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覚 醒

「ねぇ、君の名前…なんだったっけ?」

寝汗が首をつたうタイミングで聞いたと思う。

「結衣よ、結衣。昨日さては酔っ払っていたのね、あなた。」

鳥の声も聞こえる…昨日のことを覚えてない…

昨日のこと?いや、昨日どころじゃない!ここにある自分が写る物体でさえわからない、思い出せない!たしかに見覚えのあるものなのに……

「結衣って言ったよね、昨日の夜のことなんだけど…」

「えっ、あなたも…なの?」

「どうゆうこと?」

なにも飲み込めない現状の中で、なにかがムズムズと背筋を這っているような感覚を感じた。

「実は私、二時間前には目が覚めたんだけど、私は誰?状態だったの!今のあなたと一緒よ!」

なにいってんだ、こいつ。

「私の名前が結衣、あなたは龍二ってな具合で段々と頭の中に浮かびだしたのよ!」

「まぁいいや、それでどんな現状?今は。」

すごい汗だなこのー結衣と言う女。

「まぁ見てておもしろくなるわよー」



「意識レベルA2、なかなかじゃないか、今度のは」

「はい!自信作になると思います。」

「実行プログラムは?もう起動しているのかね?」

「えぇしかし…」

「ん?」

「通常のパターンでは無いと思われます。」

「ほぅ、それはおもしろいじゃないか。さっそくだが早急に頼むと、クライアントがうるさいのでな」



頭は多少ぼんやりしているが、頭には何種類かの映像が浮かぶ…

しかし…この映像は…なにか赤い…血!

それは明らかに目の中が真っ赤に染まって訳が分からなくなってはいるが、なにか匂いまで思い出す…気がする。

 そして視界が晴れて、なんだろう?この建物なにか古いお城?みたいな建物だがここに、ここに行かなくてはとゆう意識が働く。

 部屋を見渡し、クローゼット?たしかそうゆう名前…

裸のまま歩き開けてみる。

 「ちょっと!服ぐらい着なさいよ!」

「まったく、うるさい女だな、この状況でよく平気でいられるもんだ。」

 俺はこの時点ですべてを思い出していた。

 気がしていたんだ、この時点では…

「結衣、仕事に行こうか?」

「ん?仕事って?…そうね…」

「結衣はまだすべて思い出したわけじゃなさそうだ、俺のほうが追い越したようだな。」

「ゲッ!そ・それは…なにっ?」

「俺達の商売道具だ…」

俺のベッドに並べだした物、スーツ、そして…拳銃、小型レシーバー、ボタン型の超小型爆弾、地図。

「早く思い出せ…おいていくぞ!」

すべてをスーツの中に収めた俺はそう言うと、最後にレシーバーのイヤホンを耳に刺した。

「おはようございます。滝本さん。」

「おはよう。もうやっていいのか?」

「もちろんです、今回は急ぎの様なので…」

「わかった。出るわ」

「あっ、滝本さん!それよりも今回、体の方が…」

「体がなんだ?」

「いえ、体だけじゃなく脳自身…とにかくなにもかもが…」

「違うんだろ?感じてるよ」

「そうですか…ならいいんですが…」

「いいんじゃないの、もともとこの世にない体なんだろ?」

「じゃ気をつけて、行ってらっしゃい。」

こいつの名は、沖本。

ICFの科学エリアの責任者だ。

 仕事の連絡、俺達の体の管理等の仕事をしてくれてはいるが、俺達のプラグラムはすべてこいつが組み立て、動かされてると言ってもいいな。

「できたわよ、用意。」

結衣が声をかけてきた。

 最高のパートナーだ、身体能力、頭の回転、なにからなにまで完璧だ。

それに体の相性もいい。

 人間ではないが…そんなことは俺にとってなんの障害にもならなかった。

「龍二、いつもと違うわね。」

「どこが?」

「うーんなんとなく。覚醒も早すぎるし、なにもわからないふりを覚醒するまで続ける小芝居いらないよね、絶対。今日みたくタイムラグがあったらたまんないわよこっちはそれもプラグラムに入ってんだから。」

 「仕方ないだろそれが俺の脳にはそれがいいってのが沖本の自論なんだから。

  それより、行くぞ!」


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