表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある事情の  作者: 海月
7/19

餌付けできたようです!

すみません,ちょいちょい話をいじっています。

 彼は,作ったこちらが気持ち良いくらいの食べっぷりを披露してくれた。いつも1人で食べているので,2人の食卓はなんだか新鮮だった。


「美味かった,ごちそうさま。」律儀に言ってくれた。

私が皿を下げだすと,彼が皿洗いを申し出てくれたので,丁重にお断りする。いつも家でやっていたので,と答えると。「規格外のお嬢様だな。」と言われた。


 彼の雰囲気が柔らかくなったので,思い切って提案してみる。


「朝夕の食事は私が作りましょうか?昼は学食があるからいいでしょうけど,外食ばかりすると体を壊します。おうちでは,シェフが作っていたのでしょう?私の料理はそのレベルには程遠いと思いますが,1人分作ると材料が半端に余るので,食べてくれると助かります。」

 

私のセリフに対してシェフあたりのところで彼は眉をひそめた。あれ,何か気に障るようなことを言ってしまっただろうか。

 

 しかし,彼は,

「正直そうしてもらえると助かる。だが,帰りが遅くなることも多い。料理を無駄にしてしまいそうだから,食べられそうな日だけメールを入れる。朝は毎日お願いしたい。食費はそれ用の

クレジットを作るから、それでやりくりしてほしい。」と好意的な返事をくれた。


「わかりました。」


「それから,君は俺のことを久我さんと呼んでいるだろう。君もその苗字になったんだから紛らわしいだろう。下の名前で呼んで構わない。」

いきなり名前呼びとかハードルが高くないでしょうか。本物の新婚さんみたいでいたたまれない。あ,一応本物の新婚さんか。


「咲弥子?」なんだか照れる。


「では,誠也さんで…。」


「ああ,それで構わない。」

車の中では冷たい人だと思ったのに,どうやら胃袋をつかんでしまったらしい。まあ,関係は良好であるに越してことはないか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ