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お昼ご飯を食べましょう 後半

 おっと、何か彰くんから爆弾が投げられてきた気がするなぁ?どうしたらその発言内容となるのだ?見ての通りのほぼほぼ冷凍食品のお弁当なのだが?


「えっと、ほぼほぼ冷凍食品なのですけど……」

「卵焼きは手作りだよね?よければなんだけどそれを一口もらえないかな?」


 何でばれたんだ!?確かに卵焼きは私の手作りだけど、でも不格好だぞ。あっ!だからか……まぁ、彰くんが欲しいって言っているんだからあげよう。


「うん、いいよ。はいあ~ん」

「えっ!?」

「えっ??」


 なんか彰くんの動きが止まった。どうしたんだろう?なんか変なことしちゃったかな?


「どうしたのですか彰くん?」

「あぁ、ちょっと驚いてね。佐伯さんって天然なの?」

「そんなことはないと思いますけど?」

「ふ~ん、まぁいいけど。いただきます」


 パクッと彰くんが私の不格好な卵焼きを食べた。不味くはないと思うけど、でも甘い卵焼きは好みじゃなかったらちょっとやばいかもしれない。大丈夫かな?


「うん、とても美味しいよ」

「本当!?なら良かった~」


 もし私に尻尾がついていたらうるさいくらいにブンブン振り回して竜巻起こしてしまうくらいに嬉しい。美味しいって言ってもらえて本当に良かったぁ。


「じゃあ、僕の卵焼きもあげるよ。はいあーん」


 喜びまくっていたら彰くんがまた私に向けて爆弾を投げてきたぞ。しかも、かわいらしい笑顔付きだから私にクリティカルヒットなんだぞ。私のH Pは1の瀕死の状態なのにっ。でもせっかく彰くんが食べさせてくれるというのだから食べないわけにはいかない。覚悟を決めて「いただきます。あ~ん」と食べた。

 食べた瞬間私は昇天しかけたのだが彰くんの卵焼きが美味しすぎて現実にとどまることができた。本当に美味しいんですけど!?どうやら彰くんの卵焼きはだし巻き卵でした。ほんのりとおだしの優しい味が口の中に広がってとても美味しい。卵焼きは絶対に甘口派だったのにおだし派に移ってしまおうかと考えてしまうくらいに私に感動を覚えたぞ。はい、長くつらつらと語っても仕方ない。まぁ、簡単にまとめると彰くんの卵焼きは天下を取れるよってことだね。

 私が長く卵焼きの美味しさを語る会を心の中で行っていて何もいわないせいで彰くんが不信がっています。ごめんなさい。


「僕の卵焼き美味しいかな?」

「とても美味しいです。美味しすぎてちょっと情緒が不安定になっているだけです。大事なことなのでもう1度言いますが、ほんとの本当に彰くんの卵焼きは美味しいです」

「なら良かった」


 ほにゃっと安堵の笑顔で彰くんが私をなぐってきた。もちろん精神的なやつだが、私マジで生きているのが不思議なくらいのダメージを1日中くらっている。一応気合いで生き残っているんだけど、後どのくらい持つか分からないな~とか考えながらもぐもぐとご飯を食べる。もぐもぐ、もぐもぐもぐんこ。「ご馳走様でした」と彰くんが手を合わせて言っている。早くないですか?まだ私は食べ終わらないのですけど?


「佐伯さん、もう少し早く食べないとお昼の時間終わるよ?」

「えっ?そんなことないですって」


 スマホを見てみたら残り15分ほどだった。移動する時間とかも考えるとかなりまずいかもしれない。そう思ってさっきよりもスピードを上げてぱくぱくと食べた。


「ご馳走様でした。うぅ~お腹がいっぱいです」

「食べ終わったことだし教室に戻ろうか」

「はい!!」


 こうしてお昼ご飯の大事件は終わったのだが、彰くんが私と分かれる時に「また放課後にね」と言われたのだが……うん、今日が私の命日になるかもしれない。

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