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元おじいちゃんが行く、異世界産業改革  作者: 新宿 富久
第一章 島での生活
26/45

翌日、俺は昨日作ったエンジンをもう一つ作り、それを発電機として使おうと朝から作業をしていた。エンジンの構造は全く同じだが、あれよりも少し燃料タンクを大きくした。さらにそのエンジンに大きめの三相交流発電装置を取り付け、200V近い電圧を出すことが出来るようにした。これによって旋盤一台なら動かすことが出来るようになる。


俺はそれを作り終え電気配線などをやった後、旋盤の組み上げは旋盤に興味を持ったステファンに任せ、俺は港と飛行場の設計に取り掛かかり、蒸気機関車や自動車、航空機や艦艇の設計を行った。他にも作業を行い、そんな事を続けて約一か月が経過した。そして一か月住んでわかったのだが、この丘は意外と生活しにくいと感じた。森と山が近い分、野生動物が何度も侵入し夜に野菜を食べられたりするという被害もあった。それに海産物を採るにも海が少し遠いため、速く移動する手段としてはモーターボートで川を下るしか無く少々不便である。


それを改善させるため俺は海側に移住しようと考えた。場所はこの島の南側で湾の形になっている平原に建てようと思っていた。それに実験で港や飛行場の建設もしたかった。これらは魔法を駆使しても最短で二か月はかかるだろうと見た。

しばらくそこで生活するとミヅキたちに伝えた。するとミヅキたちも行くと言い出し、俺はどうするべきか悩んだ。俺の趣味にわざわざ付き合う必要は無いと言っても行くと言った。


「いや…だけどな…畑だったり、化学品、鍛冶場、建材、家や小屋もここにあるんだ。わざわざ俺の所に来る必要は無いと思うのだが…」


「だとしても…です。私たちは一緒に住んでいるのですから、主人であるあなたに付いて行くのが道理です」


俺は何度もやめておいた方がいいと言ったが、ミヅキたちは何かと理由を付けて行くと引かなかった。それに負けた俺は一緒に行くことにした。まずは家の敷地にある物を全て仕舞う事にした。畑も成長途中なのだが、まだどれも芽が出たばかりなので、苗として保存し移住地で育てる事にした。


今日はとりあえず整理を行い、明日移住することした。鉱山などが今よりもかなり遠くなってしまうが、今後鉄道を作ればいいだけの話なので今は保留となった。

そして翌日の朝に南へ向かい、目的地には数十分程度で到着した。海からおおよそ一キロほど離れた場所で荷物などを全て置き、大急ぎで畑とミヅキたちの寝床用の簡易的な小屋を建て、俺は別で小さい小屋に寝た。

最初は凄く反対されたが、間違いが起こってはまずいため別で寝ることにした。少々残念そうな顔をしていたのが気になったが…翌日俺はメリッサとエミリーを連れて港の建設場所に向かった。


「さて、ここが移住地近くの港にする予定だが…メリッサ、エミリー、この場所はどうだ?」


「ふむ…海の深さはわからないが、この場所なら問題は無いだろう。軍港には向かないだろうが、もし今後商船などを迎え入れるなら問題無いぐらいだな」


「潮の干満差も1メートル以下ですし、大きな川はありますがかなり遠いので工事もそこまで時間はかからないかと。それにこの場所の海底は砂や柔らかい泥ばかりですので大丈夫そうです」


「なら、ここにするか」


俺はまずボートを停泊させるための桟橋を建て、魔法を使い岸壁付近の海底の深さを15mにし、基礎を作り上げた。コンクリートなどは後程やろうと思っている。そのあとは飛行場を建設するため1500mx45mほどの大きめの滑走路を用意しようと思い、その土地を確保するべく平らにし、1.5m掘り下げて路床を作り、下層路盤、上層路盤、基層、表層という順に作り上げた。


港だけで色々見直す箇所があり、一か月かかった。少し遠い場所に岩礁があったり、積み荷の保管場所のスペースが想定していた港の規模と比べ小さかったりなど様々な問題があった。港の大きさとしては将来的に呉軍港のような大きさにしようかと思っている。


実際問題、そこまで大きい港は要らないとは思うが、やはりロマンには勝てない。それにそれだけあればもし誰かが来たとしても困る事は無いだろう。それにいずれは戦火がここまで広がるだろうと想定しているため、最低限防衛できるようにしておきたい。


そして飛行場にも問題が起き、一部想定していた以上に地盤が弱い場所がありその部分がへこむ恐れもあるためその修正を行ったり、設計した格納庫が震度6弱以上の地震が起きた時に倒壊する可能性があるという重大欠陥も見つかり、再度設計を見直したりという事が起こった。


だがそれらの発見のおかげで鉄道施設の建設、線路の敷設をするための場所もある程度見つかった。さらにケリーとキャロルのおかげで乳牛を飼育できるようになったり、エリカを筆頭に家の建設もやってくれたおかげでかなり立派な家が出来上がった。それも日本家屋でかなり大きい豪邸だった。本当ミヅキたちには頭が上がらないなと思い俺は深く感謝した。


そんな事もありつつ港と飛行場の建設作業には、魔法を駆使しても2か月以上かかったがついに完成した。色々と問題も起こったが、同時にこの期間で色々と便利になった部分もありかなり助かった。だが二つ問題点を挙げるとすれば、杖を一度も使っていない事、そしてこの土地に俺は永住する気がないことだった。


「だがこれで…零戦をまた飛ばせる…瑞鶴、長門…また会える日を願うよ」

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