帰 還
「なんだ?ヒッチハイクか?」
キィィー急ブレーキを踏んだ。車を止め窓を開ける。
「シュ!」
完璧なストレートだった、俺の顔が歪み、脳ミソが揺れる。
「さっさとドアあけなさいよ!」
サッサッ、惇のこんな早い動きみたことねぇぞ。
「どうぞどうぞ。」
なんて面してんだ、実に卑屈だ引きつってるぞ。
ドカッっと女は座った。
「お疲れさん、完璧ね相変わらず。」
「そりゃどうも。」
ヒリヒリするほっぺたをさすりながら、俺は言った。
「で?」
「で?」
「どうやったのよ。」
「まぁだいたい結衣の思う通りじゃないの?」
「ふぅん、だいたいね。
おじいちゃん、どうだった?龍二が現れた時。」
「うん、ありゃあやっぱ大したもんだ、うん。
まったく動じず、おお、よく来たなって感じよ。」
「ふ〜ん。」
「それどころか急に悲しそうな顔して、大吾はもうこの世にはおらんのか…なんて言い出してさ。
やっぱ自分の息子ぐらいに思ってたんだろうな。」
龍二の顔も曇って行く。
「最後はほれってよ、ほうり投げやがった。
心臓が止まるかと思ったよ、まったく、細菌だぜ。」
「けどまだまだそうゆう兵器?いっぱいあるんでしょ?」
「そうだな、それで金儲けしてやがるんだ。
何百人死ぬんだぜ。」
「また行かなきゃね。」
「俺はごめんだけどな。
後ろの小僧が行くんじゃねぇの。」
「一人じゃ行きませんよ、俺は。」
「じゃそこのおばちゃんと行くんだな。」
バキッ!
さっきと逆の頬が歪む。
「わかった、お姉さん。」
「馬鹿!そんなこと言ってんじゃないわよ、あんたも行くの!」
「へいへいわかりましたよ。」
「言いましたね。」
またこの馬鹿だ沖本とはしばらく喋らないって決めたんだ。
プチッ。
いつもの様に無線を切った。
そしていつもの様に、アクセルを踏んだ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
私にとっての処女作で、なんか殴り書きの様な感じさえ自分ではしています。
けど、やっぱり忘れられない作品になると思います。
これからもジャンルにとらわれず、がんばって行きますのでよろしくお願いします。




