第39話 earisと楽屋で。
おまたせいたしました。
結構空いてしまいました……最近忙しくて…
そしてearisと共演する日を迎えた。
今回のお仕事は、歌って踊れる声優グループのearisが主催としている番組らしい。
それに私がゲストとして参加することになっている。
「何故私がゲストに呼ばれたのかしら?」
私が車移動中に姉さんに聞いてみると、アニメで出演が被っていたということ。
私は仕事が忙しいのもあって、時間の関係上アフレコは大体別で行わせてもらっている。
だから私の中で認識が無かった。そういうことだろう。
自分の楽屋に入ると、何かお高そうな菓子が置いてあった。他の楽屋にはもう少し安めのを置いてある。前の現場はそうだった。でもそれは私に失礼の無いようにという事らしい。
でも私は、また出演してもらえるように媚を売ろうとしてる感じで嫌いだ。
私は椅子に座り、鏡と対峙した。そして姉さんと痴話話をしながら髪をセットしてもらった。
そして髪をセットし終え、席を立とうとした時だった。扉を叩く音がした。
姉さんが「ちょっと待ってて」といって、確認しにいった。
「すみません、earisです。赤宮 カノンさんにご挨拶よろしいでしょうか?」
ああ、楽屋挨拶ね。
「どうぞ、入って構わないわ」
その声を聞くとearisは、「失礼します」と言いながら入ってきた。
そして、私の前に二人の女の子が並んだ。そして自己紹介が始まった。
「earisの双葉 摩耶です!今日は出演してくださって光栄です!!そしてこっちがーー」
「って、私の自己紹介は自分でするから大丈夫っ!!」
「大丈夫?極度の緊張で憧れの人を目の前に噛まないでよ?」
「分かってるっ!!」
もう一人の子は、一つ深呼吸を入れてから話し始めた。
「初めまして、双葉 ここねですっ。よろしくお願いしまっしゅっ!はっ、噛んだ‥‥」
「はぁ……今回も失敗か。いつになったら楽屋挨拶しっかりできるようになるんだろ……」
摩耶は呆れ気味にやれやれと首を傾げた。
「ちょっ、でもお姉ちゃんよりはしっかりしてるもんっ。全体的に見れば」
「ちょっ、それは無いでしょう?お姉ちゃんのほうが絶対しっかりしてるよ!」
「でもお姉ちゃんにライブのセトリ任せたら全然できてなかったじゃん!!私はできるもんっ」
「ぐはっ。でもここねだってお仕事で話振られてもあたふたして答えられないじゃん!!」
「お姉ちゃん、それは適材適所という言葉があってね?私の出る幕じゃ無いんだよ?」
「そんなの関係なくない!?できないはできない、ただそれだけじゃん!」
「お姉ちゃんは言い訳多すぎっ!!」
「ここねだって!!」
二人は、睨み合っている状態から膠着している。
しかし、姉の摩耶のほうは先に痺れを切らした。
「もう知らない!!ここねのバーカ!!お前の母ちゃんでーべーそーだっ」
「私もお姉ちゃんのこと知らないっ!お姉ちゃんこそお前の母ちゃんでーべーそーだよっ」
「「ふんっ!」」
二人は睨み合うのやめ、そっぽを向いてしまった。
私たちはいつまで姉妹喧嘩を見せられなければならないのかしら?
カノンは呆れつつ、姉の蘭と同様に思ったことがあった。
「この二人、さっきから自分たちのお母さんの悪口言っているけど、気づいているのかしら?」と。
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