人の寿命が50年と決まっている世界
寿命のことが聞きたいんだっけ?
さて…、どこから話そうか。
この世界では人一人の寿命は50年と決まっている。
なんでも昔々の世界では長生きする人が多すぎて
社会保障?やら出生率?が大変なことになって
みんなの生活が苦しくなってしまったらしい。
だから今から100年ほど前に
50歳を過ぎた人は安楽死をするようになったそうだ。
当時はなんて残酷な、って意見もあったらしいけど
実際にこの法律がはじまってから
みんな生活は楽になったし
食糧問題だって解決していったし
犯罪者だって政治犯以外は減ったらしい。
なんだろう、社会に余裕ができたんだって。
だから今となってはこの法律は良かったんじゃないかな。
僕は学校に通っているけれど
学校では50年という限りある人生を
どうやって大切に生きていくかを教えてもらってる。
昔の人は命の終わりがわからなかったって聞くけど
僕達にはよくわからない感覚だ。
50年って決められてるから充実した生を送りたい。
決められてない寿命なんて、足元がふわふわして
生きている感覚がわからなさそうじゃないか。
もういいかい?
じゃあ僕はいくよ、
寿命間近のおばあちゃんに会いに行く用事があるんだ。
「では、よい人生を」
閲覧ありがとうございました。