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始まり

 前の作品?記憶すらない。自称だが軽い記憶障害でな。故にこの作品も完成しない可能性があるが、途中で切れたらそこから先は勝手に妄想して下さい、投稿が途切れた時が記憶の切れ目です。

 あぁ、俺はなぜ生きているんだろう。

 俺は雨でぬかるんだ馬車道を這いずるように進み水溜りの泥水を少しすくって飲んだ。

 そして、その辺の雑草と紫のキノコとバッタを食べた。これが俺の朝ごはんだ。

 それを心配そうに目はないが、覗き込む二センチほどの黒い球体にデカい口と鋭く鋸のように並んだ歯だけがついたモンスター。


 前例がなく名前は不明らしい。ただ、能力オールGのそこら辺にいるクソザコだってことはわかってる。

 この世界には進化があるが、最大でも五回ってとこだし五回だと最大に進化できても一回の進化で良くてランク一個しか最大でもBまでしか上がらない。何だか惨めな俺らしくて愛着が湧いている。


 この世界は生まれた時に同時に召喚されるこの相棒とペアで生きることによって生活をしている。


 故に職につけない、え?人間にも出来ることあるだろって?馬鹿いえ、人間ができることの上位互換を表すのが相棒だ。編み物がその人間が得意なら蜘蛛のモンスターとか機械系のモンスターが出る、そいつに指示を出す為に人間は頭脳、モンスターが体として生きる。


 勇者とかいう相棒がおらず人間が両方する例外もいるらしいがそんな例外はこんな普通の街にいやしない。

 

 つまり、俺は生まれながらの無能ってことだ。Bまで上げれば何とかなるって?親がいればな。進化には野生のモンスターの魔石が大量に必要。それを狩るのを専用の狩人に頼むんだが。


 そうだな、狩るのに権利とかはないからランクBのモンスター二十体狩れば一段階進化するぞ。な、無理だろ?


 遠くからぬかるんでるってのに赤い靴を履いた、巻いた金髪の女の子が走ってくる。一応俺の幼なじみだ、ボサボサ伸び放題の黒い髪、ボロキレを纏った俺とはつり合わないがな。


 五歳の頃に俺の両親が殺されるまでは仲良くしてた。そこから俺は炉端で暮らしてきた。


 なぜか俺は何でも食える上に寒波にも負けない体を持つ能力があるらしく、恐らく産まれながらにホームレスが定職だと思われる。


 そういえばこいつもあの大殺戮の現場で何回斬られても数分で再生してたな、攻撃はただの付き人にすら傷を負わせられなかったが。


 おっと話がズレたな。なぜかこいつは会うとパンをくれる。それを泣きながら食べる、お世辞にも紫のキノコは美味しいとは言えない、例えるなら毒物を食べている感じがする。

 

 食べないと死ぬから食べるが。白いフワッとしたその口触りは俺の荒切った心の一滴の清涼剤。


「ねぇ、やっぱりうちにこない?私の家に居ればいつでも食べられるよ」


 それは出来ない、こいつには言っていないが俺の両親はこいつの両親に殺された。子供、つまりこいつに言わない約束で俺は許された。行ったら何されるかわかったもんじゃない。


 いつものようにズルズルと体を引きずり俺は路地裏に隠れまた涙を流した。五歳までの記憶しかないがあの家に帰りたくなることもあるのだ。今の俺は12。この街では職に就き始める頃だな。


 この世界での働き方は様々だ。一人一店舗もち個人としてやれる人間、素材を作る人間と組んで生きる人間、それらを一斉に雇って色々やる人間だ。


 そういう奴にはランクSのバフをかけられるモンスターがいるって言うのが基本だ。バフって言うのはいい効果の事だな。


 生まれながらの勝ち組だが、あの赤靴の子は確か無進化ランクBのバフ持ちだった気がする。雇ってもらおうかな、こいつの能力再生だけっぽいが。


 そして優しさか。こいつは何も食べずにただ俺に食べ物を持ってきてくれる。今日はミミズかな?ありがとう。


 見た目は正直めちゃくちゃ気持ち悪いが俺は相棒が大好きだ。そのよだれまみれの歯を優しく撫でてやる。切れることはない、というか葉っぱすら刺さらないのを確認済みだ。


 一息つこうと壁にもたれかかると柔らかい感触があった。少し手にぬめりを感じる。

その瞬間俺の身体には悪寒が走り抜けた。これは相棒モンスターでなく、野良モンスターの。


 Fランクモンスタースライム。










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