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元おじいちゃんが行く、異世界産業改革  作者: 新宿 富久
第一章 島での生活
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石油

「ミヅキはまだ寝てる…か…」


俺は昨日の夜ミヅキたちにはやる事を伝えているが、朝起きた時に俺が居ないと心配かけるだろうと思い書き置きをした。その後ハクと共に石油らしきものがあるとメリッサが言っていた北東の山の裏へと向かった。


「しかし…本当に魔物が消えたな…」


いつか乳牛を飼育したい所だがそれにはまだまだ課題がありそうだった。放し飼いで飼育するスペースはあるがそのための柵や牛舎もまだ作っておらず、餌となる牧草も十分とはいえない。それと今後のためにも港は作った方がよさそうだと思った。


「ミヅキたちのと同じように避難してくる人もいるかもなぁ…」


酪農のまだまだ課題は多い。それに早めに電気も欲しいよなぁ…水魔法と炎魔法を込めた魔石で稼働ができる蒸気タービン発電機も早めに作らないとな、とそんな事を考えているとハクが少し吠えたため目的地付近に着いたようだった。


「確かになんか変な臭いがするな…」


恐らく使わていない石油が長い時間を経て変質したものだろうと判断付けた。


「さてと…回収できるだけ回収しますかねっと」


「アキューミュ・オイル」


魔法で回収しろと言うと俺の手を通してアイテムボックスの中に次々と石油が入っていった。本当は杖を使えばいいのだが、一番最初の仕事が石油の回収というのは流石に可哀想だったため、杖は専用のポーチをベルトに装着しその中に入れっぱなしにしてある。


回収をしながら周囲を浄化したり、軽食を食べたり、ハクと遊びながら待っていると陽は朝よりも上がっており、正午までは行かない程度だったがそろそろ帰らないとまずそうな感じはした。収穫量を確認すると217バレル(約35kℓ)も回収していた。


「ありゃ?思ったより回収スピード速いな…」


「ま、あって困る事は無いからいいか」


むしろ無いと今後の技術発展に寄与することができないためかなり困る。さらに何故石油を回収するのか、それは俺の趣味のためというのが一番の理由ではあるが、俺はある事を試したいたいが為に石油を回収していた。


「さて…アイテムボックス内で蒸留できるのだろうか…」


アイテムボックス内で採った石油を選択すると石油の簡単な解説が書かれている所の下に蒸留という項目があった。さすがに一気に出来る訳ではな一秒間に0.5バレル分の石油が蒸留されるようだった。だとしても217バレルの石油が、ほんの数分程度で全部完了するのはとんでもなく速い速度という事は間違いないだろう。


さらにその石油で蒸留できた残油留分、軽油留分、灯油留分、ナフサ留分、ガス留分に分かれ、試しにナフサを選択すると軽質ナフサと重質ナフサ大きく分かれ、両方を選択し蒸留・分解を行うと改質ガソリンとエチレン、プロピレン、トルエンなど化学製品の基礎材料も出来上がった。しかしいきなり19世紀ぐらいにまで発展してまった…まだ人口も10人しかいないのにだ。


「はぁ…もっと人材が欲しいよなぁ…何をするにも今の人数じゃ人手が足りないよなぁ…ま、それはまた今度考えよう。乗り物さえできれば外洋から人を集める事も出来るし、防衛も出来るようになるしな」


と、ハクに向かって言ったが、何とも言えない表情をしていた。きっと理解はしてくれているのだろうが、俺に言われても…といった感じなのが伝わってくる。そしてようやく家に着くとケリーとキャロルが来た。


「お帰りなさい!」


「おう、ただいま」


「そういや作物はどうなってる?」


「えっと…それが…先週よりも全然成長していなくて…」


「ふむ…最初にあれだけ成長したから畑の魔力が減ったのだろうか?だが…枯れた訳ではないのだろう?」


「それは問題ないわ、稲も一昨日の内に植え終わったし、麦や他の野菜や果物も今のところ大丈夫よ。むしろ健康すぎるくらいだわ」


「そうか、それは安心したよ。ま、あまり食べ物が採れ過ぎても消費できないしな」


「そうね。この後どうせまた何かするんでしょう?」


「まあな、んじゃ昼飯食ったら作りたいもん作るか」


俺たちは家へと向かい昼食を食べる事にした。作ってくれるのはミヅキとメリッサのようで、メリッサ得意の魚料理が出るそうでそれが楽しみでならなかった。

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