表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生:死:善:悪  作者: 蓮々
2/2

また。


まただ。


取り残された。


自分だけが取り残された。


頬を伝う涙。


笑っているはずなのに、涙が止まらない。


アカツキは一人立っていた。


背景とは不釣り合いな光景だった。


炎に包まれた町。


破壊された家。


そこらじゅうに転がっている死体。


アカツキの服はボロボロだが、傷一つ無く、それは奇妙な違和感を醸し出していた。


「みんな、おめでとう。そして、さようなら。」


これは何度目の別れだろうか。


もう何年生きただろうか。


いつ死ねるのだろうか。


疑問の答えが見つからず、首にかかっている懐中時計を取り出した。


この懐中時計は開かない。


秒針の音も聞こえない。


動くわけではないのだ。


俺と同じで、時間に拒絶されているのだから。


わかっているはずなのに、動くことを願ってしまう自分がいる。


疲れで意識が遠退く中で、俺は瞬く星に手を伸ばした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ