きそれと同時にお前呼びもやめた方がいいなと思いつつ、俺は狼の名前を考えることにした。


洞窟だと暗くてわからなかったが、毛の色は白色で美しく、全身がふわふわしていた。ふわふわしていたといっても、ペットのようなふわふわでは無く、野生動物にしては綺麗な見た目だなと思った。しかし名前はどうするか…


「お前の名前は…ハクでいいか?」


狼が食べ終わった頃合いを見計らってそう言うと嬉しそうにキャンキャンと鳴いた。安直な名前だったような気もするんだが…まぁ喜んでくれてるならそれでいいかと思った。俺はハクの傍へと寄り頭をなでてあげた。


「よろしくなハク」


そう言うとハクは嬉しそうに俺の体に頬ずりした。その甘える姿がたまらなく可愛くずっと撫で続けていた。するとハクはだんだん立ち上がった。俺はだめだだめだと思いハクを落ち着かせようとしたが先ほどよりもしっかり立てていた。


「ハク、ケガは?」


俺が聞くと包帯代わりに使っていた布を器用に口で引っ張った。すると傷跡はあるが血は出ていなかった。それに驚いていると、ハクが飛び掛かり俺の顔を舐め始めた。


「お前はしょうがない奴だな、ここがいいのか?」


また頭や体を撫でてあげるとさらに嬉しそうに甘え、この戯れは互いが満足するまで続いた。ハクと遊んだりしていると、そのころにはあと少しで夕方になりそうだった。

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