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第三話
何から何まで対照的な二人だったが、なぜか馬が合い、いつも一緒につるんでいた。
そんな二人をやっかみ、冷やかす輩も多かった。「どっちがカオルだよ」。「カオルとカオリ?お前ら夫婦漫才か!」。「めおと!めおと!」――年長の児童らにはやし立てられ、真っ赤になってうつむくカオルをよそに、カオリが一番大きな悪童のあごに右フックを放ってぶちのめしてからというもの、あえて二人にちょっかいを出す者は絶えていなくなったが。
このたび本作を含む四つの物語から成る連作形式の小説「カオルとカオリ」をセルフ出版(ペーパーバック、電子書籍)しました。
最初のエピソードあたるのが本作です。心に適うようでしたら、購入をご検討いただけますと幸いです。
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