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とある事情の  作者: 海月
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始まりは

初投稿です。拙いと思いますが,あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです。

 まず自己紹介を。

 私は株式会社白島の社長令嬢である白島咲弥子,年齢は今年の3月に17歳となった。黒髪ロングに少し瑠璃色の混じった黒い瞳,冷たい印象を与えがちだが割と整った容姿をしていると思う。受験期真っただ中の高校3年生である。といっても,私の通う私立高徳院大学付属高校,略して徳高では生徒の半数がエスカレーター式に進学する。私はその半数の生徒に含まれるので,受験勉強というものは一切していない。


 どこにでもいるような絵にかいたようなお嬢様である。しかし,その日常がただいま突如としてひっくり返された。


 「お父様,もう一度お願いします。」


 「だから,お前が久我家の御曹司,久我誠也の婚約者になったと。」父が答える。


  父は私と同じような髪色と瞳を持つ御年45にはとても見えない美形だ。白島グループの代表取締役社長であり,子持ちのくせに大変モテる。親子関係は冷め切っており,普段は顔も合わせない関係である。そんな父に話があると,リビングのソファーに座らせられ,寝耳に水の話を聞かされている。


 「久我家とは,あの久我家ですよね?」一応確認をとってみる。


 「ああ,久我ホールディングスの久我だ。」何でもないように父が答えたが,その答えに若干気が遠くなる。


 久我家の経営する久我ホールディングスは,建設・リゾート開発業から証券取引,保険,果ては服飾品まで多岐にわたる事業をすべて統括し,日本で最も力のある会社と言っても過言でない。しかも,姻戚関係によって政治家・官僚とのつながりも深く,現職の総理大臣と親戚関係にあるらしい。加えて,本家の御曹司である久我誠也はかなりの整った容姿で社交界では,お嬢様方の憧れの的らしい。

 うちの会社はそこそこの規模をほこるが,父の代になって急成長した新参者の会社で,久我ホールディングスとは比べるまでもない。私も噂になるような特筆すべき点はない。いったいどこでどう間違ったら,そんなあり得ないほどの金と権力を持つ家の御曹司,超優良物件の婚約者になれるのか,父を小1時間ほど問い詰めたい。というか,まず冗談でないか確かめたい。でなかったら,父の働きすぎによる妄想か。


 「冗談じゃない,ここに誓約書もある。」


 確かに書類には,久我誠也と署名されている。残念ながら冗談でも,妄想でもなかったらしい。


 そして,父は有無を言わせぬ調子でのたまった。


 「で,明日顔合わせだ。」

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