♪115.傘、無念の死!!
傘は風に弱い!
……風を防ぐのにも使うんですけどね。
風に煽られて、傘の骨を折ってしまったこと、きっとあるでしょう。
これは、台風が近づいた、ある風の強い日のおはなしです。
てか、まず前置きなんですけど(笑)
私、閉じた傘をボタンのついたやつで、ぐるりと留めるの嫌いなんですよね。
さした直後は濡れているので、しっかり巻いて留めてしまうと乾きにくい。
それに、折りたたみ傘も苦手な私は、きれいに巻いて留める自信がありません。
だから、私はあまりボタンを留めずに、閉じたそのままの状態で傘を持ち歩くことが多いのです。
そして、その、台風が近づいた日。
風は強くても、まだ雨は降っていませんでした。
とはいえ、時間の問題でしょうから。私は当然、傘を持って行きます。
雨が降っても、この風に傘の骨が折られないように。煽られるのではなく、正面から盾にする向きで傘をささなくてはな——そう思って、まだ、閉じた傘を手にしていたのですが。
ばさり!!(ぽきんっ!!)
やられたっ!!!
ボタンを留めていなかったため、閉じた傘の内側に強い風が潜り込むのを許してしまい。ひらいてさえいない傘のその骨は、閉じたままにもかかわらず、無残にへし折られてしまったのです。
例えるなら。
つぎのイニングから登板の投手が、ベンチ前でキャッチボールをしていたら。飛んできたライナーにあたって、投げるまえに負傷退場してしまうようなものでしょうか。
安物のビニール傘とはいえ、無念だったでしょう。
可哀想なことをしました。
おのれ、台風め!!
なんて卑劣な残虐ファイターだ!!
散っていった傘たちのためにも、私はあいつらを赦さないと、ここに誓います!!!
え?
ちゃんと、閉じた傘はボタンで留めろ?
ちゃんと風に向けてひらいても、骨がまがりそうなときありますね(汗)