天と地がひっくり返りました?!
「彰くん、大好きです。私と付き合ってください」
「うん、いいよ」
何かがおかしい。いつもだったら、「ごめん、無理。」と笑顔で返すか無視して去って行くはずなのに。
「えっと……今なんて?」
「うん?だからいいよって」
「うぇっ?うん?」
天と地がひっくり返らない限り付き合うことが出来ないはずなんだけど?もしかしてこれは幸せな夢?それか世界の天と地が入れ替わってうちらは空を踏みつけているの?やばいやばい、まじで頭が混乱しすぎて終わってる。
「えっと、佐伯さん聞いてる?」
「全然何も聞こえません。無理です。死んじゃう、頭爆発しちゃう」
「告白してきたのはそっちなのになんでそんなに驚いているの?」
「彰くん、昨日どこかに頭ぶつけた?知らない間に記憶がぽろっと落ちてたり、足されてたりしない?それか変な魔術をかけられちゃった⁇」
「頭をぶつけてないし、記憶もちゃんとあるし足されてもいないし、それに魔術なんてこの世界にないんだから、少し落ち着こうか」
「うん、ならいいんだけど……」
そう言って、彰くんの顔を見てみたらとても可愛らしくはにかんでいらっしゃる。えへへ、今日もやっぱり好きだなぁ。
「期待しないことには、どうにもならないんだったよね。お姉さん」
何か彰くんが呟いた気がする。でもとても小さな声だったし、私は絶賛頭混乱中だから私の耳と頭では処理できないよ。しょんぼり。
「それで僕は佐伯さんの告白にオーケーしたのだけど僕たちは付き合うと言うことでいいのかな?」
「えっ?!違う違う、うん?違くないな……そうなんだけど、そうなんだけども?」
「ねぇ、普通は告白してその告白された側がオーケーを出せば付き合うものだよ」
いつまでも付き合うと言わない私に彰くんは呆れ困った顔でそう言ったのだが、
「そうですね。ええ、そうなんですよ……だから私と彰くんは付き合うことになるわけで……だから」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
とよくわかんなくなっていたところで授業始まり5分前のチャイムが鳴った。
「鳴っちゃった。じゃあ、佐伯さんまた後でね」
「はい‼︎」
あっ、つい反射で返事をしてしまった。元気よく返事をした私にちょっと驚きつつも彰くんは太陽よりも眩しい笑顔で手を振って教室に向かって行った。かわええなぁ。でも、笑顔が眩しすぎて私の目がご臨終たなってしまった。